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韓国問題はなぜこれだけこじれるのか?

問題のきっかけとなった判決

日韓関係はこじれにこじれており、そもそも何が問題なのかと素朴な疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

今回はその疑問を解消していきたいと思います。

清州の清南大に立つ、日韓基本条約とともに日韓請求権協定の批准に尽力した朴正煕元大統領

2012年10月24日、韓国の光州地裁である判決が出ました。

日本の植民地下で徴用され、三菱重工業など軍需工場で働かせられていた韓国人女性とその遺族ら5人が、未払い賃金や慰謝料を求めて提訴した判決です。

この女性たちは、2008年に日本でも法廷闘争に踏み切り、最高裁で敗訴が決定していました。

今回は、韓国国内で未払いの賃金や慰謝料を請求したのです。

日本の最高裁の判決の論拠は、1965年の日韓請求権協定によって最終的、不可逆的に決定されたという協定の一文が有効であるとの判断です。

日韓請求権協定での両国の合意とは、お互いの戦争での賠償責任を放棄する、その代わり、日本は無償で3億ドル、有償で2億ドルの援助を決定し、これで戦時賠償の決着はついたというのが日本の見解です。

ここには、徴用工の問題は韓国側も含んでいると文書に記してあり、公式見解になっています。

いわゆる「従軍慰安婦」問題のそもそも

2019年8月10日に光州市で行われた反日デモに登場した巨大慰安婦像

いわゆる「従軍慰安婦」問題は、日韓請求権協定締結時には発覚しておらず、韓国側の主張は、協定の賠償の中には含まれていないから保証を求めるというものです。

そもそも、1965年の日韓請求権協定によって、戦時賠償を一切求めないと両国で決定しているのに、日本人からすれば「何を今さら」という感は否めません。

ただし、「従軍慰安婦」は、募集経緯が非人道的ということで、「河野談話」にて深く謝罪しています。

請求権協定では、賠償責任はお互いに放棄されていたので、賠償は法的論拠がなく、日本政府としては応じることができないというのが当然の対応です。

しかし、人権を蹂躙した暴挙であったことは想像に難くなく、日韓議員連盟の会長である竹下登元首相が音頭を取り、日本国内で寄付金を集め、被害者たちに200万円を配布することを決定しました。

これは韓国に限らず、広く台湾やベトナムなどの人にも配布されたのですが、韓国ではこれを日本の戦時賠償ではないという理由から、受け取らない人たちが出てきたのです。

悪態をついて日本の苦肉の策を拒んだ文政権

国際法的にも、また日韓関係の大前提である取り決め的にも、逸脱行為を繰り返すムン・ジェイン大統領

今回は、安倍首相が音頭をとって従軍慰安婦問題基金を創設し、10億円を出資しましたが、文政権の一方的な破棄により基金は今年、解散しています。

理由は、基金の資金が戦時賠償という性格のものでなく、日本政府の寄付というかたちで行われたからです。

韓国政府は、日韓請求権協定でお互いの戦時賠償を求めないと約束したことを、反故にすることを求めています。

日本政府の立場としては、日韓請求権協定の中で戦時賠償の放棄を謳っているのですから、賠償責任を負うのは、会社であれば株主代表訴訟のリスクを負うようなことになるので、応じることはできません。

法的な根拠がないことを、日本政府は約束することができないので、竹下元首相は寄付金というかたちで行い、安倍首相も朴槿恵政権時に同様の形式で行ったのですが、言い方は悪いのですが、韓国側は悪態をついて拒否しました。

韓国がそういう行為をするのならば、日本が終戦時に韓国国内に置いてきた資産についても請求すべきという声は当然ですが、やっていることが韓国と同レベルであれば、日本人として見っともないと思うのが普通でしょう。

請求権協定と矛盾する韓国側の論拠

2012年10月に光州地裁でこのような判決が出たのには、韓国的には一応のエビデンスがあります。

韓国の最高裁が2012年5月、国家間の賠償は解決済みだが、個人の賠償は有効という法的根拠を示したことから、光州地裁での法廷闘争を選んだ結果です。

この判決が2012年10月に出たことから、韓国の世論が盛り上がりました。

2012年5月の韓国最高裁が決定した論拠は、

① 日本は朝鮮半島の支配は合法という判断のもとに徴用工問題を論じている
② 日韓請求権協定に明記された賠償は個人の非人道的行為はこの戦時賠償には含まれていない
③ 時効は成立していない

この判決が契機となって、韓国国内で徴用工問題が提訴されています。

それらの裁判が次々に提訴され、最高裁の判決が今年になって相次いで最終結審が出ているのです。

ただし、日韓請求権協定では同時にこう謳っています。

日韓当事者同士で問題が発生した場合は、

① 当事国は問題解決に当たる
② それでもまとまらない場合には両国の交渉にて解決を図る
③ それでも未解決の場合には第三国の仲介して解決を図る

韓国最高裁判決の本当の意味合い

韓国最高裁の判決は本来は韓国政府に対して解決に向けて真剣に取り組むようにという勧告の意味合いの方が強い

最高裁の判決は、韓国政府の従軍慰安婦や徴用工の問題について怠慢を指摘したものであり、つまり韓国政府がこの問題を常に先送りしてきたことに対する懲戒のような性格でした。

この判決が出たのが2012年、すでに今年は2019年ですから、問題が一切解決していないことについて、韓国の最高裁から政府に解決を促す意味合いが大きいのです。

徴用工の問題では、三菱重工やJFEホールディングスなどが被告になりますが、本来は韓国政府に対して解決に向けて真剣に取り組むようにという勧告の意味合いの方が強いのです。

しかし、韓国政府は今に至るまで解決の方向性を示しておらず、日本政府の外交関係者、ひいては安倍首相の怒りを買っています。

日韓関係を複雑にしたそもそもの人物

タイのバンコクでマダムタッソー蝋人形館で展示されている李明博の蝋人形

実は、この従軍慰安婦問題には伏線があり、これをより一層複雑にした韓国側の人物がいます。

韓国は李明博、朴槿恵という保守系の大統領が2代続けて政権を取りました。

両政権とも親米的であり、北朝鮮との宥和はあまり意識していませんでした。

一方、現在の文政権は革新で北朝鮮との宥和に積極的です。

韓国では、保守系のときは北朝鮮との関係が関係悪化し、革新系のときは宥和的になる傾向があります。

問題は今から2代前の李明博にあったのです。

対北政策でことごとく失敗した李政権

2010年11月23日の北朝鮮の砲撃により消失した延坪島の民家

李明博政権は北朝鮮に対して非常に敵対的でした。

その前の盧武鉉大統領が太陽政策をとっていたのは聞いたことがある方は多いでしょうが、李明博は、与えても何も約束を守らない北朝鮮に対して、援助を凍結すると宣言したのです。

この論拠は1992年に南北共同宣言で出した、朝鮮半島の非核化宣言になります。

朝鮮半島から核を失くそうという共同宣言なのに、北朝鮮は核不拡散条約から撤退したり、また6ヵ国協議の賜物である軽水炉支援と重油支援を反故にするウラン濃縮活動を行っていました。

北朝鮮が全く約束を守っていないことを背景に、李明博は「北朝鮮は核を放棄してから交渉に応じる」としたのです。

北朝鮮の反発は非常に大きく、板門店での銃撃戦や韓国潜水艦の撃沈など大きな問題を引き起こしました。

李明博は北朝鮮との安全保障政策に完全に失敗したのです。

欲望から狂ったことを始めた李明博

当時の内閣総理大臣で、のちに自民党の政権奪還を許すこととなった野田毅

政権末期とはいえ、歴史に名を残したい李大統領は、欲望から狂った行動に走りました。

安全保障での失政から国民の目をそらすための竹島への強行上陸です。

これが日韓関係を悪化させた最初にして最大の要因です。

また、その際、天皇陛下(現上皇陛下)を口汚くののしった挙げ句、「日本の国際影響力は低下した」などと日本を刺激することばかり発言し、関係を最悪にしました。

その際に韓国の最高裁では、徴用工問題は違反で、政府に解決に向けての努力を課したのですが、日本政府は、韓国政府による親書受取拒否等々数々の無礼千万を受けて、一切相手にせずに韓国の国内問題と切り捨てたのです。

当時は民主党の野田内閣であり、同時に中国とも尖閣問題を巡って争っていました。

しかし、いつまで争っていても両国に何のメリットもなく、日本はご存知のように自民党が復権して安倍さんが首相に、韓国では初の女性大統領に朴槿恵が就任したのです。

GSOMIAと慰安婦の関係

就任直後、慰安婦問題の蒸し返しや告げ口外交を展開するも、後に安倍首相との間に慰安婦合意を成立させた

安倍首相・朴大統領の下、関係改善が図られ、先述の、日本が一方的に出資する日韓の従軍慰安婦基金が設立されました。

その際、日本政府は、一方的に資金を拠出することに不満を述べ、韓国との間に自由貿易協定であるEPAと、GSOMIAという安全保障協定を締結したのです。

つまりGSOMIAは、従軍慰安婦問題と交換で成立した協定なので、従軍慰安婦問題基金を現政権を拒否したのであれば、GSOMIAも破棄するという韓国政府の意趣返しとも言えます。

GSOMIA締結に際して、韓国国内で当時の野党である革新系政党や世論からも、「植民地支配を行った日本と安全保障の協定を結ぶのはもってのほか」という声が生まれ、一時は決裂の可能性もありました。

日本の外交、安全保障関係者が今回のGSOMIA破棄の一報を聞いて「常軌を逸した行動」と一様に評したのにはこういった理由があります。

また、一度破棄すれば、再びこのような協定を結ぶのは韓国の世論や革新系議員の反対によって、ほぼ不可能と理解していることも背景にあります。

GSOMIAを正式に破棄すれば、おそらくこのような協定は現状では二度と結ばれることはないでしょう。

植民地支配を行った日本と協定を結ぶ革新系政権などあり得ないからです。

根拠もないのに言い張り続けている

安倍首相は文政権に一貫して国際法違反状態を是正するよう訴えている

日韓請求協定の締結時に、韓国政府は、この請求の中には原爆被害者、従軍慰安婦、サハリン在留韓国人の問題は含まれないとしている公式見解があり、日本政府もそれに配慮した対応しています。

しかも、韓国政府は強制徴用工の問題が日本は無償で提供をした3億ドルの中に含まれるということを公式見解として発表しています。

つまり、韓国側には日本の民営企業に請求権を求めるエビデンスなどないのです。

それを解決するのが政府の役目ですが、解決のそぶりもなく、協議も拒否し、第三国への仲介もしないという摩訶不思議な対応をしているだけです。

それに対して安倍首相や外交、安全保障関係者は怒りを通り越して呆れているのが現状でしょう。

韓国による日本への報復は完全なWTO違反

曲がりなりにも明確な理由のある日本による韓国のホワイト国除外に対し、筋違いな日本製品ボイコットで応える韓国国民

今回の徴用工の問題は韓国に一方的な非があり、解決の義務があるのですが、日本政府も安全保障の問題を政治問題にすり替えて事実上の制裁を課したことは問題です。

もちろん、報復でホワイト国除外とすると明確なWTO違反となりますが、それとは関係なく表面上はホワイト国除外となっています。

明確に関係があると言っている政府関係者もおり、非公式ながらもその辺をどのようにWTOが判断するかの問題です。

韓国の日本への制裁は、完全に常軌を逸しており、日本が制裁したから報復したと公式見解として言っており、これは明確なWTO違反です。

つまり、違法性を問われます。

かつて中国が尖閣問題の際に、制裁として日本へのレアアースを禁輸とし、国際社会から政治と経済は別問題として扱うべき、中国はまだまだ大国としては未成熟と非難されたものです。

日本も法的論拠はしっかりしていても、やっていることは中国と一緒なので、あまりお行儀がよくないと言えなくもありません。

善意にすら行儀の悪い態度を取り続ける韓国

日本に対してことごとくお行儀の悪い態度で臨む韓国

過去に日本が「従軍慰安婦」問題の解決を図っているのにもかかわらず、韓国側が拒否するのは、戦時賠償として行えと言っているからになります。

もちろん、韓国は日本が要請に応える可能性はほとんどないとを知った上で、そういうお行儀の悪い態度をとっているのです。

戦時賠償は終わったという認識で、韓国政府の公式見解通り、原爆被害者、従軍慰安婦、サハリン抑留韓国人に対しては日本も配慮していますが、あくまでも人道上の処置として限りなくグレーに近いことですので、戦時補償という言葉を日本政府は言いません。

表面上の賠償責任を日本は負っていないからです。

そこでお見舞い金や寄付としてなら拠出はできると言っても、韓国はそれを拒否しているだけの話です。

ただし、韓国政府は、徴用工や従軍慰安婦問題を裁判所から解決するように促されているので、その努力をしなければいけません。

つまり、韓国の政策課題なのです。

日本には問題解決の義務はない

東京都千代田区に立つ日本の最高裁

日本の場合、一票の格差問題が最高裁で違憲と判断されていますが、いまだに解決されず、安倍首相ものらりくらりと状況を改善しているような状況です。

三権分立の発想では、司法は行政に介入できませんが、裁判所の提言は法律違反だと指摘しているのですから、履行する義務が行政にはあります。

つまり、韓国は従軍慰安婦や徴用工問題を解決しなければいけない事情があるのです。

しかし、日本にはその問題を解決する義務はありません。

従軍慰安婦問題は一方的に破棄され、徴用工の賠償は請求権協定と関係がないと韓国政府が言っていることを日本政府は重視しているだけです。

どちらにしろ、韓国は今後も徴用工、従軍慰安婦の問題を言い続けるほかないのです。

理由は裁判所が違憲と判断しているからです。

しかし、これは国内向けの裁判所の判断であり、当たり前ですが日本には適用されません。

日本政府は韓国が何を言ってきても相手にする理由はなく、放置というのが基本方針ですが、民間企業の資産が差し押さえになるのでは、黙っていられないというのが本音でしょう。

yuta5555

リファスタ・コラムの管理を担当しています。

金相場を中心に、金にまつわるさまざまなことをご紹介していきます。

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