2月20日の最高裁によるトランプ関税違憲判決を経て、金が再び騰勢を強めてきました。
この記事の要約
今回の記事では、再び騰勢を強める金の成り行きについて解説。
- 今回の金高騰の背景とは?
- 本当に「有事の金」なのか?
- 果たして、この高騰はどんな顛末を迎えるか?
では、始めましょう。
金の価格前年比が限界突破
トランプ関税の違憲判決を受けて、今まで上限75%程度だった金の前年比の水準が77%まで上昇しました。

チャートのプロットは2月24日まで示してあります。
次にドルの前年比(青線)を加えたチャートをご覧ください。

-9から-10%で推移していたドルの前年比が-8.07%まで上昇しました。
つまり、本来なら金の上限が65〜55%のレンジ下限を試さなければいけないはずです。
しかし、実際は前年比が上昇しています。
これは違憲判決を受けて、先行き不透明感からの上昇で金が上昇してしまった背景です。
金は早晩叩き売られる

昨年末から今にかけて、イランがイスラエルに越境攻撃を仕掛けたり、その反対もあったりするなど、いろいろなことが起こりました。
この間、有事でドルも買われているのに、「有事の金」で金も買われました。
金の価格の上下動はドル次第です。
通常、ドルが上昇しているのであれば、金は下げなくてはいけません。
それが上昇してしまったということは、後に叩き売られるということです。
「有事の金」は今や幻

本来の意味での有事の金とは、以前なら戦争が起こると国家財政に甚大な影響を与えたので、財政赤字の増大によってドルが急落し、結果として金が買われる側面がありました。
ところが昨今、財政負担を増やすような戦争を国家は行わないようになっています。
それで自然と有事の金という言葉は薄れていたのです。
「先行き不透明」とは、何が起こるかわからないということです。
違憲判決を受けて、トランプ関税がどうなるかわからないという理由で金が買われたのでしょう。
つまり、人気の面で昔の格言が掘り返されているだけになります。
トランプ大統領は通商法の適用で関税を維持させる旨を従前から主張し、実際に沿う大統領令にも署名しています。
ゆえに不透明感は発生していません。
不透明さからの金買い要因はあるが…

ただし、関税の細目がどうなるのか不明な部分が多いので、銀行融資は通りにくくなる見通しです。
結果、米金利は低下しています。
金利の低下は金の買い要因なので、金の上昇には一理あります。
しかし、金利とは「ドル×金利」のことです。
「ドルの上昇幅×金利の低下」は、現状の計算では「ドルの上昇>金利の下落」になっています。
総合的にドルは上昇しているので、金利の下落では今回の金の上昇は説明できません。
つまり今回の金の高値は、根拠なき上昇ということができます。
この記事のまとめ
以上、65〜75%高で推移していた金の前年比の水準が77%まで上昇しました。
この高値に買い方が喜んでいますが、この買いにあまり根拠はありません。
本来なら下がらなければいけないものが上昇してしまっているということです。
つまりドルがこのまま下落せずに落ち着けば、金はそのうち叩き売られるでしょう。
という内容の記事でした。


















