投資をするのであれば、白金(プラチナ)とパラジウムのどちらがよいのでしょうか。今回は、その基本的な考えについてです。
この記事の要約
今回の記事では、白金とパラジウムについて解説。
- 白金とパラジウムの基本的な関係性とは?
- 両者の相違点と優劣はあるのか?
- 供給の現状と、今買うべきはどちらなのか?
を中心に見ていきましょう。
白金とパラジウムの基本的関係性

白金鉱山で副産物として取れるのがパラジウムであり、白金の生産量を1とすればパラジウムは0.4程度しか取れないというのが一般的な認識になります。
その50年間の価格推移は、だいたいの場合において「白金<パラジウム」でした。
それが変わったのが2000年で、これは一般的に「フォードショック」と呼ばれています。
これは、米大手の自動車メーカーが自動車用排ガス触媒として白金の用途をパラジウムで代用できるとして、パラジウムの世界調達に走ったことによります。
結果、パラジウムは極端な供給不足となり、大きく価格が上昇したのです。
しかし、このフォードショックによってパラジウムの供給性に疑問が生じたため、供給が安定している白金に再び触媒用金属を求め、今度は白金が急騰しました。
その後は白金の供給が不安定となりパラジウムが高騰、またその逆の繰り返しです。
なぜ白金とパラジウムの優劣は語りにくい?

冒頭でパラジウムの生産量(供給)は白金1に対して0.4と記しましたが、需要の部分では大きく異なります。
白金は宝飾用や投資用としても人気が高く、さらに触媒用の需要もあるのに対して、パラジウムは宝飾用や投資用としての需要がほとんどなく、わずかに歯の詰め物用の需要があるくらいです。
つまり需要は白金の方が圧倒的に多いので、価格の優劣は語りにくいということになり、どちらが高くてもおかしくはないということになります。
ただ近年は白金の方が供給が安定していたので、自動車メーカーやガラスメーカーは白金を求めたということです。
供給の現状と疑問への答え

白金の生産量1位の南アフリカは、電力供給の問題に加えて鉱山の深度が高くなっていることから、コストアップが問題視されており、なかなか供給の安定性がない状態です。
2位のロシアはウクライナ侵攻以来、欧米による制裁により供給の安定性がなくなっていることが実際のところになります。
実際にG7のイギリスがロシアからのパラジウム供給を制限したことから、パラジウム価格が一時的に高騰し、現在でもそれが続いています。
価格が落ち着いたのは、おそらく他の供給先を確保したからでしょう。
なお、パラジウムの生産量ナンバー1は南アではなくロシアになります。
結局、白金とパラジウムのどちらが上昇するかという問いに対して言えることは、供給の安定性という部分で価格が決定している側面が強い状態です。
一回大きく山を作っているのはパラジウムと考えると、供給の安定性を求める企業は白金を求めるのではないのかというのが現状での答えになります。
この記事のまとめ
以上、白金とパラジウムの価格決定要因は、多分に供給の安定性による側面があるということ。
白金生産2位、パラジウム1位のロシアからの供給は、国際情勢次第の側面がぬぐい切れず、今後も東西対立は深まるというコンセンサスから、供給の安定性は見込めないように見受けられる。
一方の主要な産地である南アも、どちらかと言えば東陣営よりであり、都合のよいことは西に肩入れをするという方針。
さらに鉱山の深度が高くなり、電力供給が安定しないなどの問題も山積しており、どちらがよいという判断をつけるのは難しい。
こうした中で優劣をつけるとなると、現状では供給の安定性で分のある白金の軍配が上がるということになるだろう。
という内容の記事でした。


















