白金(プラチナ)がまた高騰してきました。今回はその原因を究明していきます。
この記事の要約
今回の記事では、白金価格高騰の原因を探った上で、今後の価格展望と金との違いなどについて解説。
- 白金相場の高騰要因とは?
- 今後の白金相場の展望は?
- 白金相場と金相場、根本的な価格構成要因の違いは何?
では、見ていきましょう。
白金相場と人民元相場の関係
下記は白金(緑線)とドル人民元(青線)の過去1年間の推移です。
ドル元相場は上に行けばいくほど元安になり、下に行けば元高になります。

人民元が安いと白金市場は低迷し、4月に関税が導入されて元高方向にいくのに従い白金が上昇していることがわかります。
そして7月に小休止になったのは、人民元高に歯止めがかかったからです。
つまり、白金は人民元高になればなるほど高くなるという構図になります。
9月27日の週末に、白金は新値を更新しました。
しかし今後も人民元安が続くようであれば、白金相場は下がってくるでしょう。
なぜ人民元高だと白金高になるのか?
中国は貿易依存度が高い国で、日本やアメリカが10〜15%程度なのに対して、50%を超えています。
つまり中国の成長は、貿易が振興するか停滞するかによって変わってくるのです。
では、その中国の輸出量を見てみましょう。

2020年のコロナ禍までは順調に増えていましたが、それ以降は横ばいです。
これは昨今では関税の問題もありますが、コロナ禍以降に中国制裁の強化や国内の不動産バブル崩壊などが影響していると考えられます。
次にこの輸出量に人民元レートを重ねたグラフをご覧ください。

2022年の不動産バブル崩壊によって人民元は高くなっていますが、それ以降は貿易が停滞しているので人民元安です。
そして関税導入前の2月に大きく貿易がスパークし、それ以降は少しずつアップトレンドに回帰しているので、人民元高になっていることがわかります。
白金価格はまだまだ上がる?

これが白金が急騰している原因と考えると、近日中に対米貿易摩擦が解消し、人民元高となって大きく輸出は増えるでしょう。
結果として、人民元高となりさらに白金は高くなると見込まれます。
そもそも白金は、常に供給不足の状態だったのに、価格が上昇しませんでした。
この上昇はまだまだ序の口ではないのか、と考えられます。
ただし、今年の場合はすでに年間で50%程度上昇しました。
ゆえにに今後上昇したとしても、それほどにならない可能性もあるので、あくまでも押し目になってからという姿勢でいいでしょう。
人民元と金価格のケースは?
下記は人民元と金価格のバージョンです。

白金はわかりやすく人民元高であれば白金高でしたが、金の場合も同じです。
金の場合、人民元高の裏返しがドル安ですが、為替は相対的なので、ドル安の背景はユーロ高であり、決して元高ではありません。
つまり現状はユーロ高ドル安なので、ドル安・人民元安、ドル高・人民元高もあり得ます。
そして9カ月間もドル安が続くという、通常では考えられないことが起こっています。
いつ反転してもおかしくありません。
その場合、人民元安になる可能性もあるということです。
つまり白金は人民元の高安によってマーケットが決まっていますが、金は中心通貨がドルになります。
また、白金需要の7割が産業向けなのに対して、金は8割が投資向けです。
この記事のまとめ
以上、白金の大口ユーザーは投資用も産業向けも中国であり、価格を左右するのは人民元です。
人民元は中国の貿易の多寡に左右され、貿易は主に製造業から成り立っていて、これが隆盛だと貿易も大いに増え、反対に停滞していると不活発になります。
米中の関税交渉が妥結すれば輸出は大きく増え、人民元高となって白金の価格上昇に拍車がかかるでしょう。
一方で、投資需要の大きい金の場合、その決定要因はあくまでもドルであることは忘れないでください。
という内容の記事でした。
















