ドル建て金価格が弊社が今年の目標としていた3300ドルを早くも突破。この高騰は、どこまで行くのでしょうか?
この記事の要約
今回の記事では、3300ドルを突破した金価格が、今後どこまで上昇するかについて考えます。
- 一般的なマーケットの限界値と金相場の限界値は違う?
- データに基づいた今年の金の限界値とは?
- 今後の金価格の展望は米中の「関税戦争」次第?
では、始めましょう。
マーケットの限界値とは?

マーケットには限界値というものが存在します。
先進国の主要株価指数、例えばダウジョーンズやナスダック、日経平均であれば、大抵年間で30〜40%を超えることはありません。
この水準を越えてくると、バブルと言ってよいでしょう。
ウォーレン・バフェット氏が去年から「株価が高すぎる」と言っていたのは、おそらくアメリカの主要株価指数がこの30〜40%を超えていたからと考えられます。
例えば最近の銘柄では、NVDAが年間で150〜200%まで買われたことがありました。
4月15日時点では、だいたい20〜25%の水準に落ち着いたので、ようやくまともなマーケットになったと言えるでしょう。
金の場合もこうしたベンチマークがあることは確かですが、市場規模が小さいのでなんとも言えません。
おそらくNVDAよりも金額的に市場規模が小さい金ならば、30〜40%よりも上に行くでしょう。
去年の金の実績は、前年比50%超になったときに下がりました。
この考えでいくと、金はまだまだ高いと言えます。
金価格の限界値はいくら?
では、ここ1年間のドル建て金の価格推移を見てみましょう。

現在は年間で41.56%高の3350ドル程度です。
去年の価格は2400ドル程度だったので、ここから年間50%であれば、3600ドルくらいが目標になります。
ところが去年はここから5月に向けて、2300ドルまで押し目を形成しました。
つまり4月後半から5月頭は、2300ドルの50%高である3450ドル近辺という数字が導き出せます。
さらに去年は8月まで2300〜2400ドル程度のレンジで動いたので、この間は3450〜3600ドル程度で推移すると予測できるのです。
今後の金の価格推移は米中次第?

中国の3月の貿易統計が発表されて以降、金の急伸が続いています。
この理由は、対米輸出が9%程度上昇している分を中国が米国債ではなく金の購入に充てたためと考えられます。
しかし4月以降は145%の追加関税となり、米中の貿易量の大幅な減少が見込まれるため、4月後半から5月中旬には中国の金買いが減少する可能性があります。
しかしドル安は続くと思われるので、買い傾向は続くでしょう。
もちろん、米中の関税問題が解決したら金は天井になる可能性が大です。
ただし、中国は自国の保有する金の価値を守るために引き続き金を購入すると考えられるため、大きくは下がらないでしょう。
この記事のまとめ
以上、現在の金相場の高値は、前年比50%をベンチマークに推移している。
つまりこれから8月までは、3450〜3600ドル程度で推移するだろう。
今回の金価格急伸の原動力である中国による金買付は、追加関税を背景にした4月以降の米中の貿易量の減少に伴い、減少が予想される。
ただしドル安傾向は継続が予想されるので、金の買い傾向は続くだろう。
という内容の記事でした。