当コラムでは下がると言っている金相場。実際には、どんどん上昇中になっているようですが…。
この記事の要約
今回の記事では、各種データを参照しながら金の頭の可能性を探っていきます。
- 金価格の前年比から見える、頭の可能性を示すデータとは?
- 金の強気が伸びた本当の理由とは?
- 金が頭を打つタイミングは?
では、始めましょう。
金価格の前年比から見える事実
下記のグラフは2024年7月1日から2025年9月11日までのドル建て金価格(青線、右軸)と価格の前年比(左軸)です。
前年比には2種類があり、オレンジ線が単純な価格前年比、緑線が金利と為替の影響を除いた前年比になっています。

このうち、単純な価格前年比は去年の7月1日から年比45%以上に上がっていません。
今回は9月10日の44.8%が最高値で、翌11日にはすでに下がり始めています。
一方で金利や為替を除いた前年比は、一度50%超えの時もありました。
これは主に中国の買付が大きかった時で、中国買いが落ち着いている時は40%を超えたところで頭を打っています。
9月11日は38.48%、最高値は9月5日の41.04%と明確に40を超えている状態です。
この2つの事例から、金はあまり強気できないと考えます。
なぜ強気が伸びたのか?
にもかかわらず強気が伸びた要因は、トランプ関税や相次ぐ戦争も挙げられますが、やはりドル安です。
そこでこのドル安の理由を探るために、まずはドルインデックスのチャートを見てみましょう。
https://jp.tradingview.com/chart/ZsN75qDZ/?symbol=TVC%3ADXY
ドル高が始まったのは2022年くらいだと認識できます。
このドル高は、FRB(連邦準備制度理事会)がゼロ金利から4.5まで利上げをした結果と説明されるのが一般的です。
次に、過去5年間のドル人民元レートのチャートをご覧ください。

元は2022年から大きく下がっていますが、これはドル高転換と軌を一にします。
すなわち、ドル高になったので人民元安という構図です。
その2022年は中国の不動産バブルが崩壊し、中国国内に投資するものがない状態でした。
そこで中国人投資家がアメリカを筆頭に日本や欧州に投資をした結果と考えられます。
ところが2024年に入って中国の株価が急速に回復し、この9月に入ってから急騰というレベルまで上昇してきています。
ドル人民元の展望が金の頭を示唆!
次にドル人民元相場と中国の株価の関係を確認してみましょう。

株価が急落すると人民元が安くなり、急騰し始めた2024年は元安になりました。
ただ、ここ最近は株価の上昇とともに、元高が進行している状態です。
今回の場合は、アメリカから中国への資金シフトが起こっていると考えられます。
この流れはもう1年近くになっており、この異常なドル安は早晩終了するでしょう。
つまり早晩、金の高値も終了することになるのです。
この記事のまとめ
以上、2022年におそらく中国国内から流出した資金がドル高を招いてきたドル人民元相場。
ここに来て株価が回復した結果、人民元高が起こっているかたちでしょう。
これを受けて、現在の金価格上昇の要因であるドル安が訂正されれば、金高にも早晩頭が訪れることになります。
という内容の記事でした。














