2021年5月下旬のマーケット状況と6月4・5日のG7財務相会合

今回は、現在の複雑怪奇なマーケットの状況をまとめて解説します。

ビットコインの下落前には必ず金が急騰する

2021年5月19日の1日でビットコインは最大25%程度下落した

オバマ政権時代のクリーンエネルギーブームから、二酸化炭素を多く排出する原油を売り、天然ガスを買うというトレードが起こりました。

このほかにはバイオエタノール製造のため、とうもろこし買いの原油売りなどもありました。

バイデン政権では、発足前にブラックロックという世界最大の投資運用会社のCEOが「ビットコインは未来のコイン」と言い、「金にこれがリプレイスメントされるだろう」と発言したことによって、ビットコイン買い-金売りの取り引きが完成。

これが重要なのは、ビットコインの下落前には必ず金が急騰していること。

年初からビットコイン買い-金売りのポジションが完成していたのですから、この解消はビットコイン売り-金買いになるわけです。

最初に金の売りを手仕舞いし、そしてビットコインを手仕舞いするという構図になります。

ただし長期的に見れば、理論的には金とビットコインは同じ材料でしか動かず、このビットコイン買い-金売りのポジション解消の際には金が高すぎ、一方のビットコインが安すぎるという状態になることに留意してください。

現在の金融マーケットの趨勢

今ごろドル高になっているはずなのに…

こういった世界的な危機である場合、最初にアメリカドルが下がり、そのほか通貨安になります。

この傾向はリーマンショックから続くことであり、その後の南欧債務危機やチャイナショックでも同じことが起きました。

そして、その翌年は、必ずドル高の傾向が鮮明になっています。

過去の経験則からでは、4月までに大幅なドル高になるのですが、今年はすでに5月。

いまだにドル高になってはおらず、ここが例年と違うところです。

この背景は、以下の記事で説明できます。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-04/QSL546DWX2PX01

引用元:ブルームバーグ

6月4日から5日にG7財務相会合が開催されるという内容です。

このG7の財務相会合は別名「通貨マフィア」と呼ばれるように、通貨政策を取りまとめる場です。

G7による途上国支援の裏にあるもの

G7とはアメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、日本、イタリア、カナダ

G7の財務相会合は、参加7ヵ国に関係がある通貨をコントロールしています。

すなわち、5月はほとんどユーロやポンドなどが動かない状態だったのは、このコントロールの管理下にあったからであり、反対にオセアニアはよく動いたということです。

まず、前回のG7財務相会合では途上国支援が決定されました。

その規模は3000億ドルであり、バイデン大統領のコロナ経済対策1兆9000億ドルと比較すれば、お茶を濁した数字であることは明らかではあります。

本欄、今回の緩和によってドル安、金利安が発生して、翌年は通常の危機であれば、ドル高、金利安になります。

ところが今年の場合、各国がインフレ懸念を共有しており、物価高から金利高になります。

途上国は、インフラや投資のために多額の借金を抱えており、その返済にはドル安で金利安の方がいいに決まっているのですが、今年はその逆。

ゆえに、リーマンショック直後にブラジルがデフォルトを起こしそうになったような事態が想定されるので、途上国支援を行うという趣旨で間違いないでしょう。

SDRによる支援

SDRとは特別引出権の略で、加盟国の準備資産を補完する手段としてIMFが創設した国際準備資産のこと

いつもなら遅くても4月、早い年には2月にはドル高になるのですが、今年はおそらく6月になります。

そして、この途上国支援の原資はIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)というものを使います。

去年のアルゼンチンのように、世界のどこかで毎年のようにデフォルト危機に陥る国があり、その緊急融資になる原資がこのSDRです。

イエレン米財務長官の発案で、これをデフォオルト危機になった国だけではなく、危機が予測される場合にもこの提案が通りました。

またG7加盟国だけではなく、中国もその支援に加わっています。

これはSDRの出資国にアメリカ、日本、EU、イギリス、そして2015年に中国が加わったためです。

6月4日・5日のG7財務相会合へ

6月4日と5日にG7財務相会合が開催されるロンドンのランカスターハウス

上記のG7の開催日程の記事の下の方に、オンライン会議を5月28日に開催としています。

そして6月4日と5日にイギリスに集結し、対面で会合を行うといっているのです。

前回の開催は、オンラインで3月20日でした。

その開催直後にアメリカはSLR(補完的レバレッジ比率)緩和廃止を発表し、日本は3月31日の期末の2営業日前に日銀の緩和縮小を発表しています。

つまり6月の政策、国際合意の最終確認をオンラインで行い、6月4日と5日にその立ち合いを行うのでしょう。

つまり、途上国支援もG7やSDR加盟国が表明し、そして金利高の備えも万全となると、起こることはドル高です。

この記事のまとめ

今回の記事では、マーケットにはビットコインの下落前に必ず金が急騰するという流れがあるということ。

そして、6月4日と5日にイギリスのロンドンで行われるG7財務相会合を機に、ドル高に転換するということ。

ドル高になれば、金をはじめとするリスク資産の値段は下がる。

ビットコインもまだ高いという根拠のない声も聞かれるが、そんなことはないだろう。

こういう内容の記事でした。