2021年末に向けた円建て金価格の展望

前回は年末に向けたドル建て金価格の展望を予測し、結論は1600ドルくらいまで下がるとなりました。

今回は、円建て金価格の展望を解説していきます。

金価格に関する基本中のキホン

​​

ドバイのショップで売られている金

まず基本中のキホンですが、世界中どこに行っても金の値段は同一です。

数年前、韓国や香港で買い付けた金を日本の税関を潜り抜けて日本国内で売却することで、消費税10%分を儲けるという犯罪があったことからもわかるでしょう。

その同一価格の基準値は、「ドル建て金価格×ドル円÷31.1035」になります。

参考までに、今の日本円建て金価格に31.1035(グラムからトロイオンスに換算)をかけ、それにドル円レートをかけ合わせれば、現在のドル建て金価格になります。

ドル建て金の価格変動要因は、

【1】ドル
【2】金利
【3】GDP(国内総生産)

なので、そこから算出された値段の上下ということになります。

上記の31.1035とドル建て金価格は変わりようがないので、円建て金の価格はドル円レートにのみに左右されることになるのです。

ゆえに円建て金の未来の価格が一番わかりやすいのは、ドル円レートの解明にあります。

円建て金相場予測の留意点

そのほかの円建て金価格の分析方法として、

【1】円
【2】金利
【3】日本のGDP

もありますが、、、ややこしいので置いておきましょう。

大事なことは、金の価格が年に10%も20%も動く一方、円建て金価格の重要な指針になるドル円レートは、年に2%も動けば動いた方です。

ゆえに日々の動きでは、ドル円レートが1円動くだけで円建て価格は20円変動し、ドル建て金価格が1ドル変動するごとに5円程度動くので、ドル円の方が重要と感じますが、結局はドル建て金が下がれば最終的には円建て金価格も下がることになります。

ただ今回は年末まで3ヵ月ということもあり、ドル円相場の解説を行います。

ドル相場のゆくえ

ドル円相場は「ドル÷円」という計算式で割り出せます。

これがユーロドルなら「ユーロ÷ドル」、ポンド円なら「ポンド÷円」です。

通貨が並んでいる前の方を分子、後ろを分母と考えればいいでしょう。

では、ドル円がどうなるのか考えていきましょう。

前回のコラムで、ドルは上昇すると書きました。

2021年末に向けた金価格予測【ドル建て/テクニカル分析&ファンダメンタルズ】

ドルは雇用とリンクしており、アメリカでは失業保険の増額が9月でほぼ打ち切られ、従前の失業保険給付に戻りました。

日本の失業保険と同じく、アメリカでも就業していた時の6〜7割程度しか支給されません。

つまり、今までは働くより失業保険の給付の方がよかったのですが、今後は失業保険の方が損になるので、就業する人は自然と多くなります。

ゆえに雇用は年末に向けて回復し、ドルは高くなると論じました。

ドル円相場を見る時に注意すべきこと

為替レートはあくまで二国間通貨の相対的な関係を表しているにすぎない

本能的に、ドルが高くなれば円安と考えてしまいがちですが、本当は違います。

ドル円相場の意味は、ドルが高くなれば相対的に円が安くなるという意味で、例えばドルが2%高くなれば円は2%安くなるという意味ではありません。

ドルが2%高くなり、円が1%高の場合、ドルと円を比較するとドルの方が1%高くなるので、ドル高円安ということになります。

つまり単純にドル円レートが円安になったとしても、その構成因子は、ドル高円高のケースもドル高円安のケースもあるのです。

ドル÷円で計算すればわかります。

ドル2%高、円2%安の場合、計算式は102÷98で答えは1.04程度になります。

これはドルと円が前回100÷100の1だった場合よりも4%上昇、つまり円安になることを意味しています。

ドル2%、円1%高の場合、計算式は102÷101で答えは1.01程度、つまり1%円安が進行することになります。

ドルが上昇するとドル建て金が下がるゆえに…

ドルも円も両方値が上がっても、値上がり幅がドルの方が高ければ円安ドル高になる

ここで大事なのは、ドルが上昇した場合、ドル建て金価格が下がるということです。

円の場合は2%上昇しようが1%上昇しようが、円が強くなっているので円建て金価格は下がります。

その際に円は、ドル円レートでは円安に行っていますが、円安の割には円建て金価格が上昇しないというケースが出るわけです。

つまり金の円建てマーケットはドル高円高のようになっていれば急落、ドル安円安になっていれば急騰になります。

ドル2%高、円1%高ではドル円レートは円安ですが、円建て金価格は下がるということを忘れてはいけません。

ですから為替が円安に行っていれば、常に円建て金価格が上昇するということにはならないのです。

今後の日本の雇用と円相場はどうなるか?

ゴートゥーキャンペーンも再び!?

ドルの価格は雇用によって決まってくるのは前述した通りです。

では、日本円の場合も雇用に左右されると考えてみましょう。

アメリカで失業保険の増額がなくなった場合、雇用が増えると考えるのが自然でしょう。

日本の場合は多くの人が非正規雇用となり、失業保険を払っている絶対値が減っています。

厚労省は各労働現場に係員を派遣し、失業保険加入の勧誘を行っていますが、成果はかんばしくありません。

つまり新型コロナで失業した人広範に給付されておらず、問題の多い制度になります。

しかし、9月30日付けで緊急事態宣言が解除される見込みであり、おそらく観光、レジャーなどから多くの求人が募集されることでしょう。

応募者はアメリカほど広範ではないのでしょうが、かなりの人数に上ります。

つまり、日本でも緊急事態宣言解除によって新規雇用が増える見込みになっていることから、円が強くなることが予測されるのです。

年末に向けたドル円相場と円建て金価格の展望

長期にわたる緊急事態宣言の影響を受け、倒産する飲食店を街で見かける機会も増えた

ただしアメリカでは、失業保険の給付増額によって今までよりも収入が多くなっていることが現実で、なくなれば就業するという人は増えるでしょう。

一方で日本は、失業給付を受けていない人がほとんどながらも、それまで生活ができていたのですから、慌ててということはあまりないと想像できます。

つまりアメリカのドルが急激に上昇するのに対して、日本の就業はゆっくりとなる傾向が出ますので、ドル円レートはアメリカが仮に2%の上昇、日本は1%の上昇で円安になりますが、絶対的な円の価格は上昇しているので、円建て金価格は下がることになります。

ただし、1750ドル前後の金価格が1600ドル前後なるのは約10%の急落になりますが、ドル円は動いても1〜2%でしょうから、円建ては7〜8%の下げということになります。

この価格については、ドル円やドル建て金価格次第です。

ドル建て金価格が下がれば、中長期で見れば円建て金価格も下がるということになります。

この記事のまとめ

今回の記事では、円建て金価格は主にドル円レートにのみに左右されていることを確認。

そして、年末までのドル円レートを展望を予測すると、ドル同様に円も雇用によって相場が決まるとすると、雇用の回復が見込まれるので円高になる。

ただし、その円の上昇はドルほど急にはならないので、ドル円レート的には円安ドル高に。

よってドル建て金価格は弱くなるが、それよりも少し下がりにくいのが年末に向けての円建て金価格の展望。

こういう内容の記事でした。