毎年GWの連休明けあたりにその年の白物貴金属の需給が発表されます。今回はその白金(プラチナ)に焦点を当てた解説です。
この記事の要約
今回の記事では、需給動向をもとに白金の価格展望を解説。
- 白金の需給と価格の推移を振り返ってみると?
- 「価格は需給によって成立する」の本当の意味とは?
- これからの白金価格の展望は?
では、始めましょう。
価格は需給によって成立する?
2013年からの白金の需給は下記のとおりです。

次に2016年以降の白金価格を添付するので対比して見てください。

需給のひっ迫は、近年では2023年からスタートして2025年まで続きました。
株式市場には「価格は需給によって成立する」という格言があります。
この間の白金価格は横ばいで、高騰するのは2025年になってからだったのはなぜでしょうか。
上記の格言は、需給そのものが価格を形成するという意味ではありません。
正確には、市場ですぐに使える在庫率が価格を支配します。
需給表によると、その前の2021から2022年は大きく需給が改善していました。
この余剰の生産分が2023年から2025年まで在庫としてあったから、価格は落ち着ていたのです。
ナフサ問題を例にすると…

例えば今、イラン戦争の影響でナフサなどの石油製品が不足していると言われ、実際にホームセンターに行ってもシンナーの棚は空です。
ところが、政府によれば在庫は十分にあると言います。
これは、品物はあるけれど予備のために買い占められているので在庫がない状況になります。
白金でも同じことが起こったのです。
2021年から2022年にかけては供給過剰で、2023年から2025年にかけて供給不足になっても店舗にいつもと変わらない値段で白金が置いてありました。
ゆえに価格が上昇しなかったのです。
しかし、一度店頭から白金が消えると一斉に購入を始め、価格高騰になるのです。
これが起こったのは2025年で、金の急騰を受けて白金も上昇しました。
2027年は白金が供給不足になるが…
WPIC(ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル)によると、2026年は白金は供給過剰だそうです。
しかし、価格は高いままです。
店頭にぽつぽつ物は出ていても、まだ大量に売買できる環境ではないので価格が高止まりしていると解釈できます。
現実に日本証券取引所の白金の倉荷証券流通量は、3月に256枚だったものが4月は255枚とほぼ変わらずです。

この店頭の在庫が増えていくと白金の価格は自動的に下がります。
金は3月の1905枚から4月に2395枚と激増しているので、価格が下がっていることがわかるでしょう。
一般的に白金の需給は2027年にはタイトになると言われています。
ほとんどの専門家が「来年は白金が高い」と言うものと予想できます。
しかし、価格が上昇するのは店頭にモノがなくなったときと考えれば、来年中に価格が上昇するかは怪しいものです。
この記事のまとめ
以上、一般に「価格は需給によって成立する」と言われますが、実際の供給と需要ではなく、店頭の在庫によって価格は左右されます。
ゆえに需給がタイトでも自由に売買できる環境では価格は落ち着いているものです。
2027年に白金の需給がタイトになると言われていても、店頭に2026年の在庫がいっぱいあれば、価格はそれほど上昇しません。
という内容の記事でした。


















