金のテクニカル分析とコロナ克服後も経済復活はない理由

日本も欧米も、ワクチン接種による経済回復で再び好景気が続くという論調が一般的です。

しかし、現実的にそんなことはないという理由を金価格のテクニカル分析と併せて解説します。

金価格のテクニカル分析

下記は金価格の日足チャートです。

移動平均線は、白の間隔の狭い線が10-15を10刻みにしたもの、間隔の広い白線は100-150の10刻み、黄色は30-35と300-350の10刻みにした線になります。

短期線である10-15と30-35は完全にデッドクロス、長期の100-150と300-350もデッドクロスが完成しようとしています。

ただし、黄色の300-350はまだ若干上を向いていますが、100-150は下を向いているので、300-350が下を向けば完全にデッドクロスが完成します。

そうすれば、今度は週足の完成を目指してまた売っていくの繰り返しです。

企業を襲う三重苦

おカネを稼ぐ主体は、世界では企業が中心です。

政府は企業の暴走を防ぐことによってモラルを守り、家計は労働力の提供によって企業を助けています。

しかし、その企業が今おカネを稼げないのです。

理由は前回も説明しました。

金の急落は続くのか? | 金の価格構成要因からの検証!

2021年に入って、まず金利高によって資金の調達コストが上昇し、物価の上昇によって資材の調達コストが上昇し、インフレによって労働賃金の上昇を迫られています。

この課題を解決するためには、売上が上がればいいのですが、売上は今年の4月以降ずっと下がり続けています。

それはそうです、資金、物資、労働力という企業経営に欠かせない資源の値上がりが続いているのですから、利益はコストを凌駕しなければ儲かりません。

売上を上げるために、マクロ的に考えれば、労働者は消費をするのですから賃金を上げればいいのです。

しかし、ほかの資金、資材のコストも上がっている中で賃金を上げたら、もっと利益を伸ばさないとできないということになります。

病み上がりの経済にそんなことを期待するのは無理でしょう。

そのほかの資金、資材コストの上昇は企業単体ではどうにもできないことです。

つまり、やりようがないのです。

企業が打てる手

解雇時代が始まる?

まず、労働力は日本でもデジタル庁が創設されたように合理化が進んでいます。

つまり、IT化によって人減らしが始まるのです。

バイデン大統領が雇用が伸びたと騒いでいますが、ほかのコストが上昇しているのですから、何かを切り詰めなくてはいけないのです。

金利や物価は企業にはコントロールできないものですから、人件費を削るほかありません。

しかし、賃金カットやレイオフをすれば売上は最終的に下がるので、雇用を増やさないと企業の利益は上昇しないのですが、実際問題は難しく、労働力カットは今後も進行すると考えます。

また、企業は規模を縮小するか、儲かるところに特化して生き延びるほかありません。

つまりレイオフするほど大規模な雇用調整はまだ起こっていませんので、今後はそんな発表は少ないでしょう。

しかし、グローバル企業が儲からない地域から撤退することは十分に考えられます。

その上、グローバル企業にとっては利益の源泉である税金逃れをバイデン大統領は認めない方針を決定しました。

こういう現実なのに、ほとんどの投資家や専門家は今後、株価、金、ビットコインは上昇すると言っています。

果たして本当でしょうか。

企業の利益が上がらないことは、世界経済にとって致命的です。

景気はよくはならない

高輪ゲートウェイ駅にある無人コンビニエンスストアー

儲からないなら究極は廃業ですが、その前の段階、規模の縮小や儲かる場所に重点的に移動という段階がこれから始まろうとしているのです。

リーマンショック後、アマゾン・ゴーなどのコンビニ無人店舗がしきりに研究されました。

これは、やはり不景気で人件費を払う余裕がなかったので、そうした動きが現れたのです。

ところが、人件費が日本なども下がっていますので、再び有人のコンビニが台頭してきたにすぎません。

つまり、これからの雇用は、レジ打ちや飲食店のサーブなどの単純作業は機械に変更されるリスクを負っているのです。

これらの職業の人たちは今からさまざまな勉強をして、人にしかできない技術を身につけるべきでしょう。

そういう世界が現実に迫っている中で、コロナ克服によって雰囲気は明るくなるでしょうが、景気はよくならないと言えるのです。

この記事のまとめ

今回の記事では、金の日足チャートのテクニカル分析は完全なデットクロスが間近。

そんな中、世間ではコロナワクチン接種によって景気がよくなると声高に叫ばれているが、そうなるとは考えられない。

すなわち、世界経済においておカネを稼ぐ主体であるところの企業が、資金調達、資材調達、賃金のコストの上昇という三重苦に見舞われているから。

企業が打てる手は、労働力のカット、規模の縮小、儲かるところへの特化。

こういう状況下において、金のほか、株価やビットコインの上昇など今後望むべくもない。

こういう内容の記事でした。