金利高・ドル高・インフレ懸念下における金および貴金属の価格予測

白金やパラジウムも下落し、金利高、ドル高も進行中という状況で、金を強気に見る専門家も少なくなってきました。

※Youtube等でも散々コメントで叩かれていたのが今は一服しています

インフレ懸念も叫ばれる中、金および貴金属の価格がどうなるかを検証します。

金の価格構成要因

金の価格は、

【1】ドル
【2】金利
【3】GDP

でしか動きません。

この中に、ドルや金利は相対的な動きでも動くということは以前に解説しました。

では、今の【1】ドルと【2】金利の状況を見てみましょう。

金利の状況

6月17日のFOMC(連邦公開市場委員会)を受けて、米国2年物金利が急騰しました。

参照元:TRADING ECONOMICS

数日は調整していましたが、6月25日には再び上値を追っている状態です。

短期金利でもこの状態ですが、長期金利も以下のようになっています。

参照元:TRADING ECONOMICS

3月に10年物金利は急騰しましたが、6月に入って短期金利が急騰したことから、相対的には長期金利が下落しました。

これは、短期国債売り-長期国債買いのストラドルの影響だと思われます。

しかし、6月25日以前の数日間は反転上昇し始めています。

この状態で通常、金が上昇するはずはありません。

金利上昇の背景は、FRB(連邦準備制度理事会)理事で最もタカ派のセントルイス連銀のブラード総裁の発言に代表されます。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-06-24/QV7WU2DWLU6X01?srnd=cojp-v2

引用元:ブルームバーグ

ブラード総裁の発言は毎日どこかしらで報じられ、ほかの地区連銀総裁もインフレ懸念を発信している状態です。

インフレとは物価の上昇になりますが、それにリンクしているのは金利であり、物価が上昇をすれば通常、金利も上昇します。

ですから、アメリカの金利は上昇している状態です。

ドルの状況

ドルは、FOMCを受けて急騰しています。

参照元:TRADING ECONOMICS

この背景は、去年1年間ずっと下がり続け、アメリカは通貨安によって多大な恩恵を被りました。

相対的に他通貨は上昇という構図になり、アメリカ以外の同盟国は当然不満を抱きます。

通貨安は不景気時の常套手段であり、去年アメリカが通貨安の恩恵を被ったので、今年はアメリカ以外の国は通貨安になるのです。

そのきっかけがFOMCだったということになります。

つまり、今年3月の一時的なドルの上昇と今回の上昇は、意味が違うということです。

今回の上昇はおそらく年末まで続くことになり、アメリカはドル高、金利高のダブルの苦難になるわけです。

白金とパラジウムの可能性

炭素繊維シートの検品

ドル高、金利高は金の下値応援要員です。

このドル高、金利高とも年内の予定であれば、今年の金の上値は期待できないことになります。

また、そのほかの白金やパラジウムなども同様で、これらの商品はドルに密接にリンクしています。

金利にはそれほど大きく連動していません。

ただ、バイデン大統領の進める環境対策が白金やパラジウムの需給に影響するというのはフェイクニュースだと当サイトでは指摘しています。

なぜなら、白金やパラジウムは触媒としては有用ですが、価格の高さによって代替品が次々と開発されている状態です。

その一つが炭素ですが、単なる火の燃えカスです。

燃えカスと白金、パラジウムどちらが高いのか自明でしょう。

本当にバブルになるのは銅

電気自動車の電線として需要増が見込まれる銅線

金属の中で、本当にバブルになるのは銅です。

環境対策の進行によって普及する電気自動車は、通常のガソリンカーよりも電線(銅線)の使用量が5〜10倍と一般的に言われます。

銅だけは、ドルがいくら高くなろうとも、需給によって価格が上昇するのです。

日本は山元建値というものがあり、統制されている感じがありますが、世界的には銅の奪い合いになるでしょう。

今は物資に恵まれている時代ですので、ハイパーインフレは起こりにくいですが、半導体やマスクなど本当に不足しているものは高騰しました。

銅はそれほどの夢は負えないとでしょうが、そこそこは上昇するでしょう。

銅の投資は先物ではなく、東証に上場されている銅のETF(上場投資信託)がお勧めです。

ただし、レバレッジが効いていないのであまり儲かりませんが。

そのほか海外先物になりますが、その辺は業者の質を確かめなければいけないリスクが生じます。

この記事のまとめ

今回の記事では、アメリカはドル高・金利高のダブル苦難が今年いっぱいは続くことになり、金をはじめ白金、パラジウムといった金属にとって下げ要因となる。

ただ一つ、今後の環境対策の進行によって値上がりが予想されるのは銅。

もはや、ちまたの金投資の専門家でさえ「金は買い」などとは言っていられない状況になった。

こういう内容の記事でした。