金とドルの相関性から金相場の今後を読む

貴金属,相場関連

金とドルの相関性について

金とドルには反対方向の相関性があります。

アメリカ政府の発行するドルは所詮は紙切れなので、アメリカ政府が倒産や破産をしてしまったら単なるゴミ屑になってしまいます。

ですから、ドルが弱いときには金が買われ、反対にドルが強ければ金は売られるのです。

なぜなら金は存在そのものに価値があり、どこの政府が倒れようと関係がないため。

そしてドルが弱い時に買われます。

この概念は非常に難しく、中々理解できないかと思いますが、一度知れば金相場の方向性がなんとなくわかるようになるので、理解することをお勧めします。

また、ほかのマーケットの理解をも容易にするでしょう。

ドル円相場と金の相場の相関係数について

さて、ドル円相場と金の相場の相関係数は90%という異常以上な高さです。

この相関係数は、最近の科学ブームによってようやく日本でも注目され始めています。

たとえば、昼間は明るく夜は暗いという事実には相関関係があり、また自然の摂理でもあります。

この場合、太陽が消えない限りは相関係数は100%です。

ところが、車が来ると人間は避けるという相関係数は、避ける人が老人の場合や障がい者である可能性もあるので弱くなります。

このように、皆さんは物事がこうなったらこうなるというような法則モノが本能的に好きなのではないでしょうか。

現在、科学の世界では、一見何の関係性もない物事と物事との間にを相関点を見出すことがブームになっています。

これまでにさまざまな相関関係が見つけ出されましたが、もちろん科学ですので、データ的な証明がないといけないため、数ある相関関係の中から検証を経て認定にまで至ることのできる事例の平均は、だいたい45%です。

ドル円相場と金相場の相関関係が90%というのは、データ的に言えば完全な相似ではありませんが、近似と言っても過言ではないでしょう。

つまりこれ以上の濃厚な密接関係は、ほかのマーケット同士ではありません。

ただFX同士であれば、例えばドル円・ユーロ円・ユーロドルの相関係数は、弊社の想像ではありますが98%近くになっており、これらのレートは互いにほぼ完全に相関し合っていることは確かです。

その証拠は、ユーロドルとドル円を掛け算すると答えがユーロ円になるというように、誤差があったとしても長くても1時間以内に解消されているからです。

通常、人間が認識できないほどの誤差、つまりマイクロ秒やミリ秒単位の誤差はAIやHFT取引によって解消されています。

今回の相関関係の問題とは?

実は以前から弊社はドルやドル金利の上昇によって、金の価格は下がっていくと予想していましたが、実際に6月13日にFOMCによって政策金利が予定通り0.25%引き上げられても金の価格は下がっていません。

米ドル金利が上昇するということは、金にとっては値下がる要因になります。

なぜなら、金はその存在そのものに価値が発生しますが、金利は派生しないので、金利の上昇は金にとっては弱い材料になるからです。

つまりFRBの誘導金利が0.25%引き上げられるということは、逆に市場金利も上昇することになりますが、相関係数が90%であることから、金のドル建て価格は下がるはずなのに、6月14日になっても前日と変わらない値段になっているます。

要するに金の弱点を突かれたかたちになり、暴落とはいかないまでも、少しは下がるはずなのですが、下がらないということはこのロジックに問題があるということになります。

このロジックの問題点とは何か?


これは年初から問題になっていたことですが、やはりアメリカのトランプ大統領による法人税の減税政策を含む税制改革の影響になると考えられます。

おもな税制の変更は減税になるので、政府の歳入が減ることを意味します。

アメリカ政府の財政は、すでに赤字な上に、さらに歳入が減れば財政赤字が増えるのは確実です。

実際に財政赤字は、過去最大とはいかないまでも高水準で推移しています。

借金が多い人にお金を人が貸さないのは、貸し倒れになる可能性があるからです。

その場合の金利は、リスクが高いので上昇はしますが、アメリカは好景気の割には金利が低いということが一般的に言われていました。

今年の2-3月から金利は徐々に上昇していますが、まだ実勢の物価上昇から見れば低過ぎる水準になります。

現状の金は、金の値段が動く最終的な理由であるアメリカ政府の財政の信用性という観点から下げたくても下げられない状況にあるということです。

過去の事例である2003年のケースからの教訓

では、相関係数90%であるドル円と金相場の関係において、「その相関が崩れたことがあったのか」と問われれば、実際にあったのです。

それは2003年のことで、この時2011年の9.11の世界同時テロ、そしてそれに続くドットコムバブルの崩壊によって、アメリカ経済は相当に傷んでいました。

そういうときはリーマンショックの場合と同様、政府が財政を拡大し景気を下支えする政策(これをケインズ政策、もしくニューディール政策、新自由主義とも言います)を取ります。

政府は財政拡大によってその赤字は拡大し、その財政効果が効果を発揮し、結果としてドルが上昇し始めるのです。

ドルが上昇をしたのですから、金は下がると誰しもが思ったのですが、実際には金は反対に上昇し始めました。

今回のケースはアメリカの財政が赤字のため、金は下げられなくなってしまっている可能性があるのです。

2003年の場合は、その後サブプライムバブルが発生し崩壊したのですが、その道中に何が起こったかと言えば、世界的な大きな景気拡大になります。

その時に注目されたのはBRICSの経済拡大であり、中でも注目されたのが一般的に「爆買い」と言われている中国による資源の買いあさりです。

この買いあさりによって、現代社会に必要な食料やエネルギーが買い占められた結果、原油の価格が127ドルの史上最高値をつけました。

現在の状況はそれと酷似しており、原油価格などは春先に灯油需要がなくなるので下がるはずなのですが、そのアノマリーさえも無視して上昇をし続け、最近では原油価格の高騰につながっているのです。

またアメリカと中国の貿易戦争では、中国ではアメリカから大豆を輸入しないと国内の需要を満たすことが出来ないことが判っていて、トランプさんは輸出関税を課し、中国はそれに対して一切輸入をしないという報復処置が取られました。

2003年前後の大豆も同様で、たとえばトウモロコシをバイオエタノールの燃料とし、余計に穀物需給がひっ迫をしたという過去もあり、おそらくこのままの世界の景況感が続けば、同じような資源需給になることが予想されます。

ムニューシン米財務長官は、年末にはアメリカがかなりよい景況感になることを示しており、アメリカが好調であれば通常、日本を含む先進国や新興国も景況感はよくなります。

つまり2003年同様、資源バブルが起こる可能性が高く、その際には金はドルの価格がいくら下がっても、価格は下がらないケースもあることに注意が非常に大事です。

今までの見解が間違っていた可能性もある

金とドルの相関関係は非常に強く、90%にも及び、通常はドルが上昇すれば金を売ればよかったのですが、ドルやドル金利が上昇しても、金の価格は下がらないのが実態です。

つまり、今までの見解が間違っていた可能性もあり、少し上値を見るか、下値を見るかを確認してから金の売買をしたほうがよい、というような見解に変わりつつあります。

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