目次
ヴィルジニー・ヴィアール

ヴィルジニー ヴィアールの経歴
ヴィルジニー・ヴィアールは1962年フランスのリヨン市生まれの現在58歳。 彼女の祖父母がシルクのビジネスを営んでいたこともあり、幼少期より舞台衣装のデザインに興味を持っていました。ファッションスクールに通い舞台衣装を学んだ後、衣装デザイナーのアシスタントとしてファッション業界でのキャリアをスタートさせます。 ヴィルジニー・ヴィアールが20歳の時、彼女の両親が懇意にしていたモナコのキャロライン王女による推薦がきっかけで、シャネルのオートクチュールエンブロイダリー(刺繍)部門にインターンとして入社します。カール・ラガーフェルドが就任して4年目のことでした。 入社してしばらく経つと彼女は同部門の責任者となるほど才覚を発揮します。 1992年にカール・ラガーフェルドがクロエのアーティスティック・ディレクターに就任するのと共に、同ブランドに移籍し、5年間クロエに在籍した後に彼と共に再びシャネルに戻ります。 オートクチュールを担当していたヴィルジニー・ヴィアールでしたが、2000年にはプレタポルテ・アクセサリー部門も担当するスタジオ・ディレクターに就任しました。シャネル製品全てに置いて監修、現場を指揮するようになり、シャネルの主要スタッフとして活躍しました。 表舞台に立つことはほとんどなかったヴィルジニー・ヴィアールですが、カール・ラガーフェルドが体調不良で欠席した2019年春夏オートクチュールコレクションのショーで挨拶をしたことで彼の後任として世に知られる存在となりました。カールラガーフェルドとの信頼関係

ヴィルジニー・ヴィアールの新生シャネル

プレタポルテ

2020年クルーズコレクション
ヴィルジニー・ヴィアールが単独で手掛けた初のプレタポルテコレクションはパリのグラン・パレが会場となり、ガブリエル・シャネルとアーサー・カペルの恋がはじまったとされるトレインステーションを表現したセットが組まれました。 ショーのテーマは「旅」。新生シャネルの新たな旅立ちに相応しいテーマで、ガブリエル・シャネルが大切にしていた動き易さを重視したシルエットのパンツルックや、シャネルスタイルの代表であるツイードジャケットも従来のシルエットとは違った様々な新しいスタイルで登場。シャネルの定番カラーであるモノトーンを基調として、ピンクやレッド、パープルやブルーといった鮮やかなカラーのアイテムが次々に発表され、フレッシュで若々しいヴィルジニー・ヴィアールらしい新生シャネルを印象付けたコレクションでした。2020年サマーコレクション
パリのグラン・パレで行われた2020年サマーコレクションは、会場にパリの家並が繋がる屋根のランウェイを設置。その上をモデルが歩きました。 テーマは1950年台の映画「ヌーヴェル・ヴォーグ」。 シャネルのアイコンであるツイードジャケットを若々しく表現した新しいスタイルを次々と発表しました。ミニ丈のオールインワンやデニムやショートパンツのルックも登場し、ラフでカジュアルなスタイルも多く、希望に満ち溢れた明るさが表現された輝かしいコレクションでした。2020年ウィンターコレクション
ヴィルジニー・ヴィアールがアーティスティック・ディレクターに就任して2度目のウィンターコレクションのテーマは「自由・エネルギー・ピュア・シンプル」。 毎度、大規模な会場セットが印象的だったシャネルですが、会場の顧客席を段にして重ねて島に見立て、その間をモデルが歩くという未だかつてないシンプルな演出にも注目が集まりました。これはサスティナブルの意識がファッション業界に浸透してきたことの現れです。 ガブリエル・シャネルが愛した乗馬から着想を得たメンズライクな乗馬ルックや、モノトーンを基調としたカラーに淡いペールカラーを差し込んだピュアで若々しいスタイルが印象的なコレクションでした。2021年春夏コレクション
世界的なパンデミックを受け、クルーズ・コレクションをオンラインで発表したシャネルでしたが、サマーコレクションは2020年10月6日にパリのグラン・パレにて開催。ロサンゼルスのHOLLY WOODサインに見立ててCHANELサインの巨大なモニュメントを会場に設置しました。 ショーのテーマは「メゾンの歴代のミューズ達に捧げるオマージュ」。ガブリエル・シャネルとカール・ラガーフェルドは数多くの女優達の衣装を手掛けてきました。本コレクションはシャネルの歴代のミューズとデザイナーを想い、現代の女性達の為に若々しくフレッシュなスタイルが数多く発表されました。 「ヴィンテージ風に再現したわけではなく、活気があり、カラフルで喜び溢れたコレクション」だとヴィルジニー・ヴィアールはコメントしています。CHANEL 19(ディズヌフ)
カール・ラガーフェルドとヴィルジニー・ヴィアールが手がけた最後の2019-2020年秋冬コレクションで発表された最新モデルのバッグ「CHANEL 19(ディズヌフ)」。
新生シャネルを代表する新しいアイコンバッグです。
定番のクラシック・チェーンバッグとの違いは、その柔らかいフォルムとチェーンの仕様、そして大きなCCマークが印象的です。
ヴィンテージ風なデザインですが、どこか新しくて若々しいまさにヴィルジニー・ヴィアール率いる新生シャネルに相応しい新しいアイコンバッグです。「CHANEL 19(ディズヌフ)」はバッグだけでなく革小物も多数展開しており、今後次々に新しいモデルが発表される予定です。
ファレル・ウィリアムスとのコラボレーション
ヴィルジニー・ヴィアールは2019年3月にファレル・ウィリアムスと協業してカプセルコレクションを発表しました。 ファレル・ウィリアムスはシャネルのショーに登場したり、「ガブリエル・ドゥ・シャネル」の広告フィルムに登場したり、シャネルとは縁の深いミューズです。 生前のカール・ラガーフェルドと親交が厚く、「シャネル ファレル」を提案してアイデアを出したのはカール・ラガーフェルドでした。彼の意志を次いで歴史に残るコラボレーションをヴィルジニー・ヴィアールが実現しました。 すでにシャネルとファレルは2017年にコラボレーションしたスニーカーを発表しており、世界限定500足に対して12万人の応募があり大成功を収めていたことから、メゾンにとってもシャネルファンにとっても待望のコラボレーションでした。 2019年に発売されたカプセルコレクションのラインナップはストリートからインスピレーションされていて、ウェアを初め、カスタムスニーカー、バッグ、サングラス、アクセサリー類など。いずれもカジュアルなデザインで、ユニセックスで使えるアイテムばかりでした。 いずれも爆発的な人気をほこり、数に限りがあった為現在ではプレミア価格がついています。サステナビリティへの取り組み
ファッション業界は石油産業に次いで、地球環境汚染に影響を与えていると言われています。世界全体の二酸化炭素排出量のうち、8%以上がファッション業界からの排出という事実に驚きを隠せません。
シャネルは地球の環境問題への取り組みとして、「シャネル・ミッション1.5」を2020年3月10に発足させました。1.5というのは、「世界の平均気温の上昇を1.5度未満にする努力をする」といったパリ協定の目標値のことです。
「シャネル・ミッション1.5」で掲げているのは以下の4項目です。
- 30年までに二酸化炭素の排出量を50%減らす
- 25年までに100%再生エネルギーに切り替える
- 二酸化炭素排出量の相殺
- 気候変動に対する取組への投資












