5月19日のビットコイン急落の意味と金相場との関係

5月19日、ビットコインが1日で最大25%程度下落しました。

今回はその理由と意味、そして金との関係性を探っていきます。

ビットコインは金融のデカップリングの対象

ベトナム戦争の赤字財政が変動相場への以降の原因というが、厳密には、その赤字によって固定レートが維持できなくなったから

中国と西側世界のデカップリング(切り離し)が話題となっていますが、金融の世界では、仮想通貨と既存の金融商品のデカップリングは必須のこととなっています。

その理由を、まずは過去のさまざまな金融危機はなぜ起こったのかという観点から読み解いていきましょう。

そもそも、1ドル360円という固定相場がなぜ1973年に変動相場に移行したのかという問題があります。

これは、1ドルに対する円のレート360円が安すぎると、投機筋に狙われた場合にその固定相場を死守できなくなったから変動相場に移行したのです。

勘違いをしている人が多くいますが、固定相場とは、中央銀行がそのレートを維持するために介入しているから固定という結果が得られます。

すなわち、その固定レートが維持できなくなれば、崩壊することになってしまうのです。

政府・中央銀行vs投機マネーという構図

もはや日本銀行は投機マネーには対抗できない

このようにマネーの流れは激甚であり、その後は政府・中央銀行vs投機マネーという構図が経済危機の度にクローズアップされています。

つまり、巨大な投機マネーに政府のお金は対抗できなくなっているのです。

日本の国家予算は100兆円前後ですが、GDP(国内総生産)は500兆円です。

実態経済では日本には500兆円のお金があるのに、政府のお金は100兆円、この額では投機筋に対抗しようしてもできやしません。

投機筋は、実際のお金に対して現在では最大10倍程度のレバレッジをかけてきます。

この結果、実際に経済を動かしているお金よりも投機するお金が大きくなり、これが一つの国に集中した結果、東南アジア通貨危機やリーマンショックが起こったのです。

緩和マネーがビットコインに集中した

早く環境が改善されるようにという理由でバラまかれたお金がビットコインに回った

こういったお金は過剰な流動性、つまり金融緩和と言われ、ヘリコプターマネーとも呼ばれます。

現在、世界中の人々の暮らしがコロナによって壊されているので、世界的にお金をばらまいているのですが、それが1ヵ所に、すなわちビットコインに集中した結果、その高騰につながりました。

つまり、こういった問題の根幹は緩和マネー、つまりリスクマネーがバブルを引き起こし、それが破裂することによって問題を深刻化させるということになります。

世界としては、この緩和マネー、過剰流動性を排除しなければバブルが起こされ、その崩壊によって傷が大きくなるのを不安視しています。

ゆえに緩和マネーとビットコインを切り離すこと、つまりデカップリングを促進することを切望するのです。

デカップリングの方法とビットコインの下落

緩和マネーの引き締めを行えば困る人もいるが…

結局、緩和マネーが経済危機を引き起こしているのであれば、その緩和マネーを引っ込めればいいということになります。

しかし、その犠牲はつきものです。

今回の場合、新型コロナで傷んだ経済の再生を一時的にあきらめなければいけないということになります。

ちょうど今、世界が「短期的なインフレ懸念」を共有している中、イエレン米財務長官やパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長が「ハイパーインフレに対応する方法はある」と言明しています。

これは緩和を縮小、停止するという意味であり、経済の再生を犠牲にするつもりがあるという意味です。

今のアメリカの長期金利の推移を見た場合、インフレ問題が現実的になってきています。

それを抑えるためには、パウエル議長やイエレン財務長官の言う通り、緩和を縮小、停止すればいいということがビットコイン急落の発端です。

つまり、ビットコインの急落はまだ続くのかと問われれば、その可能性は非常に高いと言わざるを得ません。

なぜなら、現実的に長期金利は上昇し、期待インフレ率も高まり、物価も実際に上昇しているのであれば、インフレの芽を摘むためにはもっと緩和を縮小せざるを得ないからです。

ビットコイン市場から消えたお金はどこへ?

ビットコインの下落は株価の下落を暗示する!?

報道によれば、ビットコインの市場から1週間で6000億ドルが消えたといわれています。

これは実際は消えたのではなく、ドルやそのほか円やユーロに転換されたというのが正しい表記です。

6000億ドルは日本円で1ドル100円とすれば60兆円であり、いかに巨額かがわかるでしょう。

この60兆円がどこに行くのかという問題が発生しますが、これはグリード(強欲)なお金ですから、多分、株式市場に流れるでしょう。

そうすると、現在でも株価はバブルなのにさらなるバブルが生み出され、そして最後には崩壊します。

だったら、もっと緩和を停止、縮小しなければいけないという循環なのです。

だいたい今までにおいて、ビットコインの急騰は後の株価の急騰につながっており、5月19日のビットコインの急落は、後の株価の急落を暗示していると言えるでしょう。

思い出してほしいオバマ政権のクリーンエネルギー促進

とうもろこしの油などから作るバイオ燃料

オバマ政権時代に、クリーンエネルギーの促進が図られたことは記憶にあるでしょう。

例えば、とうもろこしの油分からガソリン、エタノールを製造することなど試みられました。

そのほか太陽光なども注目されましたが、中国のソーラーパネルの粗製乱造によってオバマ大統領の試みは失敗しました。

その中で、炭素の排出量がガソリンなどの化石燃焼と比較して10分の1である天然ガスのエコブームが到来しています。

その結果、起こったことが天然ガス買い-原油売りのストラドルのポジションでした。

すなわち、エコなクリーンエネルギーである天然ガスの需要が増し、原油などのエコではないエネルギーの需要が減るというポジションです。

金とビットコインの可能性

どうなることか、ビットコイン

今回、バイデン政権誕生で何が起こったのかといえば、キーポイントはブラックロックという世界最大の投資運用会社になります。

このブラックロックのCEOは、バイデン政権の誕生が確実になった時に、「今後はビットコインの時代になり、金の地位を脅かすことになるだろう」と主張しました。

そしてこの発言は、ビットコイン買い-金売りのポジションの構築になっていきます。

5月19日にビットコインが急落すると、今までのビットコイン買いのポジションが水浸しになるので手仕舞いになります。

金の売りのポジションは、ストラドルは同時決済が原則ですから売りを手仕舞いする、すなわち買うことになるのです。

この記事のまとめ

今回の記事では、暴走した緩和マネーがビットコインに集まったとことでその高騰が始まった。

5月19日のビットコイン急落は、その緩和がインフレ懸念を理由に引き締められることが現実味を帯びてきたから。

今まで金が下がると記してきたが、ビットコイン買い-金売りのポジションの決済によって、金の下落が遅くなっている。

こういう内容の記事でした。