世界は確実に変わっている -トランプ嫌い偏向報道への疑問-

貴金属,相場関連

トランプ嫌い偏向報道について

今回は、かなり複雑多岐にわたる問題になりますが、日本におけるトランプ嫌いの偏向報道について考えていきます。

2016年の大統領選挙の勝者は僅差ではあったがドナルド・トランプ。そのトランプ大統領に闇雲に批判的報道をするのは…

日本では、トランプ大統領をよく言う報道が皆無と言っても過言ではありません。

むしろ、韓国への報道などよりひどい状態になっているな、と実感できます。

世界の経済大国の大統領に対して嫌悪感を抱くのは、報道・言論の自由が保証されているとは言え、少し異常ではないでしょうか。

実際に、トランプ大統領に嫌悪感を抱いている日本人が、エスタブリッシュ層ではほとんどだと思われます。

得票数はヒラリー・クリントンに負けましたが、当選したのはトランプであり、少し敬意が足りないのではないでしょうか。

では、なぜこのようなことが起こっているのか?を考えていきます。

大統領任期序盤のノスタルジア

任期中にノーベル平和賞を獲得するなど偉大とも言えるオバマ前大統領の跡を継いだトランプはつらい!?

実は、過去のアメリカの大統領・オバマ、ブッシュジュニア、クリントンなど、2期8年を務めるのが通常と考えられていますが、これは最近になってからのことです。

すなわち、今のトランプ大統領をはじめ、政権交代時には考え方も人格も全く違う人が大統領になっているので、最初の任期2年は常に過去の政権の回顧が起こります。

ブッシュジュニアの場合には、その前のクリントンがスキャンダラスな事件ばかり起こしたので、回顧はあまり起こりませんでしたが、オバマ前大統領の時も、過去の政権を懐かしむ声がアメリカ国内で起こったのは事実です。

人間は直近の出来事に影響される動物ですので、過去8年にもわたった政権の影響が国民に残るのは、ある意味当然になります。

トランプ大統領の場合は、毎日のようにツイッターを更新するといような、過去の大統領にはないようなことを行うのですから、異例ずくめです。

オバマ前大統領がノーベル平和賞を獲ったくらいの人格者であったことと対比すれば、ツイッターは他人への攻撃ですし、そして相手を威嚇して譲歩を迫り有利に交渉を進めるなど、およそ平和主義とは相反する行動を取ることがアメリカ国内でも不満が高まっている理由になると思います。

この結果、過去の政権移行と比べ、レトロ主義が跋扈(ばっこ)するというのは不思議ではありません。

トランプ大統領当選の原動力

2016年5月、カルフォルニア州のアナハイムコンベンションセンターで行われたトランプ大統領候補(当時)の支持集会に集まった聴衆。「出発、そして壁を建てろ」の弾幕が…

トランプ大統領の岩盤支持層は白人の中間層、もっと言えば、それほど学歴の高くない工場労働者がメインと一般的に言われています。

この人たちは、まじめに仕事をやっていたのに、職を追われることが多数あるという不満があるのです。

つまり移民が入ってくれば、安い賃金で自分たちの仕事が奪われてしまうのではないか、という不満がトランプ当選の源泉力と言われています。

日本はどうなのかを考えると、中間層は今、若い人には消滅しつつあります。

なぜなら、まず雇用の面で終身雇用がほぼ壊滅的になくなったからです。

大学を出ても契約社員の仕事しかないのであれば、高卒で正社員になったほうがましでしょう。

正社員と契約社員の格差は、おそらく相当な差です。

こういった若い世代が有権者の中でマジョリティーになった場合、アメリカのようなことが間違いなく起こるでしょう。

日本には移民受け入れの予定はありませんが、賃金は横ばいか減少傾向です。

中間層の鬱積がトランプ大統領誕生の背景になります。

今の米英は未来の日本

ロンドン中心部で「去るの意味は去る」等のバーナーを掲げたブレグジット支持者

トランプ大統領の言動が不規則であり、不安をあおる内容であることから、日本では嫌いという傾向の報道が多いのでしょう。

実際にそれが目の当たりになったのがイギリスのブレグジットになります。

イギリスは完全なる階層社会です。

国王を中心としたヒエラルキーが現在でも色濃く残っており、中間や下層に生まれた人間は、いつまでたっても上流階級に移動できません。

イギリスには、この中間・下層階級が逆らうという歴史がなく、つまりは国王を中心とする支配階級の決定を、唯々諾々と受け入れる傾向があります。

しかし、今回のブレグジットの国民投票に関しては、いつもと同じように上流階級の決定した「残留」に従うというメディアの予想が、外れたのはある意味当然でしょう。

世論調査では「残留」と答え、実際には「離脱」に投票した人がほとんどです。

これは、中間・下流層がエスタブリッシュメントに逆らったイギリス史上初の現象になります。

それがアメリカでも起こっているのですから、日本でも数年以内には潮流になってくるはずです。

大衆の反抗をポピュリズムで片づけてよいのか!?

かつては3世代同居が当たり前だったが…

大衆が上流階級、つまり支配層の言うことを聞かずに暴れている現象を、メディアはポピュリズムと決めつけていますが、現実の若者の鬱積を考えると、そんな言葉では片づけられないと思います。

「自己責任」という、ここ数年日本を席捲(せっけん)している言葉を誰もが聞いたことがあるでしょう。

この「自己責任」という言葉は、ネオリベラリズムと一般的に言われていますが、無理に日本語訳すれば「超個人主義」です。

これは、核家族化によって家族という共同体が消滅していることを意味します。

つまり昔は日本でも、おじいちゃん、おばあちゃんや孫が同居していたものですが、今は家族が4人というのが標準でも怪しくなっている状態です。

ほとんどの若者は一人暮らしであり、独居老人なんて言葉も存在します。

昔はこの共同体がうまく機能しており、今のように母親が育児ノイローゼになる前におばあちゃんが助けていました。

現在では祖父母と別居する家族形態が通常となり、母親のノイローゼなどが増えて当たり前です。

子供においてもそれは同じで、核家族化によって、過去にはなかった類の自立を強いられています。

つまり家族が若者の生活に過度に干渉することがなく、学校を卒業したら個人の責任というかたちが現在の主流です。

ゆとり世代と核家族、そして自己責任

ゆとり世代は使えない!?

皆さんにも記憶にも新しいでしょうが、「ゆとりは使えない」という言葉が世の中を席捲し始めました。

この論争は、「ゆとりは、ゆとりになりたくてなったわけではないのに、なぜ、このようなことを大人は言うのだ」という論によって終結したと思いますが、いくら自己責任が主流の時代とは言え、本人に関係のないところで起こったことが本人に追及され、ある意味、相当かわいそうだと誰もが感じることでしょう。

核家族化という言葉は、皆さんには使い古された心象でしょうが、最新の家族形態というのが人類学、人口学の見方になります。

近年まで、核家族の形態を主流とした家族、国家形成というものは存在しませんでした。

ところが、近年の国家治世は経済が中心です。

そこにネオリベラリズムが入ってきて、その主流である自己責任という言葉が流行し始めているのです。

ポピュリズムは中産・下級階層の革命

2017年にロンドン中心で行われた女性の行進の参加者が掲げたプラカード。ブレグジットもトランプ大統領も上流階級の敵!?

昔は上流階級の決めた通りに従っていれば、中間・下層階級はある程度幸せになれたから盲目的に従っていました。

しかし現在、上流階級の言う通りに生きれば生活が成り立たなくなります。

これがイギリスでのブレグジットですし、トランプ大統領誕生の背景になっているのです。

特に若い方で、「自己責任」の名のもとに「ゆとり世代は使えない」、「スマホばかり見ていて、コミュニケーション能力がない」と言われたことがあると思いますが、それは本人の責任でしょうか?

むしろ、このように核家族化によってコミュニケーション能力を失わされた上に、文部科学省が勝手に決めたカリキュラムに従って生きてきたのに、それを「自己責任」と片づけられることに反発することに、ポピュリズムが誕生していると思われます。

これはポピュリズムと言うよりも、中産・下級階層の革命と言ってもいいような現象です。

言い換えれば、ヒエラルキーのトップにいる上流階級への反発が、このポピュリズムの原点です。

これを中産・下級階層から言わせれば、為政者側の無責任が引き起こした帰結と言っても過言ではないと思います。

ポピュリズムは間違っているのか!?

2018年、ローマで行われた反EUのポピュリズム政党である「同盟」のサルビニ党首の演説に集まった支持者たち

ポピュリズムは悪いというのが、現在の経済学の考え方の主流です。

換言すれば、大衆の考えが間違っているということですが、果たしてそうでしょうか?

為政者が国民を十分に幸福にできない無責任さが、ポピュリズムを引き起こしているのではありませんか。

この国民の声は、本当に間違っているのでしょうか?

政府やメディアがこの考え方を排除するのは当然で、これが主流になれば自分たちの立場が危うくなるのですから。

でも、自分たちに責任のないことを「自己責任!」と押し付けられることにうんざりです。

「自己責任」と言えば、自分の間違っていることが回避できる魔法の言葉と思います。

世界はグローバリズムにへとへと

トランプ大統領は反グローバリズムのヒーロー!?

もちろん、自分の引き起こしたことに結果責任がつきまとうことは当然です。

たまにこのようなことを言うと、自分の引き起こしたことでさえ回避しようとする方がいますが、それは間違いです。

すべての事象は、自分の行動に左右されるのが基本だと私は思います。

トランプ大統領の台頭は、要するにアメリカ人も行き過ぎた個人主義やグローバリズムにもうへとへとになっているのです。

グローバリズムとは1990年代から世界を席巻した考えであり、それは国境の開放や自由な貿易に代表されます。

その結果、自由に国境を越え、さまざまな世界の物品を手に入れることができました。

今では、どこの国に行くのも自由、そして、インターネットでなんでも手に入れることができます。

まさにパラダイスのような世界です。

でも、悪影響があり、国民に自立を促した結果、それについていけない脱落者が大勢を占めるようになりました。

その時に社会基盤の安全である社会保障は減額の一方…、つまりこの国際競争に打ち勝てない人間が逃げる場所がなくなったのです。

そこに登場したのが、トランプ大統領だったのです。

トランプは本当に皆が忌み嫌う存在か!?

2018年、ロンドンで行われた反トランプ女性行進で掲げられた手作りのポスター

実際、トランプ大統領は貿易摩擦に反対し、国境の壁を作り人の移動の自由を阻害しようとしています。

やっていることはグローバル化の否定です。

でも、実際に自己責任となんでもかんでも責任にされている時代に辟易しているのは私だけではないと思います。

グローバリズムとは、自己責任に代表される言葉です。

かなり書いていることが飛躍しますが、間違いなくそうなります。

特に若い人が「ゆとり世代は使えない」と言われることにストレスを感じるように、自分が決めたことではないさまざまなこと、そして決められないことを「自己責任」で片づけられることに相当なストレスを感じると思います。

このようなことが続けば、間違いなく日本でもメディアが蔑視するポピュリズムが世論調査に表れないかたちで進行するでしょう。

ブレグジットも先の大統領選も、世論調査とは逆の結果となりました。

この中産・下層階層の反発は、眼に見えないかたちで進行しているのが今までの経験則です。

そして、トランプ大統領は世界の経済大国で中産・下層階級の代弁者として大統領になった人です。

「自己責任」にもう疲れませんか?

世の人は「自己責任」の言葉に疲れ果てている

当然、上流階級の人たちは彼が力を持てば反発します、それが今の世論です。

確かに問題の多いトランプ発言ですが、果たして私たち中産・下層階級の人間が彼を嫌って大丈夫なのでしょうか?

これが現在の世界トレンドですが、そのトレンドはどう見ても支配的になってくるでしょう。

皆さん、「自己責任」という言葉にもう疲れませんか?

皆さんの過半が疲れを感じるとすれば、世界の人も同じように感じているでしょう。

トランプ大統領に自分の仕事や自由を守ってほしいとは思いませんが、自分の責任でもないこと、なんでもかんでも「自己責任」と言われることに疲れた人は多いと思います。

コメント

▼各種査定方法▼

タイトルとURLをコピーしました