金価格が再び3500ドルを目指す展開となったものの、やはり反落。結論から言えば、二番天井だったことになります。
この記事の要約
今回の記事では、金価格の本格的な下げ始めはいつになるかについて解説。
- 金価格の前年比を分析した時に見えてくる金急落のタイミングとは?
- 米金利に見るドルの展望とは?
- 円建ての金については?
では、見ていきましょう。
金価格の前年比のチャート分析
2024年7月1日から2025年5月9日までのドル建て金価格を青線で右軸、単純な価格の年間比をオレンジ線、金利と為替の影響を除いた年間比を緑線で左軸で表しました。
オレンジ線の単純な年間比が45〜50%に入ると、目先の頭になることがわかります。
また、オレンジ線が主導して上昇するか緑線が先行して下げるかによって、金の値位置が変わっていることもわかるでしょう。
この10ヵ月間はほとんどの時期でオレンジ線が上位にあり、実際に下げる局面もありませんでした。
このオレンジ線が上位にある時の意味は、ドル安というのが実際のところです。
換言すればドル×金利、すなわちドルインデックスの年間比が前年比プラスかマイナスかによって変わるのです。
現在、ドルインデックスは年間比で5%ほど安いので、為替と金利の影響のある緑線はオレンジ線よりも下にあります。
これがドルインデックスが年間でプラスになり、緑線とオレンジ線が逆転すると大きな下落につながるということです。
ドルの動向をチェク
下記はアメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)の政策金利の推移です。

現在の金利は4.50、去年の同時期は5.50だったので前年比で-1.0です。
このまま9月になれば、去年の政策金利は5.00だったので、年間比は-0.5まで縮小します。
国債金利も、2年債が現在-0.96%とほぼ政策金利の-1.00と同じになっていることに注目してください。
9月のFOMC(連邦公開市場委員)で一気に金利差が0.5になるのではなく、5月から4ヵ月かけてだんだんと0.5の金利差の縮小に動くということです。
政策金利は年内は動かないと見られているので4.5を維持しますが、年間の金利差が9月には0.5になるので、政策金利に寄り添うように動く国債利回りは上昇していくことになります。
つまり金利はここから9月にかけて0.5上昇していく公算が高く、「ドル×金利」がドルインデックスなので、ドルの価格は上昇していくことになるのです。
ドルと金利から金価格を考えると…
ドルと金利の関係を確認しましょう。
下記のグラフは緑線がドル、青線がドル金利の前年比になります。
金利の動きにマーケットは注目していますが、実際にはドルの動きの方が大きいことがわかるでしょう。
そして緑線のドルが大きく0より上にあるときには、金利も0より上にあり、金利が0より下にあるときにはドルも0より下にあります。
つまり金利が上昇すればドルも上昇するということで、ますます金の上昇の側面はなくなってきます。
ただし、ドル高であれば円安なので、円建ての金に関しては円安によって下がりにくくなるということも言えるでしょう。
この記事のまとめ
以上、金の価格は現在、ドルと金利の動き次第ということです。
そして今後はドル高・米金利高が見込まれます。
「ドル×金利」で成り立つドルインデックスに注目してください。
ドルインデックスが前年比よりも高くなったとき、金は大きく下がるでしょう。
という内容の記事でした。