金や白金(プラチナ)、ダイヤモンドに投資をしている人たちにとって、日本の金融緩和が継続するか、見直されるかは死活問題です。
昨今、日銀の黒田総裁の任期切れが話題となっており、その後の金融緩和の見直しがコンセンサスになっています。果たしてどうなるのでしょうか。
この記事の要約
今回の記事では、日銀の黒田総裁の総裁任期が切れ、新総裁になってもおそらく金融緩和は継続されるだろう。
もっと言えば、黒田総裁は現在80歳近くになるので退任が規定路線になっているが、ウルトラサプライズで任期延長もあり得る。
その根拠は、保有国債を担保に返済年限10年で市中銀行に融資をするという共通担保オペレーションの導入。
金融緩和の継続が既定路線であれば、金や白金、ダイヤモンド等に投資をしている人たちにとって、繁栄の時代となるだろう。
今回はその説明をしてまいります。
1月18日の金融政策決定会合と共通担保オペ
日銀は新しい施策として、共通担保オペレーションを導入しました。
黒田総裁は「より一層の資金調達の容易さを図るため」と明言しましたが、同時に「金融緩和の拡大とも言えない」とも言っています。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk230119a.pdf
引用元:日本銀行
まず、共通担保オペについて解説します。
通常の金融緩和は、日銀が市中銀行の保有している国債を買い取り、市中銀行には現金が、日銀には国債が残ることを国債買取オペレーションといいます。
そして市中銀行に残った現金を融資資金に回すことで、経済の活性化を図るのです。
今回の共通担保オペは少し制度が変わり、日銀が市中の銀行が保有している国債を担保にお金を融資する、という内容になります。
今までの国債買取オペレーションでは、日銀が買い取った後に銀行が国債を買い戻す制限はつけられませんが、共通担保オペでは、その返済義務が生じるということが具体的に違うのです。
共通担保オペの問題点
共通担保オペの問題は、
【1】融資したお金の返済年限は10年
【2】黒田総裁が「このオペは緩和拡大を意図していない」
という点です。
平たく言うと、お金を貸したのだから返す義務があるということになります。
一方でその年限が10年なのもミソです。
ドル買い・円売り介入を例に挙げてみましょう。
財務省は、外為特別会計にある資金で為替介入を行うのですが、その資金が足りない場合、新たに国債を発行して円を調達してドルを買います。
国債ですから、いつかは返済しなければいけません。
その場合の国債の発行年限は、大抵1ヵ月から3ヵ月になります。
共通担保オペと比べて非常に短いのが特徴です。
見え隠れする黒田総裁続投の可能性

1ヵ月や3ヵ月の国債の担保取引は日常的に行われていますが、10年という年限はあまり聞かず、気持ち悪さを感じます。
10年とは、総裁の任期2期分です。
黒田総裁は今年4月の退任が規定路線ですが、その場合、新総裁に気を使い、長期間にわたるオペレーションを打ち出すことはまずありません。
それを黒田総裁は行ってしまったのです。
この政策を見る限り、黒田総裁は続投の可能性も出てきたと言えるでしょう。
そして上記の為替介入には2種類があります。
日銀がドル買い・円売り介入を行う際、その資金を回収しない非不胎化介入と回収する不胎化介入です。
この為替介入の効果は、円を売る介入をしているのですから、その資金を市場に放置しておけば、それが肥大化する可能性を残しています。
一方で非不胎化介入は資金を回収するのですから、介入後、資金を回収してしまえば、その効果は半減します。
ただし、その資金の回収は1ヵ月から3ヵ月です。
共通担保オペの10年という年限は、あまりにも長過ぎますし、本来は新総裁の判断になるはずが、黒田現総裁がやってしまった、おかしな話です。
黒田総裁続投であれば、今の政策を岸田総理も政府とのアコード協定の中で飲んだという意味であり、結局、金融緩和は続くことになります。
緩和継続で金投資家にとって平和な時代が続く?

まず黒田総裁の年齢を考えると、現実的な選択肢として退任が規定路線ですが、今回の金融政策決定会合では、新総裁の権利の範囲である期間まで政策を発表してしまっています。
通常はそんなことを行いません。
そして上記の総裁会見のPDFにも、「黒田総裁は次期総裁に順調に移行するために配慮するのか」という質問に対して、「そんな僭越なことはできない」と明言しています。
何が「僭越」なのかよくわからない、摩訶不思議な回答です。
「僭越なことができない」と言うのであれば、10年年限の共通担保オペなんて「僭越」なことは通常出てきません。
ここから推測できることは、ウルトラサプライズの続投です。
こう考えると、黒田総裁は今の金融緩和を続けるでしょうし、それは岸田政権との利益とも一致することになります。
新総裁であれば、金融緩和がこれだけ国際的に批判されているのですから、新機軸を打ち出したいところでしょう。
黒田総裁を続投させれば、金融緩和を継続することはわかっているのですから、岸田首相にとってはノーリスクというメリットがあります。
となると現状の金融緩和は継続する可能性が高く、たとえ新総裁となっても緩和は継続するでしょう。
どちらにしても金や白金、ダイヤモンド、株などを含むリスク資産に投資している人にとって平和な時代が続くこととなるでしょう。

















