コーラル（Coral）

珊瑚（サンゴ）

石言葉

幸福・長寿

硬度

3.5

誕生石

3月

歴史

人類の歴史と深く結びついており、装飾品や信仰の対象として長い間重宝されてきました。

古代ギリシャやローマでは、珊瑚は魔除けや健康のお守りとして使用されました。特に赤珊瑚は高く評価され、宝飾品や宗教的な儀式に使われました。また、 古代エジプトでは珊瑚は神聖視され、ファラオの墓などに装飾品として埋められました。

その後、17世紀から19世紀にかけてヨーロッパの貿易商人たちがインド洋や太平洋地域から珊瑚を輸入し、ヨーロッパ市場に供給しました。これにより、珊瑚の利用がさらに広がりました。

日本では19世紀後半、高知県などで珊瑚の採取が盛んになり、世界的な珊瑚の供給源となりました。特に赤珊瑚は高い評価を受け、日本の珊瑚細工は世界中に輸出されました。

現代では珊瑚の採取は環境保護の観点から厳しく規制されています。多くの国で珊瑚礁の保護活動が進められ、持続可能な方法での珊瑚の利用が推奨されています。

解説

実は、宝石珊瑚と珊瑚礁は種類が異なり、宝石として価値のある宝石珊瑚は八放サンゴという生物によって作られます。一方、珊瑚礁は六放サンゴという生物によってつくられます。ちなみに、イソギンチャクも珊瑚礁の仲間。

サンゴ虫とは

サンゴ虫は腔腸動物の一種で、イソギンチャクやクラゲの仲間で、口の周囲にある触手の数によって種別されています。

宝石となる珊瑚を作るサンゴ虫は、触手を8本持っている「八放サンゴ」と呼ばれる種類のみ。珊瑚礁を作る、「六放サンゴ」とはまた別の種類となります。

珊瑚ができるまで

八放サンゴはプランクトンを食べて内部に骨格を作りながら増殖し、樹枝状の集合体を形成します。この集合体は水深100～400mの海底に生息します。そして、八放サンゴが死ぬと外部の組織が腐敗して、骨格だけが残ります。

残った骨格が本サンゴとなります。主成分は炭酸カルシウムのため、研磨するとツヤが出ます。

中国では縁起物として高額取引される珊瑚

日本では昔から高知県が赤珊瑚の産地として知られています。しかし、2014年末に中国の大量の密漁船が小笠原諸島沖に出現したことで、その周辺も産地として有名になりました。

この事件が示すとおり、今の珊瑚の需要は中国や台湾が最も多いのですが、成長の遅い珊瑚は”長寿”と結びつく風習もあり、縁起物として高値にて取引されています。

日本国内においての現在の市場価格は、それほど大きな変動はなく安定した買取価格を保っています。