古来より人々の生活に密着してきた金
金とは
貴金属三要素と呼ばれている中の一つ、金。化学的にも安定しており、加工もしやすく希少性が高く永遠にその美しい黄金色を保ち続けます。現代の女性にとってゴールドジュエリーは毎日のお洒落には欠かせない物であり、フォーマルからカジュアルまで幅広く楽しめる存在となりました。日本では18金のゴールドジュエリーが多く、金に銀や銅などを加えた金合金を使用します。金ばかりではなく、プラチナや銀の場合も他の金属を加えることにより、性質が変わり硬さや弾性が出てきます。
一般市民は欠片すら持つ事を禁じられてた金
今では誰しもが購入できるような価格にはなりましたが、その頃では「金=すなわち神が王に遣わしたもの」として一般市民には金の欠片すら持つ事を禁じられていました。そんな金でもやはり無限にあると言う訳も無く、現在では世界中の金山の3/4。地球上にある埋蔵可能な金は20メートルの立方体ほどしか残っていないと言われています。全ての金が採掘されれば今でこそ誰しもが購入出来る金も、近い将来には昔のように途方も無い価格になっているかもしれません。今後も貴重な貴金属として変わる事ない価値を持ち続ける事でしょう。
変動する金相場
世界経済、株価の影響を大きく受ける金相場
2007年11月9日に金相場が3,216円の高値を付け、2010年5月13日には3,855円ま高騰しました。金が持つ世界共通の信頼の高さゆえ、投資へのリスクヘッジに金が買われているという事もあるでしょう。現在の金価格は10年程前に比べると2倍以上の価格で取引されていますので、当時購入していれば膨大な利益を得る事が出来たのではないでしょうか。「金とは」でも説明したように、金の採掘が追いつかなくなれば金の価格はさらに高騰するでしょう。ただ金相場自体は不安定な為に為替や世界経済、株価によっていつ大きく値崩れするかは分かりません。
金の純度について
皆さまがお持ちのジュエリーや宝石に付いている地金の金には、必ずと言っていいほど金の種類を表す刻印があります。【インゴット】【金塊】でお馴染みのK24=100%含有(99.99%)からK8=33.3%含有までありますが、金性(キンショウ)が下がるにつれて買い取り価格と金としての価値は下がっていきます。ここでは広く世に流通している金の品位を、良く製造されている地域や名称と共にご紹介していきます。
K24(24金)99.99%含有
K24は24karatの略となり、1000分率で言う99.99%となります。世界中どこでも使われ指輪やネックレスと言うより、一番多いのが金資産で言う所のインゴットが多いでしょう。グッドデリバリーバー=【ロンドン金市場受渡適合品】のロンドン市場公認ブランドと言う事であれば間違いなく品質は保証され、買取店では一番高い値段で買取る事が出来ます。ただ純金は非常に柔らかく傷も付きやすい為、宝飾品等には不向きとなり、合金を混ぜて金に固さを持たせるのが一般的となります。
K22(22金)91.6%含有
K22は22karatの略となり、1000分率で言う91.6%となります。主にアジア特に東南アジアで見かける事が多い金性となります。(財産的な観点の比重が多い為)K22、や22K、916と刻印される事が多いです。独特な黄金色は純金と見間違えるほどでアジア金などとも呼ばれます。タイではこの少し上の23金(95.8%)が取引される金では多く見られます。単純な無垢な指輪やネックレスに好んで使われる様です。
K18(18金)75%含有
K18は18karatの略となり、1000分率で言う75%となります。造幣局では750/1000と言う表記となります。18金は世界中で一番スタンダートな金性でしょう。理由として指輪やネックレスに必要な適度な固さを持ち、コスト的にも純金より安い事が挙げられます。ヨーロッパなどはプラチナ等を使わず750のホワイトゴールドを使います。そのせいか使用していると段々と黄色くなっていくのが特徴です。
K14(14金)58.5%含有
K14は14karatの略となり、1000分率で言う58.5%となります。 造幣局では585/1000と言う表記となります。 14金はアメリカで多く使われる品位となります。 ハワイアンジュエリーのバングルや指輪、ネックレスなどは彫刻が施されるデザインが多い為、18金より少し硬めの14金がコストの面も含め好んで用いられます。 少し18金より薄い黄色の金属色も特徴です。
K10(10金)41.7%含有
K10は10karatの略となり、1000分率で言う41.6%となります。 造幣局では416/1000と言う表記となります。10金はジュエリーブランドで多く用いられます。 理由として金が少ない為生産コストを安く抑えられると言ったのが挙げられます。 国内アパレルブランドもコストが安いと言った理由から用いられる事が多いです。 割金が銅や銀を用いてピンクゴールドにして販売しているのも多く見受けられます。
金のカラーバリエーション
イエローゴールド
Yellow Gold
純金に対する割金を、銀と銅を同量ずつ配合したカラー。ISO8654では銀4-6/銅4-6も範疇内としています。
ホワイトゴールド
White gold
ホワイトゴールドにパラジウムやプラチナを混ぜる方法と、ルテニウムメッキにて漆黒に仕上げます。
ピンクゴールド
Pink Gold
割金80%を銅、残りをパラジウム、亜鉛等を配合。銅の配分量によって赤味が増します。
ローズゴールド
Rose gold
PG同様の配合ですがPGよりも銅の配分量が多く濃いピンク色に仕上がります。
ブラックゴールド
Black Gold
ホワイトゴールドにパラジウムやプラチナを混ぜる方法と、ルテニウムメッキにて漆黒に仕上げます。
グレーゴールド
Grey Gold
ホワイトゴールドに敢えてロジウムメッキをしない場合の呼称。
コンビカラー
Combi color
割金80%を銅、残りをパラジウム、亜鉛等を配合。銅の配分量によって赤味が増します。
スリーカラー
Three color
ゴールドのカラーバリエーションを3種類使用して作られたもの。YG・WG・PGの組み合わせが一般的。
金の色による買取額の差はございません
「金の色による価格の違いは?」「18金なんだけどシルバー色してると買えないの?」といった質問を多くいただきますが、色の違いは割金に何が入っているか…という差だけですので、該当する品位の金の含有量にてお買取りいたします。ポピュラーなホワイト・ピンク・イエローの特設ページをリファスタでは設けており、それぞれで更に詳しくご説明しておりますので宜しければご覧ください。
貴金属の変色
一度は体験されている方もいらっしゃると思いますが、大事な貴金属が変色してしまった事はありませんか? そうなんです!!変色してしまうのです。 本来安定している貴金属も宝飾用の場合(ジュエリー)は他の金属を加えて使用している為、取り扱い方によって変色を起こす事があるんです。
白色に変色
水銀に触れると金は白変します。 壊れた水銀体温計や水銀電池を扱う時には注意が必要ですね。 いったん白変すると元には戻りませんので、ご注意くださいね。
黒色に変色
温泉や火山帯に行くと金製品が黒変する事があります。 これは合金にする際に含まれる銀や銅が錆びるために起こります。 磨き粉で磨けば元には戻りますが、注意が必要です。
例外
環境によっては、水銀に触れても黒色に変色することがあります。 この場合は白色と同様に元には戻りません。
赤紫色に変色
リングの接合部や、爪の取り付け部分が赤紫色に変色することがあります。 これは、接合部に使用した<ろう>が焼ける(酸化される)為に起こります。気になるようなら磨いて元に戻します。 ※<ろう>とは低い温度で溶ける金属あるいは合金の事を言います。
黒ずんで輝きがない
汚れが原因です。 洗浄すれば、輝きは戻ります。
くすんだり、黒ずんだりしても貴金属は重量で買取をする為に影響は有りませんが、宝飾品としての査定依頼の場合には出来るだけ綺麗な方が査定額はあがります。コチラで洗浄方法を詳しく説明しておりますので宜しければご覧ください。
金属アレルギーの豆知識
ここ数年アレルギー問題が激増しておりますが、その中でもアクセサリーによる金属アレルギーは食物に次いで多く発生しています。アクセサリー内部の金属成分が何らかの理由によって溶けだし、それが汗などでふやけた皮膚の角質層から体内に入り、金属アレルギーを起こすことがあります。 極端に金性が悪いアクセサリー、使用によって金メッキが摩耗したり、傷がついたアクセサリーは汗などによって成分が溶け出しやすくなっております。
アレルギーを起こしやすい金属一覧表
水銀
アマルガム(水銀合金の歯科材料)破損した体温計や寒暖計の中の水銀が発散して気化した場合
ニッケル
アクセサリー(イヤリング・リング・ネックレス)腕時計、時計バンド、眼鏡のフレーム、合金の歯科材料
コバルト
合金の歯科材料。アクセサリー。眼鏡のフレーム。
クローム
合金の歯科材料。アクセサリー。皮製時計バンド。
症状
金属が接触している所、また場合によっては接触部以外にも湿疹やかぶれ、皮膚炎を起こします。皮膚に異常が生じたら直ちに金属を外し専門医の診断を受けましょう。
イヤーピアスと金属アレルギー
ジュエリーの中でも耳たぶに穴をあけそこに金属の軸を通して装着するイヤーピアスは特に金属アレルギーが起こりやすいアイテムです。その為最近では金属アレルギーを起こしにくいと言われているチタンを使用した製品などもございます。
アクセサリー類のアレルギー対策
アクセサリーアイテムの中では地肌に直接つける事のないブローチが安全でしょう。この場合、ブローチのピンが肌に着かない様に気を付けましょう。またネックレスやペンダントは、首元にピッタリくるものは避け長めの物を選びましょう。長い物でしたら衿の付いたブラウスやスタンダートカラーのジャケットの上から着けることができ、肌に直接着く事はありません。
安全資産としての金とは
人間は誰しも、自分の財産を残そうと言う気持ちを持っています。ミクロで言えば貯金がそうです。マクロで言えばそれは、国家資産等になるかと思いますが、もう少し個人レベルまで落して行くと、株や土地建物、外貨預金や投資信託、保険商品などがあり、それともう一つが『金』なんです。古くは1816年のイギリスの金本位制だったり、(日本では1897年)現在では『金は裏切らない』と言った事に裏付けられるのですが、不況になった場合には金が上がる(奇しくも2016年6月24日のイギリスのEU脱退により金相場急騰)と言う性格から金を買われる方が多くいられます。しかも保有するだけでは税金もかかりません。低金利時代の今では銀行に預けるより金で持っている方も多くいらっしゃいます。財産保有は「リスクを如何に多くに振り分けるか」が大事です。一つに全財産を投入してしまえば、その価値が下がっただけで大ダメージを受けてしまう。だからリスク回避の為に色々なところに財産を振り分けるのが定石です。その中でも金は比較的安全とは言え、将来的に経済や時代の流れが変わり、安全資産等を必要としない平和な時代が来た場合には、金の価値は下がるでしょう。ある一定の「危機」があって初めて成り立っている金の価格でもあるのです。そう思うと今のこの金価格は異常なのかもしれません。
金は7,000年程昔、砂金の形で人類に発見されたと言われています。長い年月を経ても劣化することがなく安定性が高いゆえ、反応性が低い金属。世界で初めて貴金属として扱われたのが金ですが、紀元前の頃から既に装飾品として使われてきました。皆様ご存じの、「ツタンカーメン王の黄金のマスク」も有名な話。17世紀では錬金術、1800年代のアメリカではゴールドラッシュ、日本では徳川埋蔵金など、ミステリアスな話題に事欠きません。
現代では70%強が宝飾品として、残りは通貨や工業用品、医療用、金メッキや食用(金箔)などで使用されており、その用途は非常に広くここでは紹介できないほどです。