イラン情勢の緊迫化の原因はイスラエル情勢

貴金属,相場関連

そもそもの原因はイスラエル

ホルムズ海峡にて発生した日本船籍のタンカーへの攻撃で判明した、イラン情勢緊迫化について解説を行います。

また、このイラン情勢の緊迫化の期日についても解説したいと思います。

ユダヤ教の象徴である六芒星が中央に配されたイスラエルの国旗、通称・六芒星旗

そもそもの原因はイスラエルです。

イスラエルほど存在が矛盾している国はありませんし、また数々の国際法違反を犯している国もありません。

こんなことを書けば、イスラエル、ユダヤ人にマークされてしまうかもしれず、実際にアメリカ国内でユダヤ、イスラエル批判を行えば、厳重にイスラエル組織からマークされます。

ですので、できるだけ穏便な書き方をしていきます。

矛盾に満ちたイスラエルの建国

イギリスのロンドンでパレスチナの解放を主張するプラカードを抱える女性

イスラエルは、言わずと知れたユダヤ人国家です。

ヨーロッパ、ロシアなどで迫害されたユダヤ人は、サイクス・ピコ協定によってアラブの地に建国を果たします。

しかし、かの地に以前から居住しているパレスチナ人と大きな闘争になることは自明でした。

パレスチナ人を迫害、つまりナチスのホロコーストのようなことをずっとイスラエルは行っていたのです。

そもそも、自分たちが迫害されたことによってイスラエルを建国したのに、同じことをパレスチナ人にやれば国際的にどうなるかは自明です。

強力なユダヤ人組織によって、このようなことはあまり報道も書籍化もされないのが実態になります。

イスラエルの歴史を踏まえて、今回のイラン情勢緊迫化の話をしていくと、なんとなく理解できるでしょう。

ただし、この情勢の緊迫化はイランとイスラエルの問題だけではなく、シリアやトルコ、ISIS、イラク、クルディスタン、サウジアラビア、カタールの問題をも内包していますので、本当に複雑です。

そこで今回は、イラン・イスラエル関係に限って話をしていきます。

イスラエル情勢複雑化の原因

イスラエルは自らの首都と主張するが多くの国際社会がそれを認めていないエルサレム

原因は、現在のイラン情勢を引っ掻き回しているトランプ大統領にあります。

トランプ大統領は就任直後にシリア内戦にも介入しました。

結果は失敗に終わり、議会での大統領就任演説において、作戦で亡くなった未亡人を招き涙を誘っています。

この問題がからみ、最初の外遊地を中東に設定し、中でもサウジとイスラエルを中心地に訪問しました。

サウジとの関係においては、オバマ前大統領が冷淡であったことからの関係改善のため、そしてイスラエルは、自身の選挙で当選ができたのはユダヤ票のためということでの訪問です。

特にイスラエルでは当選の御礼に「アメリカ大使館をエルサレムに移転する」と発言しました。

この実現はなかなかならないと思うと過去に解説しましたが、在米のユダヤ人はアメリカとイスラエルの関係改善に大きな歓待を受けたのは言うまでもありません。

ついでに言えば、このエルサレム移転に関しては、「次回の選挙もよろしく」という意味も含まれています。

ところが現在のイスラエル情勢は、複雑怪奇そのもので、日本では革命など起こったことがありませんが、日本でこのような状況になれば、革命が起こってもおかしくはないような状況です。

複雑なイスラエル情勢

リクードの党首でイスラエルの首相を務めるベンヤミン・ネタニヤフ

まず、イスラエルの首相はネタニヤフというユダヤ人入植地を拡大するというシオニストの急先鋒になります。

もともと住んでいるパレスチナ人を追い出して、ユダヤ人入植地を可能な限り増やしていくという首相です。

そもそもクリントン政権時にPLOのアラファトと平和合意を結んでいるのにもかかわらず、いまだにユダヤ人入植地を増やしています。

そのネタニヤフ首相に、トランプ訪問後に汚職疑惑が発生しました。

検察当局は、立件する見通しであることを明確に述べています。

その上に議会の総選挙があり、ネタニヤフ率いる与党リクードは過半数を維持できす、そして連立を組んでも過半数に達することができず、今後、再選挙が予定されています。

このように政治状況を見ても最悪です。

このほかにもさまざまな問題が発生し、ユダヤ人、パレスチナ人双方に不満の鬱積があります。

イスラエル、ヒズボラ、イラン

ヒズボラ支持者の集会

国際的にパレスチナ人の代表はPLOと認定されていますが、このような政情の中で最近ではイスラエル政府の存在を否定する、すなわちイスラエルを崩壊させてパレスチナ建国を主張するヒズボラという組織がパレスチナ側にあります。

このパレスチナ・ヒズボラを支援しているのが、公式には否定していますが、イランになります。

つまりイスラエル政府にとって、国内状況がぐちゃぐちゃになっているときにヒズボラに攻撃されるのは厄介な問題です。

そこで、その支援を非公式にしていると言われるイランに制裁を加えたのがトランプ大統領ということがおそらく真相になると思います。

制裁違反と言っていますが、違反した形跡がイランにはないのです。

イランは制裁を履行しているのにもかかわらず、アメリカから難癖をつけられているのが実態だと思います。

1年前からの経緯

イギリスのロンドンでカショギ氏暗殺の黒幕とされるサウジアラビア皇太子を避難する人々

2018年5月8日にトランプ大統領はイラン制裁からの離脱を表明し、その猶予を180日間、つまり12月上旬まで待ちました。

ところが、その間に盟友であるサウジがとんでもない事件を起こしてくれたのです。

トルコ国内の領事館内で、ジャーナリストであるカショギ氏を殺害し、それをエルドアン大統領によって白日のもとにさらされました。

言論の自由を標榜する西側諸国は経済制裁を実施するほかなく、結果としてイランの制裁も遅れることになります。

どういうことかと言えば、制裁前のイランは世界の重要な重油輸出国の一つです。

重油は冬場を控えて大事な暖房油、つまり火力発電のエネルギーであり、サウジもイランも制裁となると、ほかにはベネズエラ、インドネシア、メキシコなどがありますが、いずれも供給不安、政情不安があり、アテにはできない状況でした。

冬場を控えて暖房油の供給が不安定になる恐れがあり、結果として日本、中国、韓国、インドなどは特例的にアメリカからイラン産重油の輸入を認められたのです。

今年の5月の話

今回の制裁はイランにとって破壊的なダメージとなることが予想される

最初のイラン制裁の期日が12月1日の場合、それがさらに180日間延長されるのがアメリカの大統領令であり、その期日が5月1日。

そのときにはサウジの制裁はすでに解除されており、トランプ大統領は満を持してイラン制裁を開始しました。

もちろん日本などの重油輸入もサウジに変更になっていますので、重油の供給不安が解消したことを忘れてはいけません。

ただし、その間にベネズエラのクーデターや、5月以降の話になりますがメキシコへの関税制裁の話もあったことを考えると、トランプ大統領はかなり綱渡りな政策をやっていることがうかがえます。

今年の5月にトランプ大統領はイランの鉄鋼、アルミニウム、金属などの報復関税を行うと発表しています。

イランは原油の国というイメージが強いですが、それと並んで金属素材の有力な輸出先にもなりますので、イランへのダメージは破壊的なものになるでしょう。

7月1日に向けて吹き出す各国の思惑

イランによる対抗処置の猶予期限は7月1日まで

現在、イスラエルでは、与党リクードが連立を組んでも過半数を制することができず、再選挙を行う過程であり、仮に与党連立が勝利しても、首相であるネタニヤフは起訴される見通しです。

国会議員の不逮捕特権などは、イスラエルにも存在すると思いますが、政治の空洞化は避けられず、そこにイランの支援するヒズボラが攻撃を加えれば、非常な痛手になることは必至です。

トランプ大統領の行動は、そういったイランの行動を抑制する意味合いもあります。

一方でイランの対抗処置は、核合意の合意を無視して、ウラン濃縮を決められた範囲以上に行うことを表明しています。

この離脱を回避したいのであれば、「アメリカの制裁をやめよ」と言っているのです。

「期日は60日間猶予する」と表明しています。

つまり、イランが正式に米露欧を含めた合意から離脱する期日は7月1日です。

その期日が迫っているために、各国の思惑がイランに向けて一気に拠出しているのが現在の状態です。

日本籍タンカー攻撃の犯人

ペルシア湾沿岸諸国で産出する石油の重要な搬出路であり毎日多くのタンカーが行き来するホルムズ海峡

安倍総理がイラン訪問中に、日本船籍のタンカーが攻撃を受けるというのも犯人が誰かはまだわかりませんが、イラン側、もしくはイラン支援国の攻撃ということになるでしょう。

これに対してアメリカは、イランの革命部隊が攻撃を行ったと主張していますが、そもそもイラク戦争のときに大量破壊兵器が存在するといって攻撃を仕掛けた国です。

信用に値する証拠であっても、疑義がつきまとうことになります。

どちらにしろ、アメリカ軍がペルシャ湾に出撃し、世界最強の軍隊であるイスラム革命防衛隊などが駐屯していることから、この緊張は何かがきっかけで戦争になってもおかしくありません。

近づく米・イラン戦争の足音…

トランプ大統領の本当の目的は自身の2020年の大統領選挙での再選

結局のところ、自身の選挙のためにイランにパレスチナの組織である「ヒズボラの支援をやめよ」というのがトランプ大統領の本当の要求であり、それをロウハニ大統領以下「そもそも支援をしていない」ということで拒否している、というのが真相のように見えます。

公式に「ヒズボラを支援していない」と言っているのに、「支援をやめよ」と言われてもイランは困ってしまうわけで、妥結の余地などないでしょう。

つまり、行き着くところまで行ってしまう可能性が非常に高く、トランプ大統領就任以来最大の緊張と考えたほうが良いでしょう。

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