「平均3,270万円の相続財産」でもそれは“本当の平均”?
「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」(三菱UFJ信託銀行/2020年)によると、相続財産の平均額はなんと3,273万円。しかし、この数字をそのまま信じて「みんなそんなに残しているんだ」と思うのは早計です。
なぜなら平均は、一部の非常に高額な相続が数値を大きく引き上げてしまうからです。たとえば以下のような5人の相続額を考えてみましょう。
– Aさん:300万円
– Bさん:650万円
– Cさん:1,800万円
– Dさん:1億2,000万円
– Eさん:1,600万円
この場合の平均値は約3,270万円になりますが、Dさんの高額相続が全体を大きく押し上げています。一方、中央値(真ん中の金額)は1,600万円で、こちらのほうが実感に近い数値といえるでしょう。
つまり、「死ぬときが一番お金持ち」というのは必ずしも理想的とは限らず、お金を使うタイミングこそが重要なのです。
お金は「ためる」だけでなく「使う」計画を
日本人は貯金が得意といわれます。毎月コツコツと積み立てたり、投資信託や金などで資産形成を進めている方も多いでしょう。しかし、問題はその“使い方”を後回しにしてしまうこと。
「老後のために貯めておこう」と考えている間に、体力や気力が衰えて、やりたいことができなくなってしまうかもしれません。もちろん、病気や突然の出来事で「老後」を迎える前に旅立ってしまう可能性だってゼロではありません。
だからこそ、「お金を使う計画」も立てておくことが大切です。おすすめなのが、“やることリスト”=バケットリストの作成です。
ビジネスのようにTODOリストをつくり、「いつかやりたい」を「○年○月にやる」に変えていきましょう。
日本FP協会の【ライフイベント表】(https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/)を活用すれば、年齢とともにやりたいことを整理し、資金の流れも一目で見えるようになります。
目的あるお金の使い方で、人生はもっと豊かになる
「今は高いから金や株を売るのがもったいない」と感じている方も多いかもしれません。しかし、資産は“使ってこそ”意味があるものです。値上がりしたときに売却し、経験や思い出づくりに使う──それは大いに価値のある選択です。
お金はただの数字ではなく、人生の選択肢を広げる「ツール」。安心のために貯蓄を持っておくことも大事ですが、せっかく築いた資産は、「自分が元気なうちに、使ってこそ意味がある」と考えてみませんか?














