新型コロナウイルスでも金が下がらない理由

金の価格決定要因

新型コロナウイルスによってリスク回避が起こり、結果として金の価格が下がるというのが当サイトの説明でした。

ところがその傾向が待てど暮らせど一切来ない…。

今回はその理由と、今後の展望を説明していきます。

金の価格決定要因は、

① 基軸通貨であるドルの上下動
② ドル金利

と何度も説明してきました。

金の価格変動はこの2点だけを見ておけばよく、予測通りに動かなければ、この2つで検証すればよいのです。

①ドルの上下動の検証

下記はアメリカの実効為替レート、すなわちドルの上下動になります。

新型コロナウイルスが問題視されたのは1月の上旬からで、本格的に問題になったのは、1月23日からスタートした春節の前後からになります。

ドルが下落をすると金の価格は上昇します。

年初から金が高騰したのは、ドルの下落が原因ということがおわかりになるでしょう。

すなわち、年初の新値更新劇はドルの下落によって始まっていると考えられます。

このドル下落の要因は、トランプ大統領の「ドルは高すぎる」発言からスタートしているのは言うまでもありません。

だから金が新値をとった、ということになるのでしょう。

しかし、コロナウイルスが発覚してからはドルはリスク回避で上昇しているのです。

つまり、金価格は下がるはずなのに下がらない、「なぜか!?」という疑問が起こります。

だったら、要因②に原因があると考えればいいのです。

②金利の上下動の検証

下記は、いつものアメリカ10年債ではなく1年債の利回りになります。

FRBは先月の決定において、金利を据え置き、短期金利への介入を止める決定を下しました。

しかし、そもそも金利を去年引き下げ続けた主な要因は、市場金利と政策誘導目標金利が乖離していたことにあります。

現在の誘導目標が1.5〜1.575になりますので、現状の金利1.48は明らかに乖離してしまっているのです。

これは何を意味するのかといえば、次回のFOMCにて誘導目標金利を引き下げて1.475-1.5に変更する可能性が極めて濃厚になります。

つまり、金利面では金は、価格が高騰する面を内包しているのです。

今後、FRBが利下げを行う可能性を秘めているのです。

今後の展望

今後、コロナウイルスの被害が拡大するか否かが金の下落のキーになります。

下記のシンガポールの実効為替レートをご覧ください。

コロナウイルスの被害によって上記のような形になっています。

シンガポールは貿易や金融で儲かっている側面もありますが、実は観光収入も大きいのです。

この観光収入の激減によって、GDPが下方修正され、結果として国力も落ちています。

それにしてもひどい下落です。

ただ、都合のよい情報ばかりだと公平性を欠きますので、香港も掲載しておきます。

去年の市民デモ問題はどこに行ったんだよ、と思わずツッコミたくなります。

香港だって、おそらく中国人の流入が制限によって観光収入が減るのは当然なのに、新値付近です。

このように市場の評価は、コロナウイルスの被害がマチマチです。

日本は週末にGDPの発表になりますが、黒田日銀総裁が「マイナスになるだろう」と言っているのに株価は高値追いの状態です。

意味がわからない、というのが本音になります。

このコロナウイルスの影響は確実にあるはずなのに、マーケットが勘違いをしている可能性が高いとだけ言っておきます。

すなわち、下落リスクはまだ存在するということです。