金のテクニカル分析と恒大集団危機について

9月20日、中国で8月から噂されていた恒大集団(英名:エバーグランデグループ)のデフォルトが起こりました。

今回はテクニカルで金相場を分析した上で、その解説を行います。

ドル建て金相場日足のテクニカル分析

以下にドル建て金の日足チャートを貼り付けます。

以前から、このチャートの注目点は長い黄色い線の300から350と言っていました。

日足で300から10刻みの350までの線のアップトレンドが訂正され、現在、300と310がデッドクロスをしている状態ですから、数日前に金が急落したのは以前に解説した通りになります。

金融緩和拡大でもドル安にならない理由と金相場のテクニカル分析

今度は短い白の10と30の線がデッドクロスし、長い白の100から150のアップトレンドが訂正され、100と110がデッドクロスになれば、日足はすべてダウントレンド入りとなります。

つまり、金の日足レベルでの売りは確定したことになるのです。

ドル建て金相場週足のテクニカル分析

次にドル建て金の週足を見ておきましょう。

週足も短い10と30の線のデッドクロスが完成し、長い100から150の10刻みのところで現在、値段が止められている状況です。

日足の売りが完成し、つまり100から150の足がデッドクロスをしていけば、おそらく週足の100から150のアップトレンドも徐々にダウントレンド入りしてくる形になってくるでしょう。

日足の100とは、1ヵ月は20営業日前後ですので5ヵ月の意味です。

そして、週足の100とは100週で1年52週とすれば2年の意味になります。

例えば日足の10-15というのは2〜3週間のトレンドになりますから、その方向転換はしやすいものですが、5ヵ月や2年が下方向に転換した場合、そう簡単に買い方向には行かないのは明らかでしょう。

実は誰も何もわからない恒大集団問題

恒大集団の香港の本部が入る中国恒大センターのエントランス

マーケットでは、中国の恒大集団が破綻の懸念と騒いでいます。

アメリカのリーマンブラザーズや日本の三洋電機などと比較されますが、今回の事件は中国で起こっていることに注目してください。

日本やアメリカでは上場企業に対して情報開示が求められますが、中国の上場企業に対しては情報開示が殆ど求められません。

つまり恒大グループの状態がどれほど深刻なのか誰もわからないのに、メディアや専門家はさもわかったように「危ない」と言い放っています。

但し実際にはどのくらいの債務を抱えていて、どのくらいの影響が出るのか、誰も何もわかっていないのです。

恒大集団危機で明るみになったヤバい事実

恒大集団がスポンサーを務めるサッカーチーム、広州恒大

恒大集団問題は、中国の内政に強い影響を与えることが懸念されますが、確実なことはわからないので言及は避けます。

しかし、問題は他にもあるのです。

先日、ユーロ圏が10月からの金融緩和の縮小(テーパリング)開始を発表しました。

現在、コロナショック以降に行われた金融緩和の縮小が確認されている国は日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドです。

よってアメリカだけが緩和を拡大し、ほかの西側諸国は緩和を縮小していることになります。

次回のFOMC(連邦公開市場委員会)は9月22日と翌23日に予定されており、FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は8月下旬のジャクソンホールにて年内に緩和の縮小を開始すると表明しています。

つまりいつ行うかは不明ですが、アメリカが年内のいつかはテーパリングを行うことは明白です。

金相場のゆくえは米のテーパリング次第?

金相場の落日は近い? 鍵を握るのはFRBがテーパリングを実行するか否か

今、マーケットで起こっていることを考えてください。

この恒大集団問題が発生し、9月21日現在、大きく株価は下がっています。
※株価が下がるとなると、、、???

その中で、今まで株価を押し上げてきた材料である金融緩和を9月23日のFOMCで縮小させることを発表したら、マーケットはどうなるのか?

2020年8月に金が2065ドルという史上最高値を更新した要因は、言うまでもなくコロナショックで金融緩和を拡大させたことにあります。

今はアメリカ以外の西側諸国が一斉に緩和を縮小しています。

だったら金の価格はどうなるか、冒頭のテクニカル分析の通り下がります。

この運命は、世界最大の金融緩和をしているアメリカにあることは明白です。

つまりアメリカが金融緩和を縮小すれば金はさらに下落、11月までやらないとなると、まだこの価格で落ち着く可能性が高いということです。

テクニカルが明示していることをファンダメンタルズでも明示しているのです。

この記事のまとめ

今回の記事では、ドル建て金相場の日足のテクニカル分析では、売りはほぼ確定したことを確認。

そして、同様に週足でもダウントレンド入りしてくる形になってくるだろう。

今世間を騒がせている中国の恒大集団の問題については、中国の上場企業はほとんど情報公開がなされていないので、誰も何もわかるはずがないのが実際のところ。

問題は、先進国で唯一金融緩和をしているアメリカのテーパリングのゆくえ。

2020年8月に金が史上最高値を更新した要因は、言うまでもなくこの史上最大規模の金融緩和にあったので、これが止まるとなると金がさらに下落することは確実だろう。

こういう内容の記事でした。