金市場は現在バブル真っ只中!?

金が史上最高値を更新してはいますが、心配することはありません。

その根拠は、ワールドゴールドカウンシルの2020年の4月期の展望と年央の見通しです。

今回は、この性質の悪い欺瞞に満ちたレポートをひも解きながら、現在の金価格がバブルであることを説明します。

ワールドゴールドカウンシルのレポート

ワールドゴールドカウンシルのレポートは以下の通りです。

https://www.gold.org/goldhub/research/gold-outlook-2020-mid-year

引用元:World Gold Council

このレポートによると、2020年1-3月期で一番需要が伸びたものはETF(上場投資信託)関連投資になるそうで、これによって金の需要は微増だと主張しています。

しかし、これは摩訶不思議な主張としか言いようがありません。

ETFとは?

ETFとは、日経平均など特定の指数に連動する運用成果を目指して上場している投資信託のこと

ETFというと、ほとんどの方は理解をしていないでしょうが、ETFとは、本来株式市場には上場できない投資信託商品なのです。

しかし、それでは金やインデックスファンドなどに投資したい投資家が投資できないことから、苦肉の策で株式市場に上場した投信信託、ファンドをいいます。

もちろん、一般企業のように上場には厳しい審査を経る必要があり、毎年のパフォーマンスや利益率、資産分離の保管義務など、証券取引所から多岐にわたる審査を受けて上場が認められます。

例えば、日経平均インデックスファンドというものが証券取引所に上場されていますが、これは一般の会社ではありません。

日経平均を主に運用しているファンドが上場しています。

世界には金を中心に運用しているファンドが複数あり、そのファンドへの資金の流入が金需要の若干の増加をトータルで示したから、金は高くなったのだと解説しているのです。

しかし、ETFをよく知っている人間からすれば、こんなデタラメな説明はありません。

ETFによる金買い付けの現実

ETFといっても実際に買い付けている金は表に出ている数字の1%ほど…

少額投資の王道に純金積立がありますが、日本人の全口座を解約すれば、地球上すべての金をかき集めても足りません。

何が言いたいのかといえば、投資家がETFを買っても、その全部の金を買う必要はないという設計になっているファンドがほとんどなのです。

このルールは世界の証券取引所で違い、例えば今、日本銀行がETFを買っていると報道されています。

これは、買っているファンドが日銀が買い付けた分に見合うだけの日経株を買うことになっているから日銀は買うのです。

つまり、日経平均に採用されている企業の株は日銀の所有に確実になります。

ところが金のETFの場合、ファンドによってマチマチですが、ほとんど100パーセントに近い割合いで投資家から買い付けられた分の金を保有していません。

投資家が1億円の金の投資ファンドに投資をした場合、せいぜい10%も買えばまだまともな方でしょう。

多分1%、つまり100万円分の金も買わないことが実際です。

ワールドゴールドカウンシルレポートの決定的矛盾

金をそのまま渡されても置き場に困るのが現実

なぜこんなことをやるのかといえば、投資家のほとんどはETFの成果を現物の金ではなく、キャッシュで受け取ろうとするからです。

実際に金を受け取っても保管に困ります。

火災や盗難に遭えばなくなりますし、倉庫に預ければ保管料もかかり、そのほか保険などバカにならない費用がかかります。

ですから、純金積み立てやETFが解約されたら、ほとんどの投資家が金ではなく現金を選択するのでそういう仕組みになるのです。

つまり、ワールドゴールドカウンシルが発表したETFの増加とはペーパー需要であって、実際の金の需要ではありません。

これで需要が増えたと言うのには相当な無理があります。

新興国の金需要について

2020年4月、インドのマハーラーシュトラ州、ロックダウン中のアムラバディ。インド人がマスクをつけて商店に並ぶような光景を昨年誰が予想できた?

また、今まで金の需要を引っ張ってきたのは中国やインド、トルコ、メキシコ、ロシアなど新興国による買い付けでした。

その量は145トンと言われます。

よく考えてほしいのは、全世界の公務員という職種の人たちは、前年に定めた予算の範囲でしか金を買い付けられない点です。

前年にこの新型コロナ禍は誰も予想し得ませんでした。

つまり、国家の予算も例年並みにしか計画していないのです。

例えば、日本円で金の価格は5000円/グラムでしたが今年は7000円/グラム、単純計算すれば40%の値上がりで、去年並みの予算で今年も同じ量を買うのですか?

買える量が40%減るのが通常なのに去年よりも増えるなんて、へそで茶を沸かすような説なのです。

実態がないことこそバブルの証拠

今の金価格は実態のないバブルにすぎない

宝飾需要や工業需要は減って当然です。

コロナで所得が減っているのですから、宝飾などに回す資金が減るのは当たり前ですし、世界の工業需要が凹んでいる最中に工業需要が増えることはありません。

こうやって考えると、値段がこうなってしまったから、仕方なく皆がわからなさそうなETFや国家の買い付けによって辻褄を合わせただけの研究レポートと見受けられます。

では、なぜ金の価格は上昇しているのか?

「実態なんてないじゃないか」と思われる方が多数でしょう。

それをバブルというのです。

そして、バブルはいつか崩壊するものです。

実態がないのですから、ここから上値は追っても逃げ切れないだろうということを肝に銘じ、今は時が来るのを待つしかありません。