債券バブル時代の到来と崩壊

貴金属,相場関連

現在の金利状況

アメリカの利下げが話題となっていますが、今回は、今後、来るであろう債券バブルとその崩壊に関しての解説を行います。

ご存知のように、金の価格は、現在はドルの上下動ではなく金利の上下動に左右されています。

すなわち、この債券のバブルと崩壊は、金の価格にも相応の影響を与えることになるのです。

上記は、過去100年にわたるアメリカ国債10年物利回りの推移です。

今の金利の低下は、歴史的な安値水準にあることがわかります。

債券価格の推移

金利と反相関の関係にある債券価格は以下のようになっています。

こちらは、1999年からアメリカ国債10年物価格です。

見比べにくいと思いますが、債券利回りと価格は逆相関の関係になっています。

すなわち、金利が上がれば債券価格は下がり、金利が下がれば債券価格は上昇するという関係です。

表題の債権バブルとは、債券価格のことを指しており、利回りが過去100年において最低なのですから、反対に債券価格は過去最高値ということになります。

この最高値の状態がいつまでも続くというわけにはいきません。

水が高いところから低いところに流れるという自然の摂理の通り、高すぎるものはいつか修正されて安くなるものです。

時代の背景

第一次世界大戦後のインフレ期のドイツで発行された紙幣の部分拡大

なぜ、金利はこれまで安くなってしまったのでしょうか?

第一次世界大戦後のドイツでは、戦時賠償の支払いからひどいインフレになってしまったことを義務教育で学習しているでしょう。

これは、ドイツ政府が戦時賠償金を支払うために紙幣を印刷しすぎたので、相対的にお金の価値が下がったためです。

この状態を経済学ではインフレと言います。

ヨーロッパやアメリカの第二次大戦後の経済は、常にインフレとの闘いでした。

その体制は、特に現代ヨーロッパでも中央銀行(ECB)の政策に受け継がれています。

インフレが起こるということは、要するにお金があり余り、商品やモノなどの物資が不足している状態が呼び起こしています。

第二次大戦後の日本でも闇市が流行ったのは、商品の供給が需要を満たすことがなかったからです。

需給の問題で、供給が需要に追い付かないからインフレが発生します。

戦後の日米関係の根本

1945年8月9日、長崎上空を覆う巨大なきのこ雲。太平洋戦争において日本は完膚なきまでにアメリカに叩きのめされた

このドイツの悲しい反省をもとに、欧米では第二次大戦での戦時賠償を放棄しました。

理由は、ドイツが戦時賠償の支払いの苦境によって、再び世界大戦を引き起こしたことから、敗戦国である日本は、アメリカに戦時賠償を支払わなくてもよいことになったのです。

蛇足ですが、これだけの恩義を受けておきながらも「アメリカはけしからん」「アメリカは日本の国益を奪ってばかりいる」「沖縄や米軍基地の兵士は厄介ごとばかり起こしている」という批判は、歴史を振り返れば、ある程度やむを得ないものだと考えられます。

アメリカに特赦を与えてもらった恩義も感じず、批判ばかりして、アメリカの兵士が変な事件ばかり起こすのは必然ではないでしょうか。

のほほんとアメリカ軍に守ってもらい、自分の命は保証され、戦場に出る兵士は常に命の危険にさらされ、不条理は断然にアメリカ側が感じるものです。

相手の立場になって考えれば、アメリカ軍兵士は怒って当然と言えます。

産業革命の時代からIT革命の時代へ

リコーのカメラの1964年の東京オリンピックモデル。戦後20年足らずで日本は復興を遂げ、オリンピックを開催

第二次世界大戦後の世界経済とは、総供給という物資不足から、インフレが起こることを避けようとした経済でした。

ところが、21世紀初頭から世界でインターネット革命が起こっています。

それ以前の世界は、17世紀にイギリスで誕生した産業革命の時代です。

産業革命によって、小国イギリスは世界の覇権を握り、7つの海を制しました。

産業革命によって工業化が起こった結果、国が豊かになったのです。

日本も戦後、ズタボロになった国土が工業化によってこれだけ豊かになりました。

中国も同様に工業化によって豊かになっています。

総供給を増やすことによって飢えや貧困を解消したのです。

しかし、21世紀の社会では、総供給はあり余るほどに生産することができ、逆にその生産に対して、需要が追いつかないという時代になりました。

要約すると、20世紀は総需要をどうやって絞るのかの時代、21世紀は総供給をどうやって絞るかの時代に変化します。

経済学者や各国政府の考え違い

大量生産で世界価格を破壊し、市場を牛耳ったのが中国製太陽光パネル

しかしながら、各国の政治家や経済学者たちは、いまだに20世紀のように物資が足りなくて飢えや貧困、そしてインフレが世界の問題だという認識に立っています。

実際は、モノの生産を増やそうと思えば、いくらでも増やせる時代です。

皆さんが取り組んでいる金や貴金属などのような、自然由来の物資は数に限りがあります。

工業製品に関しては、家電やPC、スマホなどは作ろうと思えばいくらでも作れるものなのです。

その代表例が中国であって、トランプ政権の中国への制裁第一号は、太陽光パネルがスタートになります。

この太陽光パネル、中国が廉価で輸出し過ぎたためにオバマ政権でのグリーンニューディールの失敗になったのです。

アメリカ国内でバタバタと太陽光パネル製造業者がつぶれました。

このように中国は、価格勝負で作り過ぎてしまい、結果として供給過剰となり、価格破壊が進行しています。

代表的なものは鉄鋼やアルミです。

現代世界経済に与える処方箋

20世紀は、総供給を拡大しようとしても日本を筆頭に成長していたので、作っても作っても生産が足りない状態だったのが、21世紀は作っても買う人が極端に少ないという状態に陥っています。

時代が完全に変わっているのに、各国政府のやっていることは相も変わらず、インフレをどうやって抑えるかの議論ばかりです。

こんな政策をやっていても、いつになっても世界経済や日本経済はよくはならないのに、従前の考えを一切変えようとしないから、いつまでも生活が豊かになったような実感がわかないのです。

この処方箋は簡単で、方法は2つしかありません。

① 総供給を絞る
② 総需要を拡大する

日本では働き方改革なんて言っていますが、この政策は①と②の政策どちらでもありません。

上記の処方せん①と真逆のことをやっています。

働き方改革をやって、もっと総供給を拡大しようとしているのですから、間違っているのです。

供給を拡大しても購買力がないから問題になっているのに、さらに供給を拡大しようとしているのですから失敗するでしょう。

金利との関係

現在は、商品があり余っている時代

金利というものは、お金の貸し借りによって発生するものです。

そのお金が不足しているから、お金の総供給を増やした結果が第一次世界大戦後のドイツになります。

お金の供給を需要以上に増やせば、お金の価値は減るのですから相対的に商品やモノの価値は上昇します。

これがインフレという現象です。

ところが、現代社会では、ドイツが野放図にお金を擦り続けた結果、インフレが発生したので、世界的にお金を野放図に印刷することは禁止されています。

これで20世紀はある程度、うまく世界経済が回りました。

21世紀は時代が変わり、供給が滞ることはほとんどなくなり、需要が足りなくなっています。

しかし、現在の政治がやっていることは、アベノミクスやアメリカのQEに代表されるように、お金の供給を増やしても経済がよくならないと騒いでいるのです。

お金をいっぱい発行しても需要がないのだから、経済がよくならなくて当たり前です。

常態的にお金があり余っているのですから、お金の価値は低下し、その上にお金の供給は増えているのですから、金利が低下するのが当然です。

金利は商品、モノの需給がひっ迫しているから上昇するものです。

でも、現在は、商品があり余っているのですから金利が低下するのが当然です。

今の政府はやっていることがアベコベ

10月1日から消費税率が基本10%になった

本来は、お金の供給を減らし、需要を拡大しなければいけないのに、政府は消費増税に代表されるように、需要を削減することばかりに神経を注いでいます。

アメリカでも日本でも法人税を減税していますが、供給サイドを潤して、さらに供給過剰にしているのですから、経済が回らなくて当然です。

この処方せんは非常に簡単なことで、供給を絞り、需要を底上げするほかないのに、やっていることがアベコベなのです。

供給が常に需要を上回っている状態なのですから、資金の需要はありません。

資金の需要がなければ金利は下がるのが当然です。

20世紀は需要に供給が追いつかないから、生産を拡大するために資金需要が起こったから金利が高かったのです。

その間違いに気づいた男がトランプ

世界に対してシャウトしまくるトランプ

その間違いに気づいているのが、トランプ大統領です。

やっていることは、すべての世界常識をひっくり返すことなので嫌われていますが、問題の根幹をきちんと捉えています。

要するに中国やドイツ、韓国などのように自国に需要がないのを放置し、その「需要を海外に求めることをいい加減にやめよ」と言っているのにすぎません。

自国の消費を保護するのには、その「貿易の拡大を自制できる範囲にせよ」と言っているのです。

「自由貿易を錦の御旗のように振るうことはやめなさい」と言っています。

自由貿易は生産の拡大を余計に刺激し、余計に生産過剰を招くと言っているのにすぎません。

そして、商品やモノが不足してもいないのに、「FRBが金利を上げるのは間違いだ」と吠えています。

資金需要がないのに金利を上げるのは間違いだということは、上記の説明を読めば明らかです。

ドイツと韓国のデフォルトに注意!

2019年9月、ソウルで行われた反ムン・ジェインデモ。ことあるごとにデモが起きる韓国

今後もトランプ大統領は、「金利を下げろ」とFRBに迫り続けることでしょう。

極端な話、おそらく「マイナス金利にまでしろ」とまで言うでしょう。

では、債券の保有者は、金利を目当てに債券を保有しています。

価格面ではメリットがありますが、金利面では毎年、元本を失うことになりますので、保有者は極端に減ることになります。

政府が借金まみれという状態が、エクイティーが金利が低くなればばるほど、債券投資をする人が少なくなるだけの話です。

すると、政府が借金をしようとする際、資金が集まらない状態になり、先進国政府のデフォルトがどこかで起こると言っているのです。

その対象は韓国、ドイツでしょう。

なぜなら、海外需要に依存しすぎているからです。

海外の需要に依存をし過ぎると、結局、貧富の差が拡大し、近年、ドイツや韓国では政治的なデモが多発してますます国内が不安定化するのです。

そういう政府に投資家がお金を貸したがるかと言えば、誰も腰が半分引けたような態度を取り続けることでしょう。

つまり、今後10年間は韓国、ドイツのデフォルトに注意しなければなりません。

債券はもはや危険な投資

韓国とドイツの未来は相当暗い

恒常的にマイナス金利になっているドイツ国債に、誰が投資をするのでしょう。

バブル末期にはとんでも理論が出るもので、MMTなどはその典型です。

お金借り放題という理論ですが、貸してくれる人がいなくなれば、政府はつぶれるという認識がないままやっています。

世界一安全な債券投資ですが、債券投資には銀行預金も含まれるのですが、もはや危険な投資となっているのが現状です。

その前にアメリカの金利がもっと安くなることを危険視しなければいけません。

11月に金価格はピークを付けると思いますが、再び高騰する可能性のほうが高いということです。

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