金が大急落しました。この背景は言うまでもなくドル高になります。
この記事の要約
今回の記事では急落した金価格の現状を分析。
- 前年比やドルとの関係性から見る金の適正価格は?
- 中国の金買付の展望は?
- 金はまだ下がるのか?
では、始めましょう。
ここ数年来の金相場の推移をチェック
まずは2024年7月1日から2026年6月10日までの金価格(青線、右軸)と金価格の前年比(赤線、左軸)をプロットしたチャートで現状を見てみましょう。

金の前年比は2024年は20〜30%のレンジで推移し、中国の買付によって30〜45%のレンジに変わり、さらにドル安になったことで40〜100%に変遷してきました。
その後、ドル安がピークを打った結果、金はダウントレンドに移行したと言えるでしょう。
レンジは一気に40%まで落ち、6月10日には年間比が20%まで落ちました。
前年比20%落ちは適正?
今回の急落が適正なのか否かを2026年6月10日までのドルの前年比(青線、右軸)と金の前年比(オレンジ線、左軸)で確認しましょう。

現状はドルは去年から1%高の状態です。
過去に1%高の水準の時に、金は前年比で40%高だったことがわかります。
それに対して現在は20%高なので、単純に見れば今のマーケットはやりすぎという結論になります。
中国の金買付はどうなってる?
ただし、金が40%高までいっていた時期は中国の金買付があった時にあたります。
つまり、中国の金買いによって20%高の下駄を履いていたということです。
では、現在の中国の金買いはどうなっているのか、2026年1〜3月までの中国の準備金の推移を見てみましょう。

2022年から2024年末まで金の購入が続いていたことがわかります。
これと比較して、中国は今年4〜5月もわずかに金を購入しているとのことです。
これが20%高の理由でしょう。
これが購入量が0であった場合、ドル高は1%なので、おそらく前年比で10%程度のマイナスになっていると思われます。
現在の金価格は適正か?

では、前年比20%という現在の金価格が適正なのかを考えましょう。
2024年の平均の購入は月で20トンだったのに対して、現在はその10%の月間2トン程度の買いになります。
従前はドルが前年比1%高で金は前年比40%高だったので、現在の前年比1%のドル高なら金は前年比4%程度の高さでよいということになります。
現在は20%高なので、まだ16%も高いということになります。
去年の6月10日あたりが3300ドルくらいなので、その4%高というと3300×1.04=3432ドルとなりかなり割高になるということです。
金はこのまま売られていくのか?
では、このまま金は売られていくのでしょうか。
ここで中国が金を買う条件をおさらいしてみましょう。
まず金準備とは外貨準備の一環であり、通貨安から自国通貨を防衛する資金になります。
つまり、増やすのは人民元安のときですが、現在の人民元は高い状態です。
普通であれば中国には金を積極的に買う動機がないことになります。
人民元のマーケットを日足で見ると以下のようになります。

このチャートを見ると人民元高が訂正される見込みはありませんが、タイムスパンを縮小すると違った見え方になります。
まずは15分足です。

次に30分足になります。

最後に1時間足をご覧ください。

日足を見るとまだ人民元高は続きそうですが、短い足を見るとだんだんと人民元安になっていることがわかってきています。
通常4時間足が人民元安を示すと、9割以上の確率で日足も週足も人民元安になるものです。
つまり、マーケットが元安に転換する可能性が高いと言えます。
中国経済の現状は?
現実に中国のマーケットはそれほどよくありません。
中国のインターネット企業の株価は以下のようになっています。

AIなどの製造が不振になってくることを示しており、おそらく時間の問題で底抜けするでしょう。
そもそも今、人民元高である理由が判然としない部分もあります。
この記事のまとめ
以上、金は安くなっていますが、ドル相場との関係性の側面から言えばまだ割高です。
今まで金の需要をけん引してきた中国の買いは、現状ではドル高で金を積極的に購入する理由がないにもかかわらず購入しています。
これは将来の金買いを示唆していると言えるでしょう。
今は目先は売りですが、どこかで大量に購入する可能性が高いと考えられます。
再び爆発的な量を購入する可能性も否定できません。
という内容の記事でした。


















