12月30日にCME(シカゴマーカンタイル市場)で貴金属取引に臨時増証拠金が課され、マーケットが急落しました。
この記事の要約
今回はCMEの臨時増証拠金の解説と今後の展開について解説。
- 臨時増証拠金とは?
- 臨時増証拠金がかかった理由は?
- 臨時増証拠金を巡る今後の展開は?
では、見ていきましょう。
証拠金と信用・先物取引

まず証拠金とは、先物や信用取引において取引する最低の金額を言い、いろいろな種類があります。
今、現物の金を1kg取引するのには2000万円以上の額が必要になりますが、先物や信用取引ならその数パーセントで取引ができます。
わかりやすく言えばFXです。
なぜFXをはじめとする先物市場や信用取引市場が存在するのかといえば、投資家の利便性を高めるためではなく、市場の流動性を高めるためです。
市場の特徴とは、24時間いつでも取引ができ、換金できる点にあります。
その場合、たくさんの商いが行われることが前提条件になり、金の現物1kgの取引となると多くの流通は望めません。
そこで、その取引参加料をディスカウントしたものが信用取引、先物取引となったのです。
臨時増証拠金とは?

CMEとは先物の取引市場で、この中にCOMEXという取引所があります。
だいぶ前にCMEがCOMEXを買収したので今ではCMEと呼びますが、昔から知っている方はCOMEXの方が通りがよいでしょう。
この証拠金の金額を決定するのはCME、もしくはCOMEXになります。
だいたいの基準はありますが、金額は取引所の胸先三寸です。
取引所が市場を拡大させたいと思えば、証拠金の金額をディスカウントします。
今回の臨時増証拠金は、あまりにも過熱し過ぎている市場を抑え込もうとする証拠金になります。
ほかにも一般的に追証(おいしょう)と呼ばれる追加証拠金、定時増証拠金などがあります
この決定はいきなり来るのかと言えば、ベテランの投資家なら大抵この過熱っぷりであれば臨時増しがかかってもおかしくないと経験でわかります。
金は年間で70%も上昇し、白金(プラチナ)や銀、パラジウムは軒並み年間100%以上の上昇です。
ベテラン投資家なら臨時増証拠金、いわゆる増証(まっしょう)は時間の問題とわかっていました。
臨時増がかかったきっかけは?
では、取引所はなぜ臨時増し証拠金を掛けたのか、そのきっかけについて考えましょう。
以下は、金とドルインデックス(青線)の1ヶ月間のチャートになります。

12月22日からドルが大きく下落したので、金は上昇して当然です。
ところが、クリスマス明けくらいからドルが上昇しているのに金は上昇したままでした。
これを市場が過熱しているとCMEが判断した結果、臨時増し証拠金の決定となったわけです。
さらに臨時増しを一回かけても下がらないので、2日連続で発表を行った結果、大急落になったという流れになります。
臨時増を巡る今後の展開は?

では、年初を起点に今後どうなるのかについて考えていきましょう。
年初からドルが上昇しているのに、1月2日は金を筆頭に貴金属はまた大急騰しています。
昔から、臨時増しなどの取引規制の1回目は買い、2回目は買いだけど3回目の取引規制は売りと言われています。
このままクリスマス前同様、ドル高なのに貴金属高なんてことが起これば、3回目の規制は確実でしょう。
その場合、金は天井になる可能性があります。
なお、白金(プラチナ)や銀は需給に沿った高値なので、それなりに下がってもそれなりに上昇し始めるでしょう。
金の場合、どこにそんな需要があるのでしょうか。
ただし金の場合、在庫がないことが価格を押し上げている側面はあります。
この記事のまとめ
以上、先物取引や信用取引とは、少ない金額で取引できるマーケットの仕組みです。
証拠金によって市場の流通量が劇的に増え、24時間いつでも換金、売買が行いやすくなりました。
これに臨時増証拠金が課せられるということは、取引所に市場の加熱っぷりを抑えたい思惑があるということ。
ドルが上がっているのに金などの高値がまだ続くとなれば、さらなる臨時増しが課せられ、金は天井になることになります。
という内容の記事でした。














