金利は上昇局面に来たため金暴落の可能性!?

今回は、これから金利が上昇する懸念があることについて説明いたします。

金利の上昇は金価格下落の要因ですので、しっかりご確認ください。

トランプの失政と経済被害

下記は直近約1年のアメリカ国債10年物利回りです。

参照元:TRADING ECONOMICS

去年最大で2.7%もあった金利が最低の数字で0.5%くらいになり、その差が2.2%もあります。

この金利低下の背景は、トランプ大統領がアメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)に対して「金利を下げろ」と言ったことにあります。

その結果、低金利を背景として金が最高値を更新、NYダウが3万ドル目前という数字を達成しました。

今回のコロナショックでは、

トランプ大統領の失政とFRBがこれに追随したこと

コロナの直接の被害はさておき、経済的な被害の根本原因です。

ですから、トランプ大統領は「コロナは大したことない」と言い続け、結果対応が遅れました。

非難回避はバラマキ戦術で

前副大統領で民主党の大統領候補であるジョー・バイデン

アメリカでは、こうしたコロナ対策への不満を背景にトランプ大統領への非難が高まっています。

最近の世論調査ではトランプ大統領の支持率35%に対して、民主党の大統領候補であるバイデンが41%程度でした。

ただ、全米のメディアは親トランプ、反トランプを問わず、今回のコロナショックがこれほどまでにひどくなった原因はトランプ大統領とFRBの政策ミスということに気づいていない点には失笑を禁じえません。

当のトランプ大統領には自分が原因だという自覚はあるでしょうが…。

ともかく高すぎる株価をひっさげて次期大統領選挙に勝利しようとしたのでしょうが、それが原因で大災害になってしまいました。

今、トランプ大統領は自身のコロナ対応の遅れへの追求をバラマキによって弱めようとしています。

それに対して民主党の院内総務であるナンシー・ペロシも大統領選挙と同時に行われる議会選挙を意識してバラマキを提案しています。

バラマキ政策と物価上昇の関係

欧米では俗にヘリコプターマネーと呼ばれるバラマキ政策

バラマキの一番の問題は、お金が市中にどっと流れ出す点です。

アメリカは2,000兆円のGDPに対して約10%の緩和を決定し、そのほかFRBは無制限に資金を供給しています。

ここで、このコラムで今までお伝えしてきたドルが弱くなると金が高くなるという相関を思い出してください。

アメリカ政府やFRBがこれだけお金をプリンティングすれば、物価はどうなりますか?

日常生活で1万円は1万円ですが、日本円の供給が増えた場合、その1万円の価値は下がります。

そして1万円の価値が下がると、同じ1万円でも買える商品は当然少なくなります。

現金の価値が薄まってくることから、投資家は不動産や株などを買い始めるのです。

アベノミクスも要はバラマキ同様のことでしたので、結果として7,000円だった株価が2万円以上になりました。

金相場も同じ理屈で、3,000円台だったのが7,000円まで行ったのです。

1万円の価値が変わらないとしている皆さんの価値観が、同じ1万円で買える商品が少なくなるのは物価が上がっているからだと認識するわけです。

つまり、今後物価が上がることを念頭に置かなければいけません。

かなり強い物価上昇圧力

新型コロナウイルスの感染拡大に際し急ピッチで製造に取り組むマスク工場

今回の新型コロナウイルスの場合、マスクや医療用防護服を筆頭に価格が上昇しました。(2020年5月17日現在は暴落。)

これは、製造元の工場が生産停止したことが原因です。

アメリカでの食肉工場や小麦粉の小口需要などでも、供給が需要に追いつかないケースがあります。

※スーパーでは小麦粉関連がサーッと消えました。

通常なら不景気では、物価が下がるのが必然です。

理由は生産過剰になるからですが、今回は特定の品目に関して物価が上昇しています。

まだ完全に世界の工場が稼働しているわけではありませんので、供給が絞られている品目もあるわけです。

ですから、物価の上昇圧力がかなりあるといえます。

インフレとアベノミクス

燃料を購入するのではなく直接紙幣をコンロにくべる、第一次世界大戦後の1920年代のあるドイツの家庭の風景

物価上昇のことをインフレと言いますが、代表例として第一次世界大戦後のドイツが引き合いに出されます。

たった1杯のコーヒーを飲むのに、トランクいっぱいのお金で支払いが行われたというような事態です。

欧州が現在でも極端にインフレを嫌がるのは、その経験に由来します。

日本のアベノミクスではGDPの3倍、すなわち1,500兆円の緩和を行いました。

しかし、物価が下がり続けるのは収まりはすれど、物価の上昇を実感している人はほとんどいないのが実情でしょう。

わずかに上昇していると思ったとしても、その間に消費税が5%から8、10%になっている点を考慮していない人がほとんどです。

その代わり、企業の経営者はよくおわかりかと思いますが、人件費だけは上がっています。

アベノミクスと今回の日米の支出の相違

資金を大量に市場にまけば通貨の価値は下がり、結果としてインフレになってしまうが…

アベノミクスではGDPの3倍緩和をしても、物価の上昇はゆっくりという形になっており、現実にインフレと呼べるような水準にはありません。

なぜかといえば、アベノミクスは通貨供給量をコントロールしたからです。

アベノミクスは2年間で物価を2%上昇させると言いましたが、今回のように決めた金額をすぐに市場に出したわけではなく、2年に分けて1,500兆円を放出しました。

今回のアメリカの場合は200兆円の政府出資、そしてFRBは無制限にお金を放出しているのです。

日本は予算処置で前年度26兆円、今年度110兆円の支出を短期間に出そうとしています。

物価上昇を抑える秘策こそが利上げ

2020年5月7日、人影も活気もないニューヨーク、マンハッタンの風景

インフレの発生には定説があります。

これは総通貨発行供給に対して大抵5%を上限に発行すれば、インフレは起こらないという定説です。

今回の新型コロナウイルスの場合ですと、バラマキをやりすぎの側面があります。

しかし、現実にはすぐに資金供給を行わなければ企業も個人も倒れてしまいそうな勢いになり、短期的に資金を導入しなければなりません。

つまり、インフレが起こる水準までバラマキをやってしまっているということになります。

こういう状態になればインフレになる可能性が高い、でも今、資金投入をやめるわけにはいかないというジレンマです。

これは日本にも言えること。

ここで物価の動きを落ち着かせる方法は何かといえば、実は金利を上げればいいのです。

お金を借りやすくするために現在各国とも金利をゼロにしていますが、その金利を上げなくてはいけないという判断になりつつあるのが今の情勢になります。

金価格下落のターニングポイントは近し

金利上昇のターニングポイントにあるということは金価格下落のターニングポイントにもあるということ

前々から今回の不景気では低金利はそう長く続かないと申してきましたが、上記がその背景です。

どこの国もインフレは望んでいませんし、デフレも望んでいません。

望むのは緩やかな物価上昇です。

今回のコロナショックでバラマキをやり過ぎてしまった結果、物価が上昇し、金利を上げざるを得なくなっています。

そして、今まで低金利だったものに金利が上昇すれば、金の値動きの二大要因である、

【1】ドル
【2】金利

の【2】に相当します。

これが上昇すれば金価格は下がり気味になるでしょう。

言い換えれば、今はまさに金売却を見計らうべき重要な時期にあるということを認識していただければと思います。