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ロシア産プラチナ地金の買取・精錬は完全停止 ― 2025年11月時点の市場現況と法的根拠
2025年11月現在、日本国内ではロシア産プラチナ地金の買取および精錬取扱いが実務上完全に停止しています。これは一時的な制限ではなく、国際的な市場インフラそのものが機能を停止していること、そして日本国内における法令遵守の強化が背景にあります。したがって、リファスタをはじめとする正規の貴金属取扱業者は、一切の受入を中止しています。
停止の直接的な理由は、LPPM(ロンドン・プラチナ・パラジウム市場)によるロシア主要精錬所の「グッドデリバリーリスト」除外措置です。これにより、ロシアで製錬されたプラチナは、もはや国際的な市場で「正規の地金」として認められず、受渡・決済・精錬すべてのルートが遮断されました。また、これに連動して大阪取引所(OSE)も2022年以降、ロシアブランドの受渡対象を全面的に除外。結果として、日本国内での合法的な処理ルートが完全に閉ざされています。
当社リファスタの対応方針 ― 一切の受入を停止
当社リファスタでは、ロシア産プラチナ地金の買取および精錬受託を、いかなる形態でもお受けしていません。これは単なる社内方針ではなく、国際取引ルール・国内法令・取引所基準に基づくコンプライアンス対応です。
刻印の削除や再溶解による「出所不明化」行為、あるいは地金を分割し小口化して持ち込む依頼も、すべてリスクが極めて高いため例外なく拒否しています。100g単位の小割り販売や、書類を後付けする形式の依頼なども、出所追跡が不能となる可能性があるため、現在の法制度下では一切受付できません。
なぜ今も「不可能」なのか ― 二大根拠
① LPPMおよび日本取引所の受入停止継続
2022年4月8日、LPPMはロシアの主要精錬所であるKrastsvetmet社、Prioksky社をプラチナおよびパラジウムのグッドデリバリーリストから除外しました。この決定は国際的な市場信頼性担保制度における根幹措置であり、除外された精錬所の製品は「公式な地金」として取り扱えなくなります。これは金融商品取引や宝飾品の再精錬分野にも強く影響し、日本国内の取次ルートや精錬所も同日に同調しました。
同日、大阪取引所もロシアブランドを先物受渡の対象外とする旨を発表。つまり、取引所を通じた価格評価や換金が不可能となったことで、ロシア産プラチナの「出口」は日本国内で完全に遮断されました。この措置は2025年11月現在も継続しており、解除や例外措置の発表は一切ありません。
② 国内法令による厳格な規制強化
並行して、国内では犯罪収益移転防止法や外為法等の関連法規が大幅に強化されています。特に「取引時確認(KYC)」義務、および「疑わしい取引の届出」基準が厳格化され、少しでも出所や入手経路が不明瞭な地金は取り扱うこと自体が法令リスクを伴います。
さらに、G7各国は2022年6月にロシア産「金(ゴールド)」の輸入禁止方針を発表しました。対象は金に限られていましたが、白金族金属(プラチナ・パラジウム)も同等の規制対象として扱われることが国際的な慣行となり、国内市場もこれに追随しています。そのため、正規の書類を備えていたとしても、取引市場が存在しない以上、換金や精錬に至るルートが実質的に存在しません。
よくある相談事例 ― 分割や刻印削除も全面NG
近年、5kgのロシア産プラチナインゴットを1kg単位や100g単位に分割して売却したい、あるいは宝飾品化して流通させたいという相談が多く寄せられています。しかし、これらはすべて「出所の不明確化」に該当し、法令上および市場上認められません。
また、「刻印を削除して再精製すれば正規地金になるのでは」という相談もありますが、これは明確に不正処理の疑義を伴う行為に該当します。実際、金融庁および警察庁のガイドラインでは、刻印消去や再溶解による匿名化は犯罪収益移転防止法上の高リスク取引として通報対象に指定されています。リファスタではこのような依頼をいかなる理由でも受け付けていません。
海外売却という選択肢 ― 理論上可能だが極めて困難
「海外に持ち出して売却する方法はあるか」という問い合わせもあります。理論上は、輸出申告を行い、相手国の法制度に則って手続きを進めることで取引は可能です。ただし、ここにも多くのリスクが存在します。まず日本国内から貴金属を持ち出す際には、税関への輸出届出が義務付けられています。加えて、受入側の国でも同様の制裁や規制が導入されているケースが多く、ロシア由来と判断されれば取引拒否や没収の対象にもなり得ます。
また、国によっては輸出時点で金融制裁対象者リストとの照合を求められることもあり、形式上合法でも実務的に取引成立が極めて難しい状況です。現時点(2025年11月)でも、主要国でロシア産プラチナを安定的に受け入れている市場は確認されていません。
現状と今後の見通し
現時点で、LPPMの制限解除や日本取引所の受入再開に関する公式発表はなく、国内精錬所もすべてロシア産プラチナの対応を停止しています。そのため、正規ルートでの売却・精錬は完全不可能な状態が続いており、状況に変化はありません。
仮に将来、国際的な規制緩和や制裁解除が行われたとしても、再びグッドデリバリー認定を受けるまでには長い審査期間と国際的な再承認手続きが必要です。したがって、短期的に市場が再開する見込みは立っていません。
出口が閉ざされた状況での安全な対応
ロシア産プラチナ地金の取扱いは、現在の日本において法的・実務的に「完全不可」です。市場インフラの停止と法令遵守体制の強化により、国内での換金・精錬・再加工はいずれも受け入れられません。仮に売却を検討する場合は、安易な持込や匿名販売を試みるのではなく、必ず専門業者に事前相談し、税関・相手国当局への確認を徹底することが不可欠です。

















