This is a column of Refasta.

9月のアメリカの利上げの影響について考える

8月20日のトランプ発言

ジャクソンホールでアメリカFRB議長パウエルさんが「利上げのペースを緩めるつもりがない」と発言したことから、9月の利上げは規定路線というマーケットの見方と一致しました。

今回はその解説をしていきます。

8月20日のテレビインタビューでトランプ大統領は利上げへの不満を表明

8月20日にトランプ大統領は、テレビインタビューで「利上げは気に入らない」と発言しました。

この発言は、別なところに注目が向いており、それは「中央銀行の独立性」の問題です。

一般的に中央銀行には独立性が担保されていますが、どの国でもその国の代表が中央銀行総裁を指名する権利を有していることから、独立性の担保はむしろ形骸化していると考えるべきでしょう。

最近では、トルコの中央銀行総裁人事に大統領が介入する懸念が叫ばれていますが、これはトルコに限らずどこの国にでもある傾向です。

つまり、アメリカでも表向きに言う方は少ないですが、選挙前に大統領が「金利を上げるな」、「物価を上昇させるな」、「失業率を上げるな」と言うのは公然の秘密になっています。

ただし、トランプさんのようにテレビインタビューでこのようなことを言う方は初めて見たというのが感想です。

「利上げは気に入らない」には裏がある?

表向きは各国中央銀行には独立性が担保されているが…

中央銀行の独立性の担保は形骸化しており、目くじらを立ててあげつらう問題ではありません。

特に選挙前はどの国でも同じようなことがあり、取り立てて指摘することではないと考えるべきでしょう。

ですから、中間選挙を控えたトランプ大統領にとって、この意味は、選挙での勝利のために庶民に嫌われる物価上昇に配慮したものと思われます。

選挙前であれば、歴代の大統領は誰しもが物価の上昇、金利の上昇、失業率を気にしてきました。

ただ、頭の良いトランプさんのことですから、テレビでこんなことを言うからには何か意図があるのではないかと勘繰りたくなります。

9月の利上げは予定通り行われる

Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略でアメリカの金融政策を決定する会合であるFOMC

トランプ発言の影響もなく、アメリカの物価上昇を見ていると、当初の計画通り、9月のFOMCで利上げは決定するような運びになるでしょう。

また、FRBには日本銀行と違い、雇用状況もウォッチする義務が法令に明文化されています。

雇用の面においても失業率は完全雇用状態を示していますので、物価上昇に歯止めを掛けにかかるという姿勢になると思われます。

このような点から考えても、9月の利上げはほぼ予定通りに行われることになるでしょう。

金相場とFOMCの利上げの相関

利上げが決定されても市場金利の上昇は見込めない

結局、マーケット関係者に一番注目されていることは、このトランプさんの発言になります。

要するに、2月にドル高に転換を示し、そして今回ドル安を示唆したということです。

金利を上げたくないということは、債券購入者には高い金利クーポンを付与したくないという意味と同義ですので、この辺をどう捉えるかになります。

つまり、金利上昇は金にとって敵になりますから(価格の下げ余地を増幅する)、このFOMCの利上げは金の相場には多いに関係があるということです。

ただし実際、市場金利はすでに8月の時点で9月の金利上昇を織り込んでおり、FOMCで利上げを決定したからといって、これ以上市場金利が上昇する見込みはほとんどありません。

むしろ現状のアメリカ金利は、短期金利が高過ぎ、長期金利が安過ぎるという状態で、このFOMCの利上げによる短期金利1年物の上昇によって、長期金利と同水準になるイールドカーブのフラット化問題があります。

イールドカーブのフラット化の金価格への影響

残存期間の長短による利回り格差を分析する際に利用されるイールドカーブ

経済学の常識として、イールドカーブがフラット化すると経済が停滞化する可能性があります。

このイールドカーブのフラット化は、景気の停滞を示し、結果、金にとっては強気の材料としかなり得ない状態になります。

トランプさんの言う通りFOMCにて利上げをしない場合も、この長期金利の低迷が将来のインフレを反映する可能性がありますので、やはり金には強い材料です。

一般的に金相場にとって、金利上昇は金に不利と言われますが、今回のケースでは、マーケットは利上げをすでに織り込んでいるため、結果、金の強気材料になってしまう可能性があります。

つまり、トランプさんの不規則発言ではなく、今回決定される見込みのFOMCの利上げにはさほど金相場は影響されないということです。

こうしたことから、FOMCの結果を受けて金が急落する可能性は非常に少ないと見ています。

売るなら今なんです。

日々の相場をリファスタでチェックし、いつでもお持ち込みください。

リファスタの金買取サイトはコチラ。

yuta5555

リファスタ・コラムの管理を担当しています。

金相場を中心に、金にまつわるさまざまなことをご紹介していきます。

関連記事

  1. 日本の日の丸、ちゃんと描けますか?

  2. アメリカ10年物金利と金の関係

  3. 中国が経済発展をした理由

  4. 最近の金価格動向の解説

  5. しばらくは円安時代の到来

  6. 中央銀行と金の関係

  7. ロジカルシンキングというのはどういうことか?

  8. 環境問題と投資、そして金

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

カレンダー【Month Calendar】

2018年9月
« 8月   10月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

▼当コラム運営サイト▼

PAGE TOP