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世間では1都3県での緊急事態宣言や大雪情報であふれかえっていますが、マーケットも物凄い状況になっています。
危険信号がいっぱい出ているのに、「株式市場はまだまだ高い」と言っている人が大勢いらっしゃいます。
検証していきましょう。
金を襲うドル高と金利高のダブルパンチ
金相場や株価を動かす3つの要素を思い出してください。
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP
です。
このうち【1】のドルと【2】の金利の状況を添付します。
以下は、米国債10年物の金利の推移です。

以下はドルインデックスになります。

ドルインデックスではわかりづらいので、ドル円も示しましょう。

上記のように価格構成要因である【1】ドルと【2】金利はともに急騰しており、これで金に関してはさすがにまだまだ高いという人は少なくなっています。
しかし、株価に関しては日経平均が30年ぶりの高値、アメリカ株は3指数ともに史上最高値を更新しているので、まだまだ高いと騒いでいます。
今回の株高、金高はドル安と低金利が要因だと説明してきました。
それが反転してドル高、金利高になっているのです。
しかも日本においては緊急事態宣言が発出され、1都3県の経済は間違いなく低下します。
その上に、関西も大阪知事が政府に緊急事態宣言の発出を要請しており、おそらく認められるでしょう。
新型コロナ感染拡大のゆくえ

新型コロナウイルスの拡大は台風や津波、地震と同じで、このような状態になったら自然災害なので防ぎようがないのに、政府が必死に抑え込もうとしていることが原因です。
菅総理はこの1ヵ月間であらゆる方策を使い安定させると明言しましたが、できっこないことをやると言っています。
自然災害と考えれば、できるのは発生までにどれだけの準備をしているかの問題なのに、新型コロナは全く準備をしていなかったのですから、拡大するのは当たり前です。
地震や台風は過ぎ去ったあとの復興が要ですが、あとにやることを今からやっているのですから、収束後に日本の財政がどうなるか見なくても想像できます。
一生懸命見当違いのことをやって「やってますよ」アピールをしているにすぎません。
感染拡大の原因は寒さのなのに、飲食店が悪いとか接触が悪いと言い放ち、原因治療を行っていないので無理でしょう。
実相とあまりにも乖離した世間のムード

マーケットも、株高や金高がなぜ起こったのかの原因を探求していれば、いつ落ちるのかもわかるものです。
そして、この緊急事態宣言によって【3】のGDPも下がります。
アメリカも瀕死の状況ですが、トランプ大統領が大暴れして話題を提供してくれるので、注目されていないだけです。
こうやって考えると、今金が高いだの株が高いだの言っていますが、全くのウソ八百というのは、皆さんも理解してください。
価格を動かす3要素はすでに暴落を示しているのに、まだまだ高いと世間は思っているのです。
世間の雰囲気と実際の相場が全く違うということをしっかり認識してください。
2020年の新型コロナショックとの比較

2020年の新型コロナショックのきっかけは、実は日本のGDP発表でした。
日本の去年のGDPは、一昨年の10月に消費増税を行っていたので当然マイナス、ないしは減少していました。
その日本の発表をきっかけにまず金が下げ、追随して株式市場が大暴落したのです。
今回も同じです。
今回はIMF(国際通貨基金)のWEO(世界経済見通し)でGDPが下方修正されています。
それを無視して日経平均もNYダウも金も上昇したのです。
もちろんテレビのニュースはトランプ大統領の大暴れで持ち切り、国内は大寒波と緊急事態宣言でいっぱいいっぱいになり、そんなことは報道されません。
そんなことをも意識せずに、皆さんは株が高い、ビットコイン、金が高いとやっています。
こういった観点、つまり【1】ドルと【2】金利と【3】GDPのいずれも金や株の下方向を指し示す事実が出ているのに世間は「上だ」というセンチメント、まるで2020年の2月と同じです。
今回金はどこまで下がるのか?

2020年の2月は、金が一番最初に下がり始めました。
では、今回はどこまで下がるのかを考えていきましょう。
現在、ドルはピークで去年より8%安、株価はダウで8%高です。
株が下がるためにはドルが上昇し、その範囲は8%くらいでしょう。
というと、単純に8%下落すると言えます。
アメリカの金利は、去年と比較して現在41%下落しています。
ナスダックはピークで50%程度高いのですが、これはドルと金利を足せば49%ということで勘案できるでしょう。
現在、金価格は23%去年よりも高いのですが、ピークで35%ほどです。
こういったことを参考に考えると、最高値2070ドルから50%、現時点では1000ドルくらいまで下がる可能性があります。
金の最安値はいつになる?

昨年の8月に金利が最低になったのですから、逆に今年は8月に金利のピークを迎えるだろうと考えています。
つまり、金の最安値は現時点では8月になると予測できるでしょう。
2000ドルの金が1000ドル、日本円で言えば8000円の金が4000円です。
お買い得だと思いませんか?
この記事のまとめ
今回の記事では、金相場の変動要因【1】ドル、【2】金利、【3】GDPのいずれもが金価格の下落を指し示している。
にもかかわらず、世間には「金はまだ上だ」と言う人が大勢…。
この状況は、昨年2月のコロナショックによる大急落前と同じ…。
しかるに現状で推測するに、8月には金価格は最高値から50%、すなわち1000ドルくらいまで下がる!
こういう内容の記事でした。
もちろん、現時点での推測なので時々に事実を判定、修正して考えていきます。