ギメルは、創業者である穐原かおる氏によって設立されました。穐原氏は、1970年代にアメリカで宝石デザインと宝石学を学び、日本でダイヤモンド輸入会社を設立した後、1984年にジュエリー会社「ギメルトレーディング」を大阪に設立。1991年には「ギメル」として独立したブランド名を前面に出し、国内外でのジュエリー展示会に積極的に参加しました。

ギメルのジュエリーが世界的に知られるようになったのは、2000年のバーゼル・フェアに出展されたことで、自然をモチーフにした独特なデザインが評価を集めました。同年、サザビーズのオークションにおいて、100年後に残るジュエリーを制作する工房として選出されたことも、ギメルの名声を高める契機となりました。

ギメルの最大の魅力は、その高度な職人技術にあります。特に「パヴェセッティング」と呼ばれる技法が際立っており、異なる大きさのダイヤモンドを敷き詰め、宝石の美しさを最大限に引き立てます。この技術は、海外の名だたる工房も模倣することが難しいとされており、ギメルの職人たちの精密な作業が光ります。

さらに、ジュエリーの裏側にも徹底的にこだわっており、木綿糸で磨き上げる「ハチの巣上の仕上げ」によって、着け心地も最高級のものに仕上がっています。このような細部にまで妥協を許さない姿勢が、ギメルのジュエリーを特別なものにしています。

ギメルのジュエリーは、その希少性からコレクターの間でも非常に高い評価を受けています。生産量が少ないため、一つひとつの作品が非常に貴重で、所有すること自体が特別な体験となります。

ギメルは「100年後も価値を持つ未来のアンティークジュエリー」として高く評価され続け、素材と技術に妥協を許さないそのスタイルは、時を経ても変わらず支持されています。