当コラムで度々言及しつつも一向に上昇しない白金(プラチナ)価格。金がお休みモードに入ったこともあり、今度こそかもしれません。
この記事の要約
今回の記事では、白金(プラチナ)価格に上昇の兆しがあることについて解説。
- 白金価格が中国の景況に強く影響を受ける理由は?
- その中国の景況は実際にはどうなのか?
- チャートから読み解く白金上昇の兆候。
では、見ていきましょう。
白金が中国銘柄なワケ
白金は、典型的な中国銘柄と言うことができます。
まず中国人は金も好きだけど、投資用の地金として白金の需要はそれなりあるということ。
そして、中国は世界最大の自動車生産国ということがその理由です。
白金は自動車の排ガス触媒として使用されており、また電気自動車の心臓部分でもある燃料電池の触媒としても使用されることがあります。
ゆえに中国の景況が上昇すると白金の価格も上昇、景気が後退すると価格が下落するという相関関係にあるのです。
以下のプラチナ価格をグレーの線で左軸、中国のGDP(国内総生産)を青線で右軸で表したグラフをご覧ください。

コロナ禍によりGDPが大きく落ち込むと白金価格も一気に落ち込み、上昇すると白金の価格も上昇するという関係性が見て取れるでしょう。
対中トランプ関税の影響はいかに?
世間では不動産バブルの崩壊によって、10〜20年は中国経済が浮揚してくる可能性が低いだろうと言われています。
その上に貿易依存度が50%前後もあり(日本は10%程度)、昨今のトランプ関税によって景況は停滞することになるだろうというコンセンサスが存在することも事実です。
しかし2025年1〜3月期のGDPは以下のとおり、アメリカ抜きでも久しぶりに5%台に乗せました。

トランプ政権が2月に対中輸入関税を10%上乗せした結果の景況指数は以下のとおりです。

2月の上乗せ関税には関係なく景況は上昇しましたが、相互関税合戦となった4月はさすがに大きく下落しました。
しかし、その高関税が撤廃された5月の数字は多少回復しています。
実際の貿易量を見てみましょう。

2月に駆け込みの輸出があったにもかかわらず、3〜4月は平年並みの輸出を確保しました。
アメリカだけではなく、他地域へ輸出していることが覗えます。
関税の影響は、中国にはほとんどないと言えるでしょう。
白金のチャート分析
実際に白金のチャートを見てみましょう。

毎年のようにある時期に価格が跳ねますが、やはり売られている状態です。
ただし前回、その前と長期の移動平均線がまだ下を向いていましたが、今回は大きく上放れを演じています。
ダウントレンドが解消され、いよいよテイクオフの状態になったように見受けられます。
この記事のまとめ
以上、チャートのテクニカル分析から白金が上昇局面に転じつつあることがわかりました。
その上、白金上昇に不可欠な要因である中国経済も、トランプ関税を受けつつもその影響はあまり見られない。
そろそろ白金上昇が現実味を帯びてきた!
という内容の記事でした。