今回はFOMC(連邦公開市場委員)を終えて、金の価格構成要因である米金利とドルがどうなるのかについて説明します。
この記事の要約
今回の記事では現在の金価格がドルの動きに左右されていることを確認し、その展望を予測します。
- 現在の金相場を表す「逆行現象」とは?
- 金の価格構成要因で今一番大事なのがドルである理由とは?
- ドルと金価格の展望は?
では、始めましょう。
金相場の逆行現象とは?
以下は金価格の前年比のチャートで、2024年7月1日から2025年9月17日までプロットしています。

現状のオレンジの線は40%を超えている状態で、45%を超えると価格が下がる傾向にあるため、金は強気できないということになります。
その後、金価格は3700ドルを超えてから今回のFOMCの利下げで反落しました。
これは9月会合後に0.25の利下げをすでに織り込んでおり、金利が下がりすぎた結果起こったことです。
そして金利が反転した去年のパターンと一緒で、金は下がるということになります。
さらにオレンジの線に着目すれば、瞬間で45%を超えて低下しましたが、価格は新値です。
このように価格は新値を更新しているが指数は下がっている状態をテクニカル指標ではダイバージェンス、日本語では逆行現象といいます。
この逆行現象が出ると価格が近々下がることを示すのです。
金の本当の上昇原因はドル
下記は青線が金価格、緑線がドルの前年比になります。

金が下がるのはドルが上昇しているときで、今年の4月に関税問題でドルが急落したと同時に金が上昇しました。
その後もドルは低迷したまま、金が上昇しています。
金利も同じスパンで見てみましょう。

金利の前年比はすでに去年より高くなっている状態で、金にとってはネガティブな要因です。
つまり金の上昇要因は、金利ではなくドルにあることがわかります。
ドルと金価格の見通し
やはり金の価格を押し上げているのは、ドルだということがわかりました。
FOMCも終わり、今後は金利よりもドルに注目の焦点が移行していくものと予想します。
そこで以下のネット長期TICフロー、アメリカ人が購入する米国債から外国人が購入する国債を差し引いたものを見てみましょう。

次に、このネット長期TICフローにグレーの線ドルインデックスを重ね合わせたグラフを見てください。

青線が多いときにはドル高の期待感が高まり、マイナスの肌色線が多いときにはドルが安くなる傾向が見て取れます。
4月に外国人が多く米国債を購入したのでマイナスになっているのですが、これはアメリカ人がこれからドル安になると思っているから購入を控える結果でもあります。
その後、大きく上昇しているので、アメリカ人はこれからドル高になると見込んでいることがわかるのです。
今回のメインイベントである利下げが終了したので、ドルの価格は上昇していくと思われます。
ゆえにドルに左右されている金価格は下がるだろうと予測ができるのです。
この記事のまとめ
以上、現在の金価格はテクニカル分析においては逆行現象の状態にあり、これは金の下げを示す傾向がある。
また、アメリカ人と外国人の米国債購入の多寡の観点からもドル安が示されている。
やはり、金の価格は下がると考えるのが妥当ということ。
という内容の記事でした。














