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今回は、一般的にインフレの原因とされる「サプライチェーンの崩壊」に関して、海運市況にスポットを当てて考えてみます。そうすることで、世間に流布されていることと現状とがまるで違っていることがわかるでしょう。
この記事の要約
今回の記事では、中国発表のように新型コロナ感染拡大はそれほどでもないのか、あるいは西側メディア報道のように大爆発で経済停滞なのか。
現状を推し量るカギは、海運市況にあり。
それを見ると上昇し始めているので、中国経済の夜明けは近いと言える。
そして、今のインフレの原因は巷間で叫ばれているようなサプライチェーンの崩壊ではなく、お金のバラマキに端を発する中国の爆買い。
中国経済の復活が本格的になれば、金をはじめとする資源はさらに上がることになるだろう。
では、具体的に見ていきましょう。
現在の中国の新型コロナ感染状況は?
まず、以下のグラフは中国国内の新型コロナ感染者数の推移です。

次に、中国国内のコロナ死者数の推移をご覧ください。

新型コロナの感染状況は以上のとおりですが、実際の報道は以下のようになっています。
引用元:日本経済新聞
中国、コロナ新規感染を1日当たり約3700万人と推計-内部資料
引用元:ブルームバーグ
実際の報道と発表数字、どちらが正しいのかさっぱり理解できませんが、日経やブルームバーグの報道が正しいと決めつけるのはよくありません。
中国に批判的な立場から、中国が不利な情報を一方的に信用するのはよくないことです。
では、実際のところはどうなのでしょうか。
中国経済の現実はマーケットにある!
下記のグラフ、上海株式総合指数をご覧ください。

2019年末に発生した新型コロナを一早く封じ込め、株価は順調に回復しましたが、その後、ゼロコロナ政策の維持によってロックダウンが解けずに株価は低迷しました。
ところが昨秋に底を打ち、反転上昇し始めています。
上海総合指数でははっきりと認識できないので、香港50種という株式インデックスも併せて掲載します。

香港50種は中国市場では先物市場も設定されており、商いが活発な市場です。
やはりこの5年での大底をつけた可能性が高く、コロナで日常生活が混乱しているようなイメージですが、経済は回復しているだろうことがわかります。
中国経済の回復は本物か?
中国の経済の超先行な指標を景況感指数、PMI指数といい、これはアメリカのISM指数に相当します。

これを見ると、中国の景況感指数はまだ低下しているので、景気の回復はまだというイメージになるでしょう。
ところが中国には、これよりも早い景気回復指数があります。
引用元:TradingView
上記はバルチックドライ指数といい、船舶運賃の指数です。
海運指数には大別して2つあり、一つはスポット傭船、もう一つは定期傭船と呼ばれます。
日本や欧米など大抵の先進国は、定期傭船を利用しています。
これは、先進国の石油輸入は定期的に運航されるので、年間契約で船舶を抑えているからです。
今回のウクライナ侵攻でロシアからのガス供給を止め、他地域からガスを輸入する場合には、定期運航に船がないのでスポット(一時的)傭船を利用します。
結果として船賃が急騰し、サプライチェーンの混乱につながり、これがインフレの一因として挙げられます。
しかし、船賃が下がってもインフレは落ち着かずに高止まりしている理由には、専門家は言及していません。
サプライチェーンの崩壊がインフレの原因はウソ

一体、インフレの原因は何なのでしょうか。
答えは、サプライチェーンの混乱とは関係がない、ということです。
中国は、自国で保有している船舶も多いのですが、それでも輸入量に対して追いつかず、足りない部分をスポット傭船で対処しています。
そのスポット傭船指数をバルチックドライ海運指数といい、これを見ると上昇し始めているのです。
つまり、本当にコロナで死者がたくさん出ているのでしょうが、経済はしっかりしてきているのが中国の現状になります。
例えば、中国の石油需要は、毎年4〜5%ある世界成長の全てが中国の需要で賄われていると言われるのが一般的です。
世界に十分な供給があったとしても、余剰分は中国が購入してしまうので、商品市況や資源市況はほとんど残余がない状態になっているのです。
人民元と資源価格は相関関係にある!
中国の人民元と資源価格は相関関係にあります。
以下のグラフは、左軸が青線の中国人民元(反転)、右軸の緑線が金になります。

すなわち、人民元高になるほど金価格は上昇し、人民元安青になれば金の価格は下がるということです。
原油もまた同じです。

要は、資源市場は人民元次第でいくらでも高くなるということです。
中国の夜明けは近い

このインフレはお金のバラマキ過ぎが原因であり、結果、中国を利することになります。
理由は、今や日本人は中国製品に依存しない生活など考えられないからです。
これは欧米でも同じです。
つまり購買の復活は中国製品の購入を指し、ばらまかれたお金の過半は中国に行くのです。
中国は、儲けたお金でさらに資源を買いあさり、資源相場が急騰していくというサイクルになります。
この状態でインフレが終わるでしょうか。
中国は、本当にコロナ死亡者が増えているせいで不振でしょうか。
不振なのに、人民元高を背景に商品市況は上昇しますか。
すなわち、中国の夜明けは近いと言えるのではないでしょうか。

















