今回は、オーストラリア(豪)ドルと金価格の関係についてです。
この記事の要約
今回の記事では、豪ドルと金価格の上下が一致している理由を以下のとおり解説。
- まず、オーストラリアは世界で三本の指に入る産金国で、コストが安く埋蔵量も莫大と考えられる。
- オーストラリア経済は、世界最大の産金国である中国と切っても切れない関係性にある。
- 結果、低迷気味の金価格上昇の標となるのは豪ドル、そして人民元。
- すなわち、この両通貨が上昇すれば金の価格も上昇へと転じるだろう。
では、具体的に見ていきましょう。
金価格と一致する豪ドル
下記のグラフは青線が豪ドル、緑線がドル建て金価格になります。

ご覧のように多少違うこともありますが、豪ドルと金の上下が一致しているところが多いのです。
オーストラリア経済と中国経済の関係
下記はオーストラリアの輸出入の国になります。
参照元:TRADING ECONOMICS
オーストラリア経済は中国経済に過度に依存しており、両者は密接にリンクしていることがわかるでしょう。
昨今、中国経済の不振が叫ばれており、結果として豪ドルが下がった結果、金も下がったということができます。
すなわち、中国経済が復活すれば豪ドルも上昇し、豪ドルと金は近似しているので、金も上昇するのです。
オーストラリアの産金の特徴とは?

古い世代にとって産金国と言えば南アフリカでしょうが、2020年現在、オーストラリア、中国、ロシアで世界の新産金の31%の生産量を占めています。
その中でも特に中国は世界の16%の生産を誇り、今や世界一の産金国です。
一方のオーストラリアの産金の特徴は露天掘りになります。
深い坑道を作って採掘するのではなく、地上で採掘ができることが大きな特徴です。
ゆえに産金コストが安いことが特徴であり、また地下深くにも多くの金が埋蔵されていると予測され、埋蔵量も大きいのではないのかと見るのが一般的です。
金の価格とオーストラリアドルが密接にリンクしているのは、そういった背景もあります。
豪ドルと人民元の関係性
参照元:TRADING ECONOMICS
オーストラリアの主な輸出商品はミネラルと記されています。
これは鉱物資源であり、その主要な販売先は中国です。
ゆえに中国経済が不振であれば、オーストラリア経済も不振になると言う構図になります。
豪ドルと中国人民元を重ね合わせた下記のグラフをご覧ください。

オーストラリア、中国双方がお互いに依存しているからこそ、双方の通貨が近似していることがわかります。
豪ドルが上がれば金価格も上がる

金のマーケットは10月3日現在、大きく急落していますが、弊社はこれを一時的なこととし、おそらく近日中に反転してくると見ています。
その場合、両通貨が最初に反転上昇し、金価格がそれに続くかたちになるでしょう。
なぜなら、豪ドルや人民元が反転し始めると金価格も上昇し始めることが過去数年間のデータから検証することができるからです。