パラジウム2020年の価格について

金と白金の需給

白金、プラチナに関しては、2020年も期待できないと記しましたが、金やパラジウムに関しては大きな期待が持てます。

今回はパラジウムに関して記します。

プラチナの原石

年間約6,000トンの需要がある白金は、年々リサイクルが活用されています。

その量は約2,000トンであり、リサイクル量は5%ほど増えてきています。

需要が年3%程度しか伸びませんので、供給過多の状態が続き、価格は下がるべくして下がっているのが実態です。

よく白金と金の比差が言われますが、金銀の比差には歴史的な経緯があっても、白金と金の比差には歴的な根拠がありません。

金に関しては、フリードマンが1984年に発表した論文によると、ドルと自国通貨の連動を防ぐためには、金の保有量拡大することによって経済へのダメージを防ぐことができることが証明されています。

ゆえに現在、新興国で金の保有を拡大している中国、ロシア、インド、トルコなどは今後も金を買い増していくでしょう。

そういう理由で金の需要は今後も上伸し、価格も上伸していくことでしょう。

パラジウムの需給

パラジウムの原石

パラジウムに関しては、車への触媒需要が年に3%程度需要増が過去に行われ、今後も伸びていくことになるでしょう。

対して白金は年に1%も伸びておらず、需要の差は今後も拡大していくことでしょう。

さらに白金はリサイクルが需要全体の3割を占めているのに対して、パラジウムのリサイクルはほとんど統計として確認されておらず、世界で需要されるパラジウムの需要は、ほとんど新産のパラジウムが新産であることも、パラジウムの価格を押し上げています。

白金とパラジウムの差

南アフリカのヨハネスブルグにおけるプラチナおよびパラジウムの採掘

上記の説明でもわかるように、白金とパラジウムの最大の差とは「リサイクル」にあり、そのリサイクルの利用促進が見られない限り、パラジウムの価格は上昇していくでしょう。

白金の価格高騰によって、リーマンショック以降にリサイクルが進行していきましたが、パラジウムに関してはリサイクルがまだ進行していない状態です。

つまり、今後価格を押し下げる方向性の可能性として考え得るものは、リサイクルがカギとなってきます。

パラジウムの代替需要

白金の代替物となろうとしている炭

白金の自動車の触媒需要は、価格の高騰によって炭素に取って代わられようとしていますが、パラジウムの代替需要はまだ進んでいません。

今年に限って、その代用商品がもしかしたら発見される可能性はありますが、実用化は今年に限った話ではないでしょう。

ただし、パラジウムに代替できる商品の発見は価格が高騰していることもあり、マーケットに甚大な影響を与えることになります。

しかし、その下押し圧力は一時的で、全体の需要が凹むことなく、供給も増えることもありませんので、価格は時間を経過すればまだ高騰することになるでしょう。

さらに去年はこの問題にも触れましたが、投資需要もパラジウムの場合、年々凹んできており、価格がピークになったころに一気に市場に放出されて価格が天井を迎える可能性も少ないということが言えます。

こうやって見ていくと、白金は需要が増えてもリサイクルや新産の供給によって価格は抑えられますが、パラジウムの場合、需要は増え供給は横ばい、さら代替商品の開発も見込めず、投資需要の放出も年々減っている状況では、価格を抑え込むような状況にないのが現状です。

さまざまな今年の金銀白金パラジウムの予測を見ましたが、どれもこれも根本的な需給構造を間違えており、見るのに値しないというのが素直な感想です。

環境問題からも

公害で汚染された北京の空気

今年の世界景気、特にアメリカの景気が絶好調になる可能性が高く、それは5〜6月以降に大きく拡大する可能性が高いです。

よく中国の自動車販売が2年連続の減少によって白金、パラジウム価格が押し下げられるという予測があります。

しかし、中国で売れなくても、成長著しい東南アジア各国で自動車需要、特に自然環境にやさしい車の開発や導入は喫緊の課題です。

車の場合はエンジンの環境性能と、その動力である燃料油の環境性能の二種類の性能の良化という側面があります。

いずれにおいても、北京の排ガスを見れば明らかなように、中国の環境技術はいまだに後進国レベルにあり、その場合、日本の環境技術が大きく注目されるでしょう。

もちろん、ライバルであるドイツの環境技術競争になってくると思われます。

ただ、ドイツの環境問題はヒステリックとしか言いようがなく、ドイツの不遜な態度も貴金属の問題ではないのですが世界から警戒され、それほど大きな経済復興を期待しなくてもいいと考えています。

今年は値段が倍以上になる可能性あり

今年はダブルプライス!?

以上からおわかりかと思いますが、パラジウムの価格は今年も期待ができるということです。

価格面で考えれば、おそらく今年は値段が倍以上になる可能性があり、年中央から後半にかけて望むことができると考えています。

高騰も3年以上続いており、そろそろと思う側面もあります。

今年は警戒する場面に来ている、ということも念頭に置かなければいけません。

ただし、安いところで買っている人たちは、天井を確認してから手仕舞い、売却を検討すればよいだけの話です。

決して世間が天井だと騒いだときに売却していけません。

たいていの場合、世間が言うことは間違いであり、その場合、需給構造の変化や新産パラジウムのロシアの経済情勢や供給体制をよく確認してから、売却を検討することが重要です。

何度も言いますが、今年はその可能性が低いと思います。