バイデン大統領はウソつき? 摩訶不思議な2022年1月の米雇用統計と無茶苦茶な金価格

今回は、2月4日に発表された雇用統計についての解説です。

2022月1月のアメリカの雇用統計

2022年1月の雇用統計は以下のような結果になりました。

引用元:TRADING ECONOMICS

例年1月は大幅に雇用は落ち込みますが、非農業部門の新規雇用は46万7000人でコンセンサスよりも多く、なかなかのできになっています。

これを受けてバイデン大統領は記者会見を行い、以下の記事のように述べました。

バイデン米大統領は「まだ多くの仕事が残っている」とし、「全ての米国民の雇用を確実にすることは素晴らしいスタートだが、それが終わりではない」とコメントした。

https://jp.reuters.com/article/usa-economy-idJPKBN2K91EI

引用元:ロイター

金の評論家も同じようなことを言っているので、ご参考に。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB041V40U2A200C2000000/

『「雇用統計にだまされるな」FRB高官異例の警鐘』引用元:日本経済新聞

雇用が増えたのに失業率は悪化!?

バイデン大統領はこの雇用統計を非常に良いと言いましたが、実際の失業率は雇用が増えたのに悪化しています。

引用元:TRADING ECONOMICS

上記が失業率、以下は失業者総数です。

引用元:TRADING ECONOMICS

失業者が確実に増えているのに新規雇用は増えた、この数字の矛盾は何かと思いませんか?

例えば、アメリカには労働参加率というものがあります。

アメリカの人口は約3億5000万人で、その労働参加率は以下の通り62.2%です。

引用元:TRADING ECONOMICS

つまり総人口3億5000万人の62%、2億人が就業人口になります。

この場合、労働市場に参加してきたのが0.1%で35万人、上記のグラフでは0.3ポイント増えているので、1月に就業人口が105万人増えたことになります。

ということは、新規雇用者数は105万人以上増えなければいけないものが46万人です。

残りの60万人はどこに消えたのでしょうか?

つまり失業に関しては整合していますが、就業の統計は滅茶苦茶なのです。

バイデン大統領はウソつき!

この誤差は以前に解説した季節調整です。

これは前回のコラムの「季節調整について」の項で、日本の所得統計を引き合いに出し、6月と12月はボーナスのせいで所得統計が無茶苦茶になっていることを説明しました。

2月4日発表の米雇用統計から見る金相場の展望

雇用統計の非農業部門のグラフは、同様に季節調整が頻繁に行われているのです。

結果として、失業者が増えても新規雇用は増えているということになります。

それをバイデン大統領が知らないわけがありません。

要は、統計分析を行いやすくするために存在する季節調整を、実際の雇用は減っているのに自分の論理に都合のよいと解釈して、「年間のスタートとしては良い」とやったのです。

つまり何が言いたいのかといえば、バイデン大統領はウソつきだということです。

バイデン大統領は何から何まで格好つけであり、自分のプライドを満足させるためであれば平気でウソをつくことは今までに何度もありました。

つまりバイデン大統領は本当はよくないことを知りながらも、よい1年のスタートだと言っている可能性が極めて高いということになります。

トランプ前大統領であれば無知識で官僚に言われた説明通りにやってよく間抜けぶりを発揮していましたが、バイデン大統領の場合は過去の大統領と比較しても研究熱心であることは有名です。

彼がこの季節調整を認識せずに上記のような発言をするとは考えにくい、過去に不勉強がたたり議会で大恥をかいた経験から、何かを発表するときには人の倍以上の勉強をするのが彼のスタイルです。

レイバンのサングラスにぴっちりしたスーツというバイデン大統領の定番ファッションは、人前で恥をかくことを異常に恐れる、彼の研究熱心さを呼んだ賜物と言えるでしょう。

実際の雇用は?

おそらく実際の雇用は、以下のADP雇用統計のようにマイナス30万人が正解です。

引用元:TRADING ECONOMICS

これであらゆる数値を分析するとすべてが合致します。

本当の雇用統計は悪いのです。

100万以上あった1月の新規雇用も、実際は19万人だったのです。

それを上方修正したところで何も意味がありませんし、むしろ今月はマイナス30なのに、46万人という数字偽装を行っているのです。

その方が政権にとって都合がいいですから、そういうことになったのでしょう。

しかし雇用統計の結果が良ければドルは雇用統計発表前に大きく売られたのですから、急反発するはずです。

一向に反発しないのは、マーケットが本当は雇用が悪いと考えているからにほかなりません。

アメリカの貿易赤字が過去最高に

以下は、アメリカの貿易統計です。

引用元:TRADING ECONOMICS

上記は直近1年の赤字しか示していませんが、25年分にすると以下のようになります。

引用元:TRADING ECONOMICS

25年分を見ても過去最悪の数字です。

貿易は商品の貿易においては輸出が輸入よりも多いということはアメリカ国内にお金が入っていることを示し、反対に貿易赤字のときには、アメリカからお金が出て行っていることになります。

通常はこういった赤字が膨らむとドルは値下がりします。

引用元:TRADING ECONOMICS

ドルインデックスの右端を見ると直近は少し下がっていますが、2月7日の動きは貿易赤字が過去最高なのにドルは上昇していることがわかります。

金価格の展望とビットコイン

ドルが高く、金利も急騰しているのであれば、金は安いはずです。

では、ドル建て金価格のグラフを見てみましょう。

引用元:TRADING ECONOMICS

右端を見れば、金価格はドル高、金利高でも上昇しています。

つまり、また金の動きがメチャクチャになっているのです。

と思って、金とストラドルが組まれているビットコインを見ます。

ビットコインは高値から50%下がって、ここ最近、切り返しています。

また金の動きがビットコインに左右されているのがわかります。

この記事のまとめ

以前金価格を左右する要因となっているビットコインの背後にいるのは?

今回の記事では、2月4日に発表された2022年1月の雇用統計は、実際には減っていることを確認。

にもかかわらずバイデン大統領は、季節調整を利用したウソを堂々とついて、「全ての米国民の雇用を確実にすることは素晴らしいスタートだ」と言い張りを決め込んでいるに過ぎない。

これは、マーケットが本当は雇用が悪いと考えているから、本来なら雇用の好調を受けて急上昇すべきドルが一向に反発しないことが証拠と言える。

そしてドルが高く、金利も急騰で本来なら下がるはずの金価格が上昇している背景にあるのは、依然として金とストラドルが組まれているビットコインのせい!

こういう内容の記事でした。