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なんだかんだと言って、昨年同様に新型コロナで大騒動の2021年でも残りあと3ヵ月。
今回は久しぶりに、年末までの金価格をドル建で、且つテクニカル分析とファンダメンタルズで予測してみましょう。
日足チャートのテクニカル分析の確認
基本的にはファンダメンタルズで予測しますが、テクニカル分析も重要です。
テクニカルとファンダメンタルズの両方に一致すれば、証拠が多く集まったことであり、より確証が高まることになります。
さて、以下のチャートはドル建て金価格の日足であり、10-15(白線)、30-35(黄色線)、100-150(白線)、300-350(黄色線)で、これらの線を10刻みで引っ張っています。
例えば300-350(黄色)とは300、310、320、330、340、350のことを指します。

チャートで大事なのは移動平均線ですので、これらの線の方向に注目しましょう。
上を向いているのは白の100-150で、そのほかは下を向いています。
つまり、全体としては下方向ということが確認できます。
一番長い300-350のうち、300と310がデッドクロスするのが注目点でした。
ただし、300という線は300日の平均であり、これがいったん下を向き始めれば方向性はなかなか変わらないので、300と350のデッドクロスは時間の問題でしょう。
それよりも短い100-150の線のうち130から150の線も時間の問題で下を向き始めるというのはわかりきっていることです。
これらがデッドクロスすれば、金はさらに下がると予測できます。
週足チャートで確認してみると…
次に以下の通り、ドル建ての金の週足は、10-15と30-35がデッドクロスするか否かのところにあります。

この場合10-15も30-35も下を向いているので完全なデッドクロスであり、これが完成したらマーケットは下に行くだろうと予測できます。
しかし、長期線である100-150はいまだに上方向に向いており、これが下に行ってもおそらく150を突き抜ける程度まで、すなわち現在150が1622ドルですので、1600ドルくらいまで行く可能性があります。
ファンダメンタルズ分析の基本
(何度も同じ説明を繰り返しますが)金の価格構成要因は、
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP(国内総生産)
であり、このそれぞれを分析すれば結果はわかります。
加えて大事なことは、経済やマーケットは去年との比較でできているということです。
すなわち経済指標の比較は必ず去年や先月と比較して何パーセント上昇、下落と表現されるように、マーケットも去年と比較して3%上昇であれば、経済指標も3%上昇になります。
これが逆でも同じで、マーケットが3%上昇しているので経済指標も3%上昇するという推察も可能です。
過去1年間のドルの動向
では、具体的にドルから見ていきましょう。
下記は、ドルインデックスの過去1年間のチャートです。
マーケットは前年との比較で形成されますので、去年の同じ時期、つまり2020年9月26日から年末までの動きを確認します。

昨年はまだトランプ大統領時代であり、この間にトランプ前大統領が何をやったかといえば、去年の8月に「アメリカの金利をマイナスにせよ」とFRB(連邦準備理事会)を恫喝しました。
そして、去年の8月に金利が底をうち反転したのです。
金の価格構成要因も株の価格構成要因も同じで、金利が上昇するということは株価が下がるという意味です。
だからトランプ前大統領はマイナス金利を望んだのです。
これに対してパウエルFRB議長は緩和を増やす、つまりドル安を誘導することによって株価の上昇トレンドを維持されようとしました。
その結果、去年9月をピークにドルが大幅に値下がりしたのです。
ドル価格を左右する米雇用の状況
では、今年の9月から年末まではどうなるのかという問題になります。
まず、ドルの価格は金融緩和に左右される側面がありますが、以前に解説をしたように基本的には雇用に左右されます。
https://kinkaimasu.jp/lounge/2021/09/18/the_current_gold_market_pays_attention_to_the_good_and_bad_of_the_number_of_new_us_employees/
つまり毎月の雇用統計が前月よりもよければドルも上昇し、悪ければ安くなります。
9月の場合、8月が95万人の新規雇用に対して23万人と大幅に悪化です。
ですから、10月1日の雇用統計までドルの高値は取らないことになります。
現実にドルは8月の高値を取る前に折り返しています。
しかし、なぜ去年のドルが下がったのかは金融緩和の実行という説明がありますが、同時に雇用も6月をピークに下がり始めているのです。
下記は、棒グラフが2020年5月からの雇用統計、黒点の折れ線グラフはドル価格です。

雇用統計がよければドルが高く、悪くなればドルが安いのは歴然としています。
去年は年末に向けて雇用は悪くなっていき、12月が最悪だったのです。
今年の9月から年末までのドルはどうなる?

まず雇用は、7〜8月に感染拡大をしたデルタ株によって鈍化していますが、日本も緊急事態宣言が解除される見込みのように、今後は回復していく可能性が高いです。
加えて、アメリカは年末が最大の商戦であり、これに向けて製造業はフル稼働、サービス業が11月までに雇用を最大化するのが毎年の傾向です。
ですから今年の場合は去年と比較して、雇用が悪化するようなことはコロナ感染が再拡大しない限りはないと予測するのが合理的でしょう。
現在のドル価格は、今でも去年より低い水準です。
これが去年10月にドルが急落していますが、ドルが高いままであれば去年と比較してドルが相当高くなります。
金利の動向

金利は、上記のグラフの通り去年の8月に底を打って上昇中であり、今年の年末に向けて上昇する可能性が高いです。
その根拠は、下記の新築販売件数と金利(黒点線)のグラフの通り、金利は住宅指標にリンクしているからです。

多少のタイムラグはありますが、去年の年末にかけて住宅販売が好調になると金利が上昇し、それが4月まで続きました。
住宅販売は1月がピークで、その後は低迷していくと金利も下がります。
ところが今年6月に底を打つと、その後、金利は上昇していきます。
住宅と金利の関係は、ドルと雇用ほどリンクは明確ではないですが、住宅指標と金利はリンクしています。
では、年末にかけて住宅の販売などはどうなっていくのかといえば、金利はピークと比較して安いのですから、投資家は住宅購入のインセンティブを与えられます。
つまり、好調ということになります。
そのほかの金利の上昇要因、物価の上昇、アメリカ財政も悪化ですので、金利は下がりようがない状態です。
GDPのゆくえ
下記はアメリカのGDPの年間比です。

2021年の4-6月期が12.2%も上昇してしまったのは、単に2020年の4-6月期がマイナス9.1だったから相対的に高くなったからです
では、今季2021年の7〜9月はどうなるのか考えてみてください。
去年はマイナス2.9ですからそれよりは高くなるのはわかります。
しかし、4-6月期より高くなることはないだろうと誰もが思いますよね。
すなわちGDPも低くなります。
それにFRBは11月からテーパリング(金融緩和の縮小)を開始する可能性が高いです。
金の価格構成要因を総合的に考えると…

金の価格構成要因【1】〜【3】まで、すべて分析の結果は下げになっています。
テクニカルでは1600ドル程度まで下がるということになっていますが、これで済むのかという話です。
では来年はどうかといえば、雇用人数は今年皆が失業していますので、上昇します。
しかし来年は今年ほど増えません。
金利は高くなっていますし、不動産価格は去年より高い水準です。
この状態では、不動産の購入希望者は多分減るでしょう。
GDPは来年にはよくなるでしょう。
この記事のまとめ
今回の記事では、今年の年末に向けた金の動向をテクニカルで分析し、日足・週足ともに下げを示唆していることを確認。
次にファンダメンタル分析で、金の価格構成要素であるドルと金利とGDPの動向を前年比で確認し、そのすべてが金の下落を示唆していることを確認。
すなわち、テクニカルとファンダメンタルズの両分析ともに金の下げを示唆しており、テクニカル分析に従えば1600ドルくらいまで下がるであろう。
よって2022年の明け以降、底を打った金を買うという相場観になる。
こういう内容の記事でした。















