金の買付で大きな注目を浴びた中国。その現在の経済状況と照らし合わせた時、金買付の展望はどうなるのでしょうか。
この記事の要約
今回の記事では、中国経済の現状を踏まえた上で中国による金買付と金相場の展望を解説。
- 中国の金買付状況は?
- 金買付と人民元レートとの関係性とは?
- 中国経済の現状と金買付の展望は?
では、始めましょう。
中国の金買付状況は?
中国の過去10年間の準備金の増減は以下のとおりです。

最近では2026年1〜3月期に久しぶりに金を買い、この4〜6月期も買っている状況です。
5月には1万トン程度の金買付を行ったという報道もあります。
金の買付と関係する人民元レート
この中国の金買付は人民元の高安に左右されると解説してきました。
以下のチャートは、青線で中国の準備金の増減、灰色の線で人民元のレート(上に行くほど元安)を表しています。

人民元安になればなるほど金の買付が増えていることがわかるでしょう。
ところが、2026年の1〜3月期や4〜5月では人民元高なのに金を買っています。
これはなぜなのかについて考えていきます。
GDPには表れない中国経済の実態
中国の年率のGDP(国内総生産)を見てみましょう。

2025年の後半は経済の減速が顕著でしたが、2026年1〜3月期は盛り返しました。
これが人民元が高くなっている背景でしょう。
ところが、中国をけん引しているAIやEV(電気自動車)を見てみると事情が異なります。
中国のインターネット企業の株価指数は以下のとおりです。

6月8日には最安値を記録し、廉価で有名な中国製AIの不調が際立っている状況です。
次に、毎年のように売り上げ記録を更新していたEVですが、やはり芳しくありません。

中国におけるEV生産・販売の躍進は14億の人口が乗用車を購入することによってが躍進してきました。
その乗用車全般の生産に限ると以下のようになります。

乗用車の製造は2026年が2025年よりも明らかに減速している状況です。
今後の金相場の展開は?

中国は、ドルが安くなってくると金で外貨準備を買い付けるという王道の運用を行っていました。
ところが、このままいけば夏から秋にかけて中国経済が減速し、おそらく元安が進行して再び金の大規模な買付が予想されるかたちになります。
今、アメリカの雇用統計の数字が良かったことによる利上げの再懸念の結果、大幅にドルが高くなっています。
その結果、金はドルの裏返しなので、価格は大きく下がっている状況です。
これは現在の金相場がドルに大きく依存しているからになります。
ところが、2023〜2024年の金相場の大高騰時には、ドルの上下など関係なく金は上昇しました。
これは中国が大幅に金を買っていたことによります。
つまり、今はドルの上下による金マーケットですが、近いうちに金が需給相場に移行する可能性があるのです。
この記事のまとめ
以上、GDPや人民元相場だけ見ていると中国経済は好調に見えます。
しかし、その景気をけん引してきたAIやEVは去年よりも売り上げが悪く、経済の減速が目立つ状況です。
中国の金買付は、人民元安と関係性があります。
夏から秋にかけて経済減速からの人民元安が予想される中、中国は金買付に乗り出す可能性が大です。
金はドルが高くなれば安く、反対にドルが安くなれば高くなるという関係にあります。
しかし、金はドル高にもかかわらず、この中国の買いに支えられて価格は下がらないようなかたちになるでしょう。
という内容の記事でした。


















