8月末の金の価格上昇についてです。
この記事の要約
今回の記事では、8月末の金価格の上昇が本物かどうかを検証します。
- 8月末の金高騰の理由は?
- 金価格とその需給の関係と今後の注意点は?
- 金価格を左右するドルの今後の展望は?
では、今回の金高騰はどうなのかを見ていきましょう。
金価格とドル相場の関係
金価格が上昇する主な条件は以下の2つです。
【1】ドル安
【2】需給
まずは【1】ドルについてです。
青線でドル建て金価格(右軸)、シルバーの線でドルインデックスの前年比(左軸を反転)を表したグラフで、2024年7月からの関係性を見ていきましょう。

全体の傾向として、シルバーの線のドルインデックスが0よりも上に来たときに金の高騰が大きくなり、0よりも下になると高騰が落ち着いていることが観察できます。
金高騰の理由は需給?
金が上昇する2つの条件のうち、【1】ドルは前年よりまだ高い状態にあるので、8月末の金高騰は【2】需給によると判断できます。
現状の金の需給は、以下のようにETFから派生をしていると思われます。

ここ数週間、ETFが異常に買われていることが観察できます。
これは、7月末に行われた日米協調為替介入によって大きくドル安になったことが原因と思われます。
しかし、協調介入が行われてもドルは前年比でまだ高い状態であり、結果的に金の上昇は本格的ではないという判断になります。
仮にこの需要が途切れた場合、大きく反落する可能性があるということです。
裏を返せば、この高騰が本物になるか否かは、ドル安になるかならないかにかかっています。
ドル安になる可能性は?

8月28日にジャクソンホールで行われた講演で、FRB(連邦準備制度理事会)のウォーシュ議長が利上げを示唆したというのがコンセンサスです。
これは米金利の上昇を意味し、ひいてはドル高を示唆することから週末の金相場は反落しました。
ただし、この利上げに関しては確定とは言えません。
ウォーシュ議長はフォワードガイダンスを行わない方針であり、ジャクソンホールでの発言も「フォワードガイダンスではない」と念押ししているからです。
ただ、中国との貿易戦争を行うために金利を低めに、あるいは安定的に運用するというアメリカ政府の方針があり、この結果は最終的にドル安になるでしょう。
一方でインフレの懸念が出ている以上、ドルを高く誘導する可能性を否定できず、しばらくは金は軟調になることになります。
ドル安になれば話は別ですが、マーケットをけん引するのは需給相場です。
この週末の金利高でETFは一気に売却されていると思われます。
これからは中国などが金を購入したら大きく買われることになるでしょう。
この記事のまとめ
以上、8月末の金高騰は、7月末の日米協調為替介入で大きくドル安になったことに起因すると思われるETFの買いが理由です。
なお、8月末の週末の金利高は、FRBのウォーシュ議長が利上げを示唆したことから、ファンドなどが米国債売りのポジションを手仕舞いした結果です。
今後の新規がどうなっていくかは、月日が経過しないとわからない点が多々あります。
ともかく、金が本格的な買いになるためには継続的なドル安になる必要があります。
という内容の記事でした。


















