金高騰の道中で、銅も銀も上昇するメカニズムについて解説しました。今度は白金(プラチナ)の番です。
この記事の要約
今回の記事では、白金価格の展望を解説。
- まず白金の価格は、中国のGDPと密接に関係している。
- なぜなら白金の主な需要は、自動車の触媒用であり、中国が乗用車生産世界1位ゆえ。
- つまり、中国経済が復活すれば、白金需要が伸び、価格が上昇することは明白。
それでは、テクニカル分析も交えて、見ていきましょう。
白金価格と中国経済の関係性
白金は金とは違い、宝飾品や投資用の需要があまりなく、主に自動車の触媒用として用いられます。
しかし、主要な輸入国をウォッチしようとしても統計がなく、どの国がどのくらい輸入をしているのかわからない状態です。
そこで以下のグラフ、緑線が中国の年間のGDP(国内総生産)成長率で左軸、青線が白金のドル建て価格をご覧ください。
2000年を境に、中国の成長率が伸びるのに従い、白金の価格も上昇し、2008年のリーマンショックの前までに成長率が15%に届いた直後に白金のバブル価格も崩壊しました。
その後の中国の低迷によって、白金価格も低迷しましたが、コロナ禍から回復すると白金価格の上昇しました。
その後、中国の不動産不況に伴い白金価格も低迷していることがわかります。
中国経済が復活すれば白金の価格上昇は必然
中国の経済回復は今後、ますます明白になっていくでしょう。
具体的には、オーストラリアが豪円で何年振りかの100円高を取り、資金が流れていることを示します。
これは、オーストラリアの貿易相手1位は中国であり、中国からの資金流入と思われます。
ほかにもユーロ圏の代表国であるドイツの貿易相手国1位も中国です。
このドイツも、ウクライナ侵攻を受けて深刻なエネルギー危機からのインフレ不況になりましたが、中国が復活してくるとだんだんと緩和されるようになっています。
また、貿易相手国1位が中国のイギリスも同様です。
おそらく中国経済の回復によって、世界景気も回復するでしょう。
それに伴い、乗用車生産世界1位の中国が白金を多用することによって、白金の価格も上昇することになるのです。
白金価格のテクニカル分析
下記のチャートは、白金ドル建ての週間足になります。
白金はまだ平均線全体が下を向いています。
ただし、線が集まりダウントレンドも角度が鈍角になっているので、いつアップトレンドになってもおかしくないような状況です。
中国の成長もまだ確信が持てず、白金の週間足もアップトレンドではないので、いつ上昇し始めるかはわかりません。
ただ言えることは、中国の成長率が大きく上昇するようになれば、白金は爆発的に上昇する可能性が強いということです。
そうなると、白金の生産量の多い南アフリカやロシアの経済回復も見込まれてきます。
この記事のまとめ
以上、白金のテクニカル分析では、まだアップトレンドになっているとは言えない。
また、中国経済の復活もまだ確信が持てる状況ではない。
しかしながら、中国の成長率が大きく上昇するようになれば、白金が爆発的に上昇する可能性が強い。
ゆえに、今が白金の買い時だ!
という内容の記事でした。