米国株が下がっても日本株は下がらなくなっています。つまり日本経済はこれからよくなっていくでしょう。
この記事の要約
今回は、3月19日の日銀の金融政策決定会合での追加利上げの見送りを受け、日本経済の活況と円建て金の高値につながる公算が高いことを解説。
- 日銀の政策金利を据え置きによる日本経済へのプラスの影響とは?
- なぜ米国株が下がっても日本株が下がらないのか?
- 今後のドル円レートのゆくえと円建て金が高値を取る公算が高い理由とは?
では、行きましょう。
日銀が追加利上げ見送り
日本は3月19日の日銀の金融政策決定会合で、見込みどおり金利が据え置かれました。
これは米国株が下がっても日本株が下がらない理由、そしてドル安でも円安になる重要なポイントになります。
まず、日本の政策金利の推移を前年比で見てみましょう。

2024年3月にマイナス0.1だった政策金利が現在は0.5、去年に比べて0.6高いことになります。
それを織り込んで、日本の10年物国債は3月18日時点で前年比0.77高でした。
だいたい政策金利の0.5高に対して国債金利は0.77高なので、同じような金利水準になっています。
米国株が下がっても日本株は上昇へ

日銀の金利水準据え置きにより、政策金利は引き続き0.50。
昨年の3月19日に日銀は、マイナス0.1から0.1へと0.2の利上げを実施しているので、前年比では0.30高。
そうなると、前年比は0.4高の政策金利に対して国債標準10年物は0.77となり、かなりの割高です。
通常は政策金利が国債金利に波及するので、10年物国債は前年比で同じく0.57程度まで下がることになります。
アメリカはトランプ関税によって物価が上昇し、景気が後退すると見込まれています。
一方で日本は、金利安によって景気が拡大すると見込まれるので、アメリカの投資家は米国株を手仕舞い、日本株を買うのが標準になってきます。
ゆえに米国株が下がっても日本株が上昇するということが起こっているのです。
米国株安・日本株高はいつまで続く?

こうした状況がいつまで続くかは日銀次第です。
昨年、日銀は3月に利上げを行い、7月にさらに利上げを行っていました。
このタイミングで今年も利上げをすれば、前年比の金利差は変わらずになります。
つまり日銀が景気に配慮して金利を上昇させれば、7月以降も前年比で変わらずになり、当分の間、日経平均株価は上昇することになるのです。
これを毎年のように3月、7月、1月と利上げを繰り返していけば、前年比金利が0.3高となっていき、すなわち低金利水準が続くというサイクルになっていきます。
これに気づかず日本株が上昇すれば、利食いをする日本人がなんと多いかということです。
ドル円レートへの影響は?
為替も、政策金利が維持されたことで、前年比0.6高から0.4高の金利差となったことから円安になります。
一方でドルの金利は前年比マイナス1.0です。
米政策金利の推移を見ていきましょう。

アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、2024年9月に利下げをスタートしました。
前年比でマイナス1%の金利を維持しているのは、インフレが再加速する懸念があるからです。
そうなると、日銀が7月に利下げをして前年比で変わらずの金利差水準を維持、一方のFRBが9月に利下げをしても前年比の水準が維持されます。
結果、金利差的にドル円レートは円安基調のままということになるのです。
さらにファンダメンタルズでは、日本は財政と金融の緩和の拡大を行っているのに対して、アメリカは緩和の停止を行っています。
供給面からもドルは強くなり円は弱くなるので、ドル円は円安方向に進む公算が高いことになります。
ゆえに、円建ての金はドル価格に追従してさらに高値を取る公算が高いと言えるのです。
この記事のまとめ
今回の記事では、まず3月19日の日銀の金融政策決定会合での追加利上げの見送りを受けて、日本は景気拡大が見込まれるということ。
これを受けて、トランプ関税で景気後退が見込まれるアメリカの株価が下がっても日本株は下がらなくなっています。
つまり日本経済はこれからよくなっていくということ。
次にドル円レートも、日米の金利差と緩和の観点から世間の期待とは裏腹に円安方向に進む公算が高いということ。
結果、円建て金価格はこれから高値を取る公算が高いと言える!
という内容の記事でした。