2021年後半の金価格の見通し

今回は、今年後半の金価格の見通しを探っていきます。

因果関係から金価格を探るとは?

物事の因果関係をはっきり把握していれば、ある程度未来は見えます。

因果関係とは過去にあった事象から、今起こっている原因を探すということです。

つまり、金の価格においては過去の値動きを検証し、その変動要因である、

【1】ドル
【2】金利
【3】GDP(国内総生産)

の見通しを見れば、将来価格がどうなるのかわかってくるということになります。

簡単に言えば、財布の中に100万円が入っていて、使えば中身は減る、金で言えば価格は下がることがわかるようなもの。

その使った内容が日常、常に必要なものに使ったのか、それとも臨時費用として使ったのかを見れば、今後のお金の使い方もある程度わかり、財布の中身の減り具合を分析することによってより詳細なお金の流れがわかってくるという話です。

この因果関係を知るためには、過去の動きを知ることがマスト。

これを理解せずに分析している人を見かけますが、当たるわけがありません。

なぜなら今の金の価格は過去があるから形成されているので、過去どのようなことが起こったのかもわからずに未来を見ることは不可能だからです。

義務教育でなぜ歴史を学ぶのか皆さんもおわかりでしょう。

過去の上に自分が成り立ち、どういう経緯で日本や世界がこうなったのかがわかれば、未来が見えるから歴史は大事なのです。

2021年前半の金相場と3つの価格変動要因の動き

以下のグラフは、昨年後半から2021年7月中旬までの金価格の推移です。

参照元:TRADING ECONOMICS

2021年の金相場は年初に高値を出し、1800ドルを中心に上下120〜50ドルで動いていることがわかります。

年初の1950ドルは1800ドルから150ドル高、1680ドルは120ドル安です。

現在は、1800ドル前後でちょうど真ん中に位置していることがわかります。

では、3つの価格構成要因の動きを具体的に見ていきましょう。

【1】ドル  年初が安値で3月、6月に上昇
【2】金利  経済活動再開により上昇
【3】GDP 去年よりもよくなっている

年初の1950ドルよりは下がっているとはいえ、上記のとおり3つの条件が金にとっては弱い材料なのに、下げ幅には不満の残るところでしょう。

この要因は、【4】として金融緩和が挙げられます。

過去最高規模で行われている金融緩和は金の上昇要因、3つが下げ要因でも金融緩和がこの邪魔をしたと考えられます。

ゆえに年後半は、金融緩和の状況も見ていかなければいけないということになるのです。

2021年後半の金相場の見通し

原因が主に金融緩和にあるということがわかっていても、まずは基本の【1】〜【3】を見ていくのが基本中のキホン。

【1】ドル  今年前半まで比較的安い水準で推移したので、国際合意によってドル高に行く可能性が高い
【2】金利  FRB(連邦準備制度理事会)の幹部全員は「インフレ懸念がある」とし、アメリカの財政も厳しいとなると、今年後半は金利が上がる可能性がある
【3】GDP 去年よりもよくなる、しかし前期比ではISM(製造業景況感指数)は低下している

上記をまとめると、【3】GDPは前年よりもよくなるでしょうが、前期比では悪くなる可能性が高く、全体として見た場合、主要な要因【1】ドルと【2】金利は金にとって弱い材料であり、【3】のGDPに関しても前年比で見ればよくなるのですから、上昇要因です。

総合的に見れば2対1で弱い材料が勝っています。

従って前期とあまり変わらない展開が予測されるのです。

肝となるのは金融緩和の変化

ただし、【4】金融緩和については変化が見られます。

6月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨によれば、FRBはテーパリング(緩和の縮小)の議論に入っていること、入る予定が確実視されています。

これは金にとっては弱い材料です。

一方でユーロなどは昨年ドル安で苦しみ、ユーロ高を示現することには難色でしょう。

つまり今年は通貨安を望んでおり、現段階では過去のマーケットからは高い水準にあると思います。

つまりドルは高くなるが、ほかの通貨は安くなる可能性があるということです。

ここから導き出される結論は、ドル建て金価格は今年前半に大きく金融緩和の影響を受けたので、その緩和が減れば下がります。

一方でユーロや円建ての金は通貨が安くなる、つまり金融緩和を増やすので現地通貨建ての金は高くなると予測できます。

下落局面の今こそ金買いの準備を進めるべき理由

少し前に上記のように、これから一度金が下がってから切り返すと予測しましたが、今年後半は円建てなどの現地通貨建ての金などの方が上昇率は高くなる蓋然性は高いということです。

この記事のまとめ

今回の記事では、3つの金の価格構成要因は現在、【1】ドル高方向で金には弱い材料、【2】金利は上昇の可能性があり金には弱い材料、かろうじて【3】GDPは去年よりはよくなるだろう考えられるので金には強い材料。

しかも現在の金の下落を抑えている要因【4】金融緩和が年後半には縮小に向かっていくので金には弱い材料。

従って、緩和が減れば金価格は下がる!

一方で、ドル高に対してユーロや日本円は安になるので、金下落後の切り返しの上昇率は円建てやユーロ建て金のほうが高い。

こういう内容の記事でした。