そろそろマーケット全般に注意をしなければならない

米中合意第一段階の中身

2020年の年初はイラン問題からスタートし、「低迷からのスタートか?」と思わせましたが、米中合意の第一段階が妥結したことを受け、1月20日現在楽観が支配しているように見受けられます。

しかし、日経平均もアメリカの株価も高すぎる水準であり、これに近々に調整が入ると思われます。

米中は合意に達したと言われているが…

米中合意、一応双方が納得する内容にて妥結をしたということになっていますが、実は中身は何もありません。

アメリカの中国に対する関税制裁は4回に分けて行われましたが、そのうちの2019年9月に履行された4回目の関税制裁を緩和するという内容になります。

この関税制裁は4回あって、最後に課された4回目だけを緩和するのであり、今回の合意では1〜3回目の関税制裁は解消されていません。

そして、4回目の制裁に関しては15%の関税制裁を2月中旬くらいまでに半分の7.5%にするという内容です。

つまり、アメリカの制裁は全体で3700億ドルに達しますが、そのうちの1200億ドルしか緩和されていないのが実態になります。

しかも、その1200億ドルはすべて破棄ではなく関税を半分にするものです。

要するにアメリカの制裁は何ら変わっていないと言えます。

アメリカの一方的な勝利

貿易戦争の勝者はアメリカのトランプ

この内容を受けて、市場が先行きに楽観見通しを予測し、上伸するのはマーケットに携わる関係者が何もこの合意内容を理解していないことを意味します。

そのほか中国の自主的な合意として、アメリカからの輸入を拡大することを約束しています。

その規模は2000億ドル相当であり、1年目(2020年)が770億ドル相当、2年目が残りということです。

この中国の輸入拡大をするためには、中国がアメリカに課した報復関税を緩和する必要があり、結果としてアメリカの中国に対する一方的な勝利になると思います。

今後の米中の見通し

米中貿易戦争は今後どうなる?

見通しですが、合意なのですからアメリカは課された関税の縮減は必ず行うでしょう。

しかし、中国はできもしない輸入量拡大を約束しています。

これは努力義務であり、必ずやらなければいけないというものではありません。

そして、今回の合意の附則として年2回、米国側はUSTR、中国側は副首相を窓口として交渉を行うと明記されています。

ただ、アメリカは2月以降には大統領選挙になっていきますので、中国との貿易交渉は進展しないでしょう。

全体を見て、米中貿易交渉の第一回目の内容は、必ずやることはアメリカの関税緩和だけであって、ほかは何も決まっていません。

これを受けてマーケット、特に株式相場が楽観するなんてことはあり得ないのに、これを材料に専門家と称する連中は株や金などを買わせているのです。

高すぎる米国株式

新値を更新したアメリカ株式

アメリカは、何度も言いますが絶好調です。

去年、一昨年の金利の高騰によって、株式相場が大きく停滞した一方、株式は新値を更新してしまいました。

アメリカの好調の背景は好調な個人消費であり、結果としてアメリカ経済は好調だったのです。

一昨年まではアメリカの企業業績がよかったことによってアメリカ経済がけん引されたのですが、去年の場合は金利が高いことによって個人消費が堅調になりました。

ゆえに去年、今年の年初に株価が新高値を迎えるのはおかしな話です。

株価とは企業業績の集積であり、その企業業績が高金利によってよくなるわけがないのに新値を更新してしまいました。

ファンダメンタルズから計算すると、米国株式の適正な高値は28,200ドル相当であり、現在は29,000ドルを下回る程度の株価です。

すなわち800ドルほど高い状態にあり、この高すぎる部分はいずれ修正されます。

総合的に見て

同じ5%でも元の数字次第で大きな差が出る

米中合意は中身がないのに買われてしまい、そもそも、その株価は高すぎるものをさらに買ってしまったのが現状のマーケットです。

単純な計算として、800ドル買われ過ぎてしまったものは、28,200ドルの適正な値段まで売られるのが普通ですが、通常は800ドル買われ過ぎたのであれば、800ドル売られ過ぎるものです。

つまり、27,400ドルくらいまで下がる可能性があります。

現在の株価が29,000ドルとすれば、1,600ドルは5.5%程度の下落になります。

通常急落というと10%、すなわち3,000ドルくらいの急落が期待できるのですが、今回、世界経済が好調ですので、5%程度で済むだろうという話です。

ただ、株価が10,000ドルのときの5%と30,000ドル近いときの5%は金額が違います。

それを同じ5%だと言い張る株式専門家は非常に多いのですが、損金というのはパーセントで評価されるのではなく、金額で評価されるものです。

10,000ドルのときの5%は500ドルですが、30,000ドルでは1,500ドルになります。

同じパーセンテージでも損金の額は3倍になるということに、留意したほうがよいということです。

損金は株価が10,000ドルのときに15%程度の急落に相当をするということです。

これは5%で大したことがない、ということではないということです。

金の場合

金は?

金の場合、現在金利の上下動に合わせて値段が動いています。

株価が急落をした場合、当初は、投資家のほとんどは、リスク市場(株式市場や為替市場、貴金属市場などを指す)に置いている資金を一斉に現金化する動きになるのが常です。

つまり、金に投入されている資金も急速に現金化の流れを受けて、値段は急落するのが一般的になります。

そして、市場が落ち着いてくると、急落中から債券の投資家は、株式から債券に資金をシフトします。

すなわち、債券が買われるということは、金利が低下することになります。

金利の低下は金の格好の買い材料となり、株式の急落に合わせて、金の価格も急落した場合、たいていその金の価格は反転します。

理由は金利も低下するからです。

金利が低下するのを見計らって、金を買うのが良いでしょう。

今回、株価が急落するかどうかはわかりませんが、その可能性は非常に高いということです。

もし急落しなくても、いずれどこかで大きく下がることでしょう。

その際に、この金の関する記述を参考にしてみてください。

株価の急落は近いでしょう。