2020年3月の金の急落についての解説

当コラムの予測通り金が急落しており、今後の世界や日本経済について不安は尽きないことでしょう。

今回は、今まで説明してきたことをきちんと理解していればこの金の急落は予測可能だった、もっと言えば「誰もが」ということを説明します。

金の変動要因の復習

金の変動要因は、

【1】ドル上下動
【2】金利上下動

です。

実際に上記2つの要因を見ているだけで、今回の大急落は予測できました。

では、実際に見ていきましょう。

金利の動向の確認

下記のグラフは、上がアメリカ国債1年物金利、下がドル建て金価格になります。

参照元:TRADING ECONOMICS
参照元:TRADING ECONOMICS

金利が下がれば下がるほど金の価格が上昇し、上がれば金の価格は下落するのがわかります。

金の価格が1700ドルまで行ったのは、金利が低下したためということがおわかりになるでしょう。

ただし、3月に入ってから金利が急速に低下しているのにもかかわらず、金の価格も下がっています。

これは【2】の金利の動向から、【1】のドルの動向に注目点が移行したからです。

ドルの動向の確認

下記のグラフは上がドルインデックス、下がドル建て金価格です。

参照元:TRADING ECONOMICS
参照元:TRADING ECONOMICS

3月に入ってから、ドルインデックスが急騰したのにつれて金が急落しています。

つまり今回の急落は、今まで金利を中心に動いていた金価格が、【1】ドルの動向に移行し、そのドルの急騰があまりにもすさまじかったからです。

金利の上下動もコロナ騒動でひどかったのですが、ドルの急騰がさらにひどかったことになります。

参考までに、ドルが急騰したのは、3月12日にECBが量的緩和の規模を拡大し、ユーロの供給が増えた結果です。

つまり、ユーロが安くなってドルが相対的に高くなっただけで、いわゆる「有事のドル買い」ではありません。

現状は真剣白刃取り!?

振り下ろされる真剣の刃を素手で受け止めるのは困難

今後の展開を予測するためには、【1】ドル、【2】金利の動きを見通せばいいことになります。

まず、現在の状態ですが、リーマンショックのときによく言われた「真剣白刃取り」という言葉を聞いた方も多いでしょう。

落ちてくるナイフを素手で取るのが難しいように、落ちてくる株価を日銀などの各国の中央銀行が止めるのは難しいという意味になります。

各国の政府、中銀は「やるやる」と言っていますが、いずれも小規模なものです。

反対に、落ちてくる株価が落ち切ったときに、その株価を上昇させるのは簡単なのです。

今後の展開

アメリカの中央銀行であるワシントンのFRB(連邦準備制度理事会)

各国の政府・中銀は、今の段階では「やります、やります」と小出しにして、本腰を入れるのは株価が下げ止まってからだということを認識してください。

その際にやるのは、具体的には利下げと金融緩和になります。

利下げは金利の引き下げですので、金には強気材料です。

金融緩和は通貨の供給量を増やすことですから、供給過多になり、結果として金の価格は上昇材料になります。

簡単に言えばドル安ということです。

つまり、株価が下げ止まり、続いて各国の中央銀行が利下げを行い、金融緩和を実施すれば、金の価格は上昇します。

金の買い時

金価格の動向は簡単にわかるが、本気で考えなければ理解はできない

今は暴落していますが、株価の急落が止まれば、金の価格も下げ止まります。

緩和や利下げを行ったことを確認してから金を買えばいいだけの話です。

非常に簡単なことだと思うのですが、いかがでしょうか?

「わからない」という方は、余計なことを考えるから理解できないのです。

ドルの動向と金利の動向だけに焦点を絞れば、誰でもわかります。

特に金の投資を本気で考えている人にとっては本気で考えるでしょうが、傍観している人は本気で考えないものです。