「消費税が下がれば、生活は楽になる」そう考えるのは自然なことです。
けれど、公的年金を受け取っている人、あるいはこれからすぐに受け取る世代にとっては、少し違う面があります。
実は、消費税が下がると、公的年金も下がる可能性があるのです。
公的年金は「消費者物価指数」に連動している
公的年金の金額は、毎年改定されています。その基準が「消費者物価指数」。
消費者物価指数とは、私たちが日常生活で購入する商品やサービスの価格の動きを示す指標です。
そして大事なことは、この消費者物価指数には消費税が含まれているということ。
仮に、消費税が10%から0%になったとします。税金分がなくなれば、お店での商品の価が10%下がります。すると消費者物価指数も下がります。そして年金は物価に連動しているため、消費者物価指数が10%下がる=年金額も10%下がる わけです。
「税金が下がって助かる」と思っていたら、実は「収入そのものが減ってしまった」という構造になっています。
「マクロ経済スライド」は年金を下げるしくみ
公的年金には、もうひとつ年金額を消費者物価指数の変動よりも低く抑える仕組みがあります。それが「マクロ経済スライド」です。これは、少子高齢化の中で制度を維持するために、物価や賃金が上がっても、その伸びを抑制する調整をすること。
つまり、物価が下がる→年金が下がる→マクロ経済スライドでさらに下がる
というダブルパンチの影響を受ける可能性があります。
仮に消費税が下がったとします。
翌年:物価下落の影響で年金が減る
翌々年:消費税が元に戻り、物価が上がる一方、年金は前年度の消費者物価指数で改訂を行うため、年金が10%下がり、同時に支出が10%増えれば、家計への衝撃はとても大きなものになるでしょう。
今からできる備え
法律やその改正は、私たちの意思とは関係なく変化します。だからこそ大切なのは、「変化することを前提に家計を整える」こと。
・固定費は重すぎないか
・毎月の支出は本当に必要なものか
・一時的な収入に頼る構造になっていないか
大切なのは、毎月の収支バランスの安定が安心をつくることです。たとえ、収入が10%減っても、揺らがない家計かどうかを、一度シミュレーションしてみることをおすすめします。
年金は物価に連動する
そこにマクロ経済スライドもある。年金制度を知ることは、不安をあおるためではありません。冷静に準備するためです。変化は、ある日突然やってきます。
だからこそ、 収入が減っても耐えられる家計を目指しましょう。たとえば、昔買った金のアクセサリーやバッグなど、使っていない資産を換金することで働かせる。 固定費を軽くするなど、家計を整えておきましょう。
備えとは、お金を増やすことでもありますが、それよりも、揺れにくい状態をつくることです。だからこそ、今からひとつずつ、整えていきましょう。



















