金や非鉄などを大量に購入するチャイナマネー。現状はどうなっているのでしょうか?
この記事の要約
今回の記事では、チャイナマネーの現状を分析し、金をはじめとする貴金属への拡大の可能性について解説。
- 実効為替レートで見るチャイナマネーの現状は?
- 人民元の価値に見る投資拡大の可能性とは?
- どういうケースでチャイナマネーが金などを買うか?
では、始めましょう。
チャイナマネーの現状
まずはチャイナマネーの現状を下記の中国の実効為替レート、名目レート(青線)、実質のレート(赤線)で見てみましょう。
Comparative view of Nominal effective exchange rate, China / Broad basket
引用元:BIS Data Portal
実効為替レートとは、海外と貿易する際の物品や金融商品などの直接投資の割合を計算し、その国のレートを反映したものを言います。
これが通常の為替レートと違うのは、例えばドル元レートなら1ドルに対する元のレートを指すのに対して、元単体の評価になります。
そして、その実効為替レートには名目と実質があります。
これは通常の経済統計と同じで、インフレや金利を加味したレートです。
名目と実質の実効為替レートの違い

上記の中国の実効為替レートは名目の方が高く、実質の方が安くなっています。
明示されているレートよりも実際の価値は安いという意味です。
例えば、100円の水は100円玉で購入できますが、日本では100円の価値が低下しているので、実質の価格は90円ということになります。
この意味は100円は名目上の価格だけど、実際には100円ではなく90円の価値しかないという意味です。
なぜ実質の価格が下がるのかと言えば、例えば金融緩和でお金の供給が大量にあるからです。
その上、日本ではインフレ率2%に対して金利が1%しか付与されません。
そうなると1年後に100円の物が102円になりますが、金利が1%なので現金は101円にしかならず、お金の価値が減っていることになります。
ゆえに実質の実効為替レートが下がってしまうのです。
レートより実際の価値が低い人民元
中国の人民元の実際の価値は表面上の評価よりも安いのです。
結果、元を大量に持っていても実際はお金を持っていないという評価になります。
そうなれば、投資をしたいという欲求が働きます。
具体的には非鉄や貴金属などに投資をするのです。
その証拠が以下の中国国内における金の販売価格になります。

金の価格は全世界で同じというのが基本です。
しかし、中国国内の販売価格はほとんどの期間において国際価格よりも高い状態となっています。
これは、中国国内に金の在庫が少ないことを示しています。
在庫が少ないのは売れるからであり、決して意図的に在庫を減らしているわけではありません。
つまり、中国の富裕層は元よりも値上がり率の優れている貴金属や非鉄を購入しているのです。
世界で余剰となるチャイナマネー
中国のこの実質の元価格の低迷は異常です。
日本と比較すると以下のようになります。
Comparative view of Nominal effective exchange rate, Japan / Narrow basket
引用元:BIS Data Portal
アメリカとの比較は以下のとおりです。
Comparative view of Nominal effective exchange rate, United States / Narrow basket
引用元:BIS Data Portal
中国と日米の名目と実質の為替レートの差を比較してみると、中国の方が圧倒的に差が大きいことがわかるでしょう。
つまりチャイナマネーが大きく余剰となっており、そのお金が世界を動かしている証拠になります。
それが再び金や白金(プラチナ)、銀、非鉄などに向かえば、金もほかの貴金属、非鉄も高騰するということです。
チャイナマネーが金を買う条件は?

余剰チャイナマネーの作用とは、中国の中央銀行である中国人民銀行が金を購入することにあります。
その条件は名目の人民元レート安で、人民銀行が金を購入することになれば、投資家がそれについてくる流れになります。
ただし、現状は人民元安になる見込みはないような状態です。
おそらくアメリカ政府との間でコロナ禍前の人民元高のレートに近づけるよう合意をしていると思われます。
しかし、それ以上に月日が経過するごとに元の価値が実質低下しているので、余剰チャイナマネーが世界の市場を席巻することになるでしょう。
この記事のまとめ
以上、名目上は人民元が上昇していますが、本当の実力はもっと低いということです。
結果、元を持つよりも実質的にお金持ちになれる金属などを購入しています。
名目上の人民元の価値が安くなれば、人民銀行が金の買付に走り、それが起爆剤となって金をはじめとする貴金属が高騰することになるでしょう。
現状は人民元安になる見込みはありません。
しかし、実質的な元の価値は低下しているので、チャイナマネーが市場で動き出す日が来るのもそう遠くないかもしれません。
という内容の記事でした。
















