金価格の動向を金利面から読む

貴金属,相場関連

金利の動向

金価格が急騰しています。

これは前回説明したように、アメリカの金利が低下していることに起因するものです。

FOMCを受けて金価格が急騰
ドル建て金価格と金利の関係 今回は、6月19日未明に発表されたFOMCの結果を受けて、金価格が急騰したことを解説していきます。 下記は、青い線がドル建て金価格、黒い線がアメリカ国債10年物利回りです。 今の金価格は、金...

今回は、金利面から今後の金価格はどうなるかという話をしてまいります。

以下のグラフは、アメリカ国債10年物利回り推移です。

参照元:TRADING ECONOMICS

金価格の第一の要因は、ドルの上下動によって決定されるということを以前説明しました。

しかし、昨今はドルの上下動があまりないので、金利によって金価格は動いていると言っても過言ではないでしょう。

今後の金価格は、金利動向によって決定される可能性が高いことになります。

もちろん、ドルの動向が本来の金価格の本義になりますので、ドルの動向も注視しながら、金利動向に重点を置いて観察しなければいけないということです。

金利の決定要因

金利の決定要因もだいぶ前にお話ししました。

主に3つに集約されます。

① ドルの動向
② 物価の動向
③ アメリカ政府の財政状況

このうち①に関しては昨今動きませんので、今回は考察の対象外とします。

③に関しては、アメリカは2018年年初から法人税減税を体系として大幅な減税を行っています。

アメリカ政府の税収が減りますので、結果として財政赤字が増えます。

財政赤字が増えれば、国の借金である国債の利回りは上昇する、つまり現在は上昇しなければいけないのが、逆に低下している状態です。

今回は、②の物価の動向について説明していきます。

2つの物価動向指標 -消費者物価指数とPCE価格-

消費者物価指数(CPI)は聞き覚えがあるが…

FRBは物価動向の指標として、PCE価格という指標を用いています。

このPCE価格と消費者物価指数、2つの指標の違いは、消費者物価指数が純然たる消費者サイドの物価動向であるのに対し、PCE価格は社会保険料(健康保険や年金など)や税金などの動向をも含めた物価動向であり、一般的には消費者物価指数よりも広範な物価動向を捉えることができる点です。

FRBは物価動向の基準としてPCE価格を採用しており、消費者物価指数はアメリカではあまり重視されません。

日本銀行や日本政府は、政策の判断ツールとして消費者物価指数を採用していますが、アメリカでは採用をされていない点を認識してください。

すなわち、アメリカで物価が上昇・下落しているという意味は、PCE価格の上昇・下落と同義になります。

よくニュースで物価が上昇・下降していると報道されていますが、日本の場合は消費者物価指数を指して言っているのです。

アメリカは物価が上がっている・下がっているの判断基準はPCEですが、ニュースを作成する人がPCEと消費者物価指数を混同していますので、正しいニュースになっていないという点は認識しておいたほうがよいでしょう。

実際のPCE価格の推移

肝心のPCE価格は以下のグラフの通りです。

参照元:TRADING ECONOMICS

今年の4月までのものしか発表されていませんが、税金や社会保険料を含めた物価は上昇しています。

本来、物価が上昇すれば金利も上昇しなければいけないはずなのに、現在、物価は上昇、金利は下降となっていることを「バブル」と言います。

バブルの一般的な定義は、経済状態を正しく反映していない状況を言うのですが、実に今の金利はバブル状況です。

バブルとはそもそも何か?

バブルと聞くと日本人は不動産や株価を思い浮かべるが…

バブルというと株価や不動産価格が高騰するというイメージになると思います。

現在起こっている状況とは、金利の急速な低下であり、下方向のバブルが起こっているのです。

つまり実態経済は、物価が上昇し、アメリカ政府の財政状態(上記の①と③)は金利が跳ね上がることを示しているのですが、実際は下降しているということです。

さらに②の物価動向とも本来なら上昇するはずなのに、金利は下降しています。

バブルの定義とは、経済状態が実態経済を反映をしていない状態を言うのですから、現在は「金利バブル」と言ってもおかしくない状況です。

バブルとは、実態の経済から乖離した状態を指すのですから、いつかはマーケットが経済の実態に戻ることになります。

マーケットが実態経済に即した値段、金利に戻ることをバブル崩壊というのです。

現在の金利バブル状態は、いつか崩壊するということです。

何を言っているかの解説

現在のアメリカは低金利バブル

上記の①から③までの金利変動要因に対して、現在、その金利状況は真逆の方向に行っています。

本来であれば金利は上昇するのが通常ですが、実際のマーケットが下がっているのです。

これが金利バブルと言っている状態です。

この金利の異常低下は、いつかは正常に戻ります。

現在の金価格は異常な低金利によって発生したものですから、その価格も金利バブルから発生する金価格の高騰ですので、いつかは急落すると言っているのです。

バブルはいつ崩壊するか?

バブルは必ず崩壊する

この命題は非常に難しく、日本の1990年代のバブルも崩壊することがわかっていれば、皆逃げることができて、被害も最小限に抑えられたわけです。

しかし、それ以降のドットコムバブルやリーマンショック前のバブル崩壊も、誰も予測できなかったのですから、その予測は困難になります。

ただ「7月に金は急落するよ」とずっと言っていた方針をひっくり返さないことです。

バブルの渦中にいる人は、その雰囲気に飲まれると、「この状態はおそらく永遠に続く」と錯覚します。

値段が狂乱状態になると、皆さんが余計に市場に参加しようとするのです。

始末の悪いことに、そのにわか金暴騰信者が買ってから値段はしばらく上がり続けます。

今まで金価格に見向きもしなくなった人、しかもついこの間買った人でも儲かってしまうのです。

ビットコインもそういう状態の中、「こんなもの終わっている」とお話ししたことを覚えている人も多いと思います。

逃げるタイミング

逃げるタイミングを逸してはならない

これからどういう状態になるかは非常に簡単です。

メディアはまだ金が高騰していると騒いでいない状態ですので、これが騒ぎ始めたら、一斉ににわか金信奉者が市場に参入し、結果として金価格は高騰します。

皆さんはおそらくすでに金を保有していると思いますので、そのときに逃げるタイミングを探すのです。

決して、金の買い増しなど行ってはいけません。

買ってもいいですけど、90%以上の人は失敗する帰結になります。

なぜならバブルというのは、信じられないほどの儲けが出る状態だから人々の記憶に焼き付くので、結果として、その人たちはこの状態が永遠に続くと勘違いをするものなのです。

魔の感覚

「バブルは永遠に続く」という悪魔に取り憑かれたかのような感覚から抜け出さなくてはならない

この永遠に続くという心理は、人間にとっては魔物のような感覚であり、この感覚にとらわれるとなかなか抜け出ることができません。

すなわち、もっと儲けたいという欲求に駆られて、「まだ大丈夫、大丈夫」と慎重に買っていたところ、おそらくあなたが永遠に上昇すると全財産に近い金額を買ったところが大天井で急落します。

今までに何度もバブル相場を言い当て、崩壊も予言しているということを勘案して、このアドバイスを読んだほうが賢明かと思います。

いつもこのパターンです、ビットコインのときもそうだったでしょ?

そして、崩壊したあとに気づくのです、永遠に続くなんてことはないのだなと…。

「あのときバカな感覚にならなければ…」といつも皆さん思うのです。

そう思うメンバーは、どのバブルでも違うのですが、やっていることはどのバブルも同じです。

バブルを構成しているメンバーは毎回違っても、起こっている現象はまるで写し鏡のように同じです。

バブル崩壊のサインは?

アメリカの物価が上昇し始めたらバブル崩壊のサイン

今回も、崩壊したらよく世の中を観察してみてください、同じことしか起こりません。

今回の原因ははっきりしています。

物価が上昇しているのに、金利が下がっているのです。

これが起こっている原因も、機会があればお話ししますが、アメリカの物価が上昇し始めたらバブル崩壊のサインです。

今回の場合は、すでに物価は上昇していますので、さらに上昇するのかがポイントになります。

つまり金の逃げ時は、物価の高騰が確認できれば逃げればよいだけの話です。

そのポイントはまた、経済統計が発表されたときに適宜解説していきます。

今は買う場面ではなく眺めている場面

仏のような心持ちで人の世の無常を観察すべし

パラジウムも同じ理由ですが、中国の動向が深く関与しますので、金とは少し違う動きになるかもしれません。

まだ金の価格は上昇するでしょうが、買う場面ではなく、眺めている場面です。

いつ崩落するかわからなくて怖いという方は、適当に見切りをつけて逃げておくことを推奨します。

メディアでこういう報道がされたと観察して、人がそれに対してどう思うのかを考えることが大事です。

多分買う人が過半だろうなと思ったら、相当ヤバい状況だと言えます。

折しもイラン情勢が緊迫しており、戦争は金の買いと何時代の話なのかはわかりませんが、いまだに信奉している人も多いでしょう。

参考までに、湾岸戦争では軍事衝突が始まった瞬間が金の高値になりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました