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米中通商摩擦の知的財産権とはどういうことなのか?

中国はキャッシュレス社会

当たり前のことですが、アメリカでは中国との貿易摩擦を「米中」戦争と言い、中国では「中米」戦争と言います。

日本では「米中」と言うのは、結局、中国よりもアメリカ寄りの国なのだということです。

日本の貿易輸出は、ドル建てでは21%がアメリカ向け、中国は20%。これは年によって逆転したりもしますが、現在はアメリカ向けが日本の輸出先第1位です。

では、なぜ現在ファーウェイ(華為)の製品がアメリカで禁輸になるのか、理解しづらい点だと思いますので、お話ししていきます。

上海のショッピングモール内の商店のレジカウンター

中国にご旅行に行かれた方はおわかりになると思いますが、北京や上海などの都市部では、もはや現金などを持っていても役に立ちません。

あなたがスタバやマクドなどで飲食した場合、現金、クレジットカードでは支払いを受け付けてくれず、全部スマホ払いです。

すなわち、スマホを持っていなければ都市部で生活できません。

このスマホにはさまざまな機能が付いており、その中の一部に、個人情報を抜き取るという仕組みがもれなく付いてきます。

これは、中国製品には当たり前の仕様であって、スマホのデータの蓄積によって、個人向けや企業向け融資なども実行されるか、されないかが決定されるのです。

中国の全電子機器は知的財産権を侵害

ファーウェイはじめ中国の電子機器はもれなく個人情報抜き取り機能付き

中国製品の端末は、すべて個人データを抜き取るようにできています。

それを安いという理由だけで、アメリカの政府関連のパソコンなどに使用されたらどうなるか、ということです。

ここに知的財産権の侵害、という言葉が初めて出てきます。

例えば、皆さんの周囲にもファーウェイやZTEなどの電子機器があると思いますが、これらはすべて中国政府にあなたの個人データを抜き取られていると思ってください。

なぜ中国製品は個人情報を抜き取るのか?

2004年に中国に進出したものの、先月撤回が決まったアマゾン

なぜ、このような仕様になっているかといえば、非常に簡単です。

この間もアマゾンの撤退が発表されましたが、中国では企業が個人データを抜き取るのが当たり前だからです。

それに対してフェイスブックやグーグル、アマゾンなどは企業の経営方針に反するといって提供しないように試みています。

しかし、共産党の過大な圧力からその方針を曲げるか、撤退するかの判断においては、撤退という方針をとっているだけの話です。

もちろん、日本をはじめとしたアメリカをも含む先進国は、この中国企業、共産党によるデータの抜き取りは違法とまではいかないでも、議論の真っ最中になります。

収集されたビッグデータは個人のものなのか、それとも収集した企業のものなのかが議論されている最中です。

監視社会である中国においては…

社会そのものが大きな監視体制といえる中国

あまり大っぴらにはできないことですが、中国国内では個人のネット監視において、非常に重要な意味があります。

中国は、ご存知のように共産党の一党独裁国家、近年においては習近平独裁と言っても過言ではありません。

不満分子を監視するために、ネットスパイが2000万人いるとされています。

そのスパイたちのお給料だけでも大変なことになりますので、ファーウェイなどにそのデータ収集をAIなどによって自動的に行わせているのです。

その結果、融資などの際に、スピーディーに融資するという特典が中国人にはついてきます。

日本人ほか欧米人には、そのような特典は一切ありません。

ですから、片務的だと欧米から非難の声が上がるのです。

ところがアマゾン、グーグル、フェイスブックなども、使用者に無断でそのようなデータを用いているので、政府のデータが勝手に使われているとアメリカは反論しているのです。

これが知的財産権の侵害という報道されている意味の説明になります。

GAFAは中国に追いつけない?

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と中国系IT企業にはその覚悟において大きな違いが…

アメリカは、GAFAなどのIT企業が、ビッグデータの使用を中国企業に先行されているのが気に食わないのです。

もちろん、アメリカが中国にこの技術で追いつけないのは、中国が一党独裁で、監視が一大事であるのに対し、アメリカ企業はこのビッグデータを用いれば、よりお金が儲かるくらいのものだからです。

中国では、ネット監視をしておかなければ命を取られる可能性もある状態ですから、アメリカの技術が劣っているとは思いませんが、覚悟の問題で、中国企業のほうが先行しています。

おそらく対立の根幹は、中国のビッグデータ収集をアメリカ企業にも同等レベルまで引き上げろということなのでしょうが、中国政府としてはそれでは体制監視の目が緩められるという怖さがあり、絶対に認めるわけにいかないということでしょう。

こういうことを知的財産権の侵害とメディアで言っているのですから、一般のことは意味がわからないのが普通です。

これは非常に簡単なことで、報道しているメディアもこの根幹がわかっていないから、訳のわからない表現になっているのです。

両国の言い分をまとめると

アメリカの言い分は、

1. アメリカのIT大手GAFAの中国市場参入を認めよ
2. その際にGAFAが集めたデータは中国政府に供与することは認めない
3. 政府からデータを盗んだものは、通知するか回収させよ
4. サイバー攻撃をやめろ(これはロシアを含めて言っています)

となります。

対して中国の言い分は、

1. アメリカ国内でデータ収集をしたのは悪かった
2. 今後、アメリカ国内ではデータ収集を行わない
3. アメリカのネット大手が参入してもかまわないが、収集したデータはすべて差し出せ
4. データ収集は体制維持のために今後も続けていく

ということだと思います。

GAFAの参入を一度認めたのに、土壇場になってやはり認めないと言い出したことが、今回のファーウェイへの大規模制裁につながったと考えています。

この摩擦のゆくえはどうなるのか?

ファーウェイのCEOで人民解放軍出身の任正非

一般の人には、中国製品を持っているということは、中国政府にデータを抜き取られるということなのだと警告を出しました。

今回は、アメリカ政府と取引しているすべての企業が、中国製品の電子機器を使っていた場合、すべての取引を停止するという大統領令が施行されています。

つまり、アメリカと取引している企業は、すべてアメリカ政府との取引がないとは考えにくいものと考えられますので、実質、ファーウェイの世界市場からの排除です。

ファーウェイ製品は中国であろうと日本であろうと、日本やアメリカの部品を使っていますので、中国国内では営業できると思いますが、ほとんど倒産寸前まで追い込まれるでしょう。

しかし、ここが中国の素晴らしいところですが、間違いなく共産党幹部がファーウェイに乗り込み、会社を乗っ取ってまた経営していくのです。

現在のCEOが共産党幹部なのではないかと言われるのは、実質、共産党幹部が経営しているからです。

トランプ大統領は、おそらくGAFAの参入障壁をなくせば制裁は解除するでしょうが、中国からすれば自分たちの生命線であるデータ収集を認めるわけがありません。

中国がアメリカを抜くなどあり得ない

「誰が勝つだろうか?」。答えは明確

メディアはまた、何もわかっていないのに、「6月くらいまでには制裁が解除されるかも」とトランプ大統領のリップサービスを喧伝していますが、トランプ大統領の世界戦略において妥協はしないと思います。

なぜなら中国、韓国経済は、この制裁によってより一層落ち込んでいますが、アメリカやその同盟国、親米国は経済がよくなっているのです。

こういう状態が確認されていますので、簡単には制裁を解除しません。

この摩擦は滅多なことで解決しませんし、交渉は数年にわたることになるでしょう。

その間にファーウェイが生き残れるかといえば、かなり難しいでしょう。

今回の制裁ではっきりしたことは、中国はアメリカなしでは生きていけないということです。

つまり、中国がアメリカを抜くなどあり得ないのです。

yuta5555

リファスタ・コラムの管理を担当しています。

金相場を中心に、金にまつわるさまざまなことをご紹介していきます。

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